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火山噴火予知連絡会会長会見(定例)

報道発表日

平成21年2月18日

概要

 本日(18日)、火山噴火予知連絡会(会長:藤井敏嗣 東京大学地震研究所教授)を開催し、全国の火山活動について検討を行い、現在までの全国の火山活動評価を取りまとめましたのでお知らせします。
 また、火山噴火予知連絡会の2つの検討会から報告がありましたのでお知らせします。火山活動評価検討会(座長:石原和弘 京都大学防災研究所長)からは、災害軽減のために監視を強化すべき火山の選定について報告がありました。火山観測体制等に関する検討会(座長:清水洋 九州大学教授)は、その選定された火山について、国として必要となる観測網や観測データの流通及び共有化体制等について検討を行っており、その基本的な考え方が報告されました。

本文

 雌阿寒岳では、2008年11月18日及び11月28~29日に、ポンマチネシリ96-1火口及び第4火口で、ごく小さな噴火が発生しました。噴出した火山灰に新たなマグマ物質は認められず、今回の噴火は水蒸気爆発であったとみられます。2008年11月の噴火以降も、火山性地震の一時的な増加や火山性微動の発生がみられ、ポンマチネシリ火口の噴煙活動がやや活発な状態で推移するなど、火山活動はやや高まった状態が続いています。ポンマチネシリ火口周辺500メートル程度の範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。また、風下側では降灰に注意が必要です。
 浅間山では、2月2日、山頂火口で小規模な噴火が発生しました。噴煙の高さは2000メートルで、浅間山の南東から関東地方南部まで降灰が確認されました。噴出した火山灰には、ごく微量のマグマ物質が含まれていました。2月2日の小規模な噴火の発生後は、火山性地震や火山性微動の発生回数は減少しましたが、2月8日からは再びやや多い状態となり、2月9日から12日には噴火が連続的に発生しました。2月2日の噴火後も、GPSによる地殻変動観測では、深部へのマグマの貫入を示す変化が引き続き観測されています。高感度カメラでは引き続き火映が観測されています。また、火山ガスの放出量も多い状態が続いています。引き続き火山活動の高まった状態が続いており、火口から4キロメートルの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性がありますので、弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。また、風下側では、降灰および風の影響を受ける小さな噴石に注意が必要です。
 桜島では、2月1~2日にかけて、昭和火口で爆発的噴火が8回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が5合目まで達しました。有村観測坑道の水管傾斜計では、2008年7月から火口方向が隆起する傾斜変動が続いていましたが、2月上旬の噴火活動以降、火口方向が沈降する傾斜変動に変わりました。また、2月5日以降、爆発的噴火が発生しておらず、火山性地震や火山性微動は少ない状態が続いています。GPSによる地殻変動観測では、姶良カルデラ深部の膨張による変化が引き続き観測されています。今後、姶良カルデラの地下深部に蓄積したマグマが桜島直下へ多量に移動・上昇した場合には、火山活動が活発化する可能性があります。今後も昭和火口及び南岳火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。降雨時には土石流に注意が必要です。
 口永良部島では、2008年9月以降、火山性地震の発生が継続しており、振幅のやや大きな火山性微動の発生も継続しています。また、GPSによる連続観測では新岳火口浅部でわずかな膨張を示す変化が引き続き観測されています。2008年10月以降、噴煙のやや多い状態が続いており、火口底では温度上昇が認められています。また、火山ガスの放出が続いています。引き続き、火山活動が高まった状態が続いており、新岳火口から概ね2キロメートルの範囲に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。
 三宅島では、多量の火山ガス放出は当分継続すると考えられます。引き続き、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があるので、火口周辺では噴火に対する警戒が必要です。

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問い合わせ先

気象庁地震火山部火山課
電話 03-3212-8341(内線)4530,4527

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