岩手県洋野町大野の震度データについて- 本年7月の岩手県沿岸北部の地震の最大震度を6強から6弱に修正 -
報道発表日
平成20年10月29日
本文
平成20年7月24日0時26分に発生した岩手県沿岸北部の地震(マグニチュード6.8)で、最大震度6強を観測した岩手県整備の岩手県洋野町大野の震度観測点について、地震後の現地調査で震度計台と地面の間に数ミリの隙間が見られたことから、7月25日に気象庁の臨時震度計(以下、「気象庁臨時震度計」と呼ぶ)を洋野町役場大野庁舎内に設置し、岩手県整備の震度計(以下、「岩手県大野震度計」と呼ぶ)に代え震度情報の発表を行っています。
現在までに、気象庁臨時震度計と岩手県大野震度計の両方で観測された4回の地震について震度データを比較したところ、岩手県大野震度計は、気象庁臨時震度計に比べ、震度階級で1以上(計測震度で平均1.6)大きな震度を観測していることが分かりました。
今回比較した地震は、震度1程度の弱いゆれの地震のみであり、これらの地震の比較結果のみから、震度6弱や震度6強のような強い揺れの評価をするには難しい面があります。しかしながら、震度の差が計測震度で1.6程度あることから、防災上取り扱われる震度の品質管理の観点から検討した結果、気象庁が発表する震度の品質としては、適切でないと判断しました。
このことから、平成20年7月24日0時26分の岩手県沿岸北部の地震以降、気象庁臨時震度計を運用する7月25日18時までの間の3回の地震(24日0時26分M6.8、24日11時27分M4.8、25日17時59分M3.7)について、岩手県大野震度計で観測された震度は、不明として取り扱うことにします。
平成20年7月24日0時26分の岩手県沿岸北部の地震の最大震度は、岩手洋野町大野の震度を除くことにより、震度6強から、震度6弱に変更となります。最大震度6弱の観測点は、青森県五戸町古館、八戸市南郷区、八戸市内丸、階上町道仏、岩手県野田村野田の5カ所です。なお、7月24日11時27分及び25日17時59分の地震の最大震度は、それぞれ震度3と震度2で変更はありません。
今後、今回のようなことを避けるため、岩手県大野震度計の震度計台の埋設状況等も含め、原因解明のための調査を行い、その原因と対策について各地方公共団体等に周知徹底を図るとともに、気象庁としても震度観測点の定期的な点検に努めて参ります。
詳細につきましては、下記の「資料全文」をご参照下さい。
問い合わせ先
気象庁地震火山部地震津波監視課
03-3284-1743