【解説】
固着域周辺の地震活動(フィリピン海スラブ内1997年以降)
コメント文の第二パラグラフ前半についての解説です。駿河トラフから静岡県の下に向かって
沈み込むフィリピン海プレート(スラブ)内部の地震活動についての評価になっています。
ページの右側に「地震回数積算図」と表題のついた図があります。これは、その左の震央プロッ
ト図の中の、長方形で囲まれた領域(東海地震の震源となる領域と考えられています)内の地震
が、時間とともにどのように発生しているかを表しています。もしも地震の発生する頻度が時間
的に一定なら、グラフは右上がりの一直線となるはずです。しかし、実際にはそうはなっておら
ず、一昨年半ばあたりからカーブの傾きが小さくなっています。これは、地震の発生頻度がそれ
までより減っていることを表します。こうした現象は「地震活動の静穏化」と呼ばれています。
大地震が発生する前には、その周辺域で地震活動が低下することがあることが知られています。
東海地域で見られる地震活動の静穏化は、東海地震の前兆現象である可能性もあるため、気象庁
では注意深く監視を行っています。
昨年になってから、ややこのカーブが上向いてきており、地震発生回数の少ない月を挟みながら
、今年に入ってからは、一昨年半ば以前の平均的な回数の地震を観測しました。地震回数積算図
を見ても、M2以上(上図)、Mすべて(下図)ともに、最近のカーブの傾きは一昨年半ば以前
の傾きに戻りつつあるように見えます。
そうした中、4月3日にスラブ内で静岡県中部の地震が発生しました。地震回数積算図の最後の
部分の「跳ね上がり」がこの本震〜余震活動に対応します。この余震活動自体は前述のとおり順
調に減衰していますが、今回の余震域からやや離れた場所でも、スラブ内の地震活動が一時的に
活発化しました。今後の推移については、もうしばらく様子を見る必要があります。
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