2011年4月までの日本の大気中二酸化炭素濃度について
報道発表日
平成23年6月1日
概要
気象庁が温室効果ガス観測を実施する国内観測地点において、2010年の年平均大気中二酸化炭素濃度は過去最高となりました。濃度の増加率は、この10年間で2.0ppm/年となり、その前の10年間の値(1.7ppm/年)に比べて大きくなっています。
また、2011年4月の大気中二酸化炭素濃度は、観測開始以来の最高値を記録しました。
本文
気象庁は、岩手県大船渡市綾里、東京都小笠原村南鳥島、沖縄県八重山郡与那国島の国内3地点で、大気中の二酸化炭素濃度の観測を実施しています。これらの観測の結果、2010年の年平均値(速報値(注1))は3地点でそれぞれ393.3ppm、390.5ppm、392.7ppmとこれまでで過去最高となりました。この10年間(2001~2010年)では3地点の平均で2.0ppm/年の割合で増加を続けており、この値は、その前の10年間(1991~2000年)の割合(1.7ppm/年:綾里)に比べて大きくなっています。国内で最初に長期連続観測を開始した綾里においては、観測開始時(1987年)より、42.1ppm濃度が増加しています。
また、年間で最も二酸化炭素濃度の高くなる春季において、今年4月の観測値(速報値)が得られた2地点(注2)では、396.4ppm(南鳥島)、398.4ppm(与那国島)と、ともに観測開始以来の月平均値の最高値を記録しました。
注1)今回発表するデータは速報値です。今後数か月以内をめどに確定値を算出します。速報値と確定値の差は、大きくても0.1ppm程度の見込みです。
注2)綾里は平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、4月の観測値が得られませんでした。
報告の概要及び図等を含めた全文は、下記の「資料全文」をご参照ください。
問い合わせ先
気象庁 地球環境・海洋部 環境気象管理官付
電話03-3212-8341 (内線)4112