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平成18年7月15日以降の大雨に関連する大気の流れについて


 平成18年7月15日以降、日本付近は梅雨前線の活動が活発となり、本州や九州で大雨となった。梅雨前線が本州付近に停滞し、活動の活発な状態が継続しており、東日本から西日本の梅雨明けが遅れている。その要因として、以下の2つの大気の流れが関連している(図参照)。

①偏西風の蛇行が強まり、日本の上空に寒気が流れ込む状況が続いている。

 7月15日以降、19日頃をピークとして日本付近の偏西風の蛇行が顕著となり、日本の上空には寒気が流れ込むようになった。下層に暖かく湿った空気が、上層に寒気が流れ込むようになった日本付近では梅雨前線の活動が非常に活発となった。このような偏西風の蛇行は5~10日程度の周期を持って変動するものであり、日本付近への寒気の南下が続いている。このため、西日本や東日本で梅雨明けが遅れている。

②日本の南海上の高気圧が強く、暖かく湿った空気が日本付近に流れ込みやすい状態が続いている。

 日本の南海上の太平洋高気圧の周りを回るような形で、暖かく湿った空気が日本付近に流れ込んだ。特に、期間前半は、中国南部に上陸した台風第4号に伴う暖かく湿った空気が、日本付近に流れ込んだ。太平洋高気圧が南海上で強い状態が維持されたため、寒気の南下に伴い梅雨前線が大きく日本の南海上に南下することなく、本州付近に停滞し続けている。

平成18年7月15日~23日の平均的な大気の流れの模式図



 日本付近は梅雨前線の活動が活発となり、その状態が継続し、東日本から西日本の梅雨明けが遅れている。その要因として、日本の南海上の高気圧が強く、暖かく湿った空気が日本付近に流れ込みやすい状態が続いていること、偏西風の蛇行が強まり、日本の上空に寒気が流れ込む状況が続いていることが挙げられる。
 なお、フィリピンの東海上で対流活動が活発で、対流活動に伴う上昇流がその北側で下降流となり高気圧を強化したことが、太平洋高気圧が日本の南海上で強い一因と考えられる。また、アジアモンスーンによる下層の西風が例年より東のフィリピンの東海上まで達し、収束していることや西部熱帯太平洋で海面水温が平年より高いことが、この付近で対流活動が活発化していることと関連しているとみられる。

問い合わせ先

 気象庁地球環境・海洋部気候情報課
 電話03-3212-8341(内線3154)

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