2010年のオゾン層と紫外線の状況について -「オゾン層観測報告:2010」を公表-
報道発表日
平成23年6月27日
概要
- 成層圏のオゾンを破壊する大気中のクロロフルオロカーボン類(CFC類)は、世界で減少傾向。
- 世界のオゾン全量(*)はオゾン層破壊が進む前に比べて少ない状態が継続。
- 南極オゾンホールの規模は、依然として大きい状態が継続。
本文
気象庁は、オゾン層の保護に資するため、上空のオゾン量と地上の紫外線量の観測を 1957年から続けており、世界および日本のオゾン層・紫外線の状況とその長期変化傾向に関する解析結果を毎年「オゾン層観測報告」として公表しています。
このたび、 2010年の状況について取りまとめ、「オゾン層観測報告:2010」として公表しました。主な内容は次のとおりです。
- 世界の大気中のCFC類の濃度は、1990年代以降は減少傾向がみられる。気象庁大気環境観測所(岩手県大船渡市)における観測結果においても緩やかな減少傾向がみられる。
- 世界のオゾン全量は、オゾン層破壊が進む前の 1979年以前に比べて少ない状態が続いている。2010年のオゾン全量は、1979年と比べて平均で2.1%少なかった。
- 2010年の南極オゾンホールは、1990年以降で3番目に小さい面積だったものの、その規模は1979年以前に比べて依然として大きい状態が続いている。
「オゾン層観測報告:2010」は、下記の気象庁ホームページで公開しています。
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/9-0kankou.html
報告の概要及び図等を含めた全文は、下記の「資料全文」をご参照ください。
(*)オゾン全量:観測地点の上空にあるオゾンの総量のこと。オゾンは高度約 10~50kmの成層圏に多く存在していることから、オゾン全量の観測により成層圏のオゾンの動向を把握することができる。
問い合わせ先
気象庁 地球環境・海洋部 環境気象管理官付 オゾン層情報センター
電話03-3212-8341(内線)4212