東海地域とその周辺の地震・地殻活動について

平成13年4月27日


 東海地域においては、4月3日に静岡県中部の深さ33kmでM5.1の地震が発生し、 静岡県内で最大震度5強のゆれを観測しました。静岡県中部でM5以上の地震が発 生したのは、1965年4月21日(M6.1)以来でした。今回の地震は沈み込むスラブの 上面付近で発生し、最大M4.0の余震を伴いましたが、余震活動は順調に減衰してい ることから、今回の地震が直ちに東海地震に結びつく恐れはないと考えています。
 一方この地震の発生をきっかけとしてスラブ内では余震域の周辺で地震活動の一時的 な活発化が認められました。スラブ内の地震活動はその後減少に向かっていますが、今 後の活動については、しばらく推移を見守る必要があります。駿河湾及びその西岸域の 地殻内の地震活動については、今回の地震に伴う変化は観測されず、やや活動の低い状 態が依然として継続しているように見えます。
 地震に伴って震源の周辺で体積歪計に歪みのステップが観測され、一部の観測点では 余効変化が観測されていますが、観測点周辺の局所的な変化と考えられ、異常な地殻変 動に結びつくものとは考えられません。

 (解説)
 大地震が発生する前には、その周辺域で地震活動が低下することがあることが知られています。現在東海地域で見られる地震活動の静穏化は、東海地震の前兆現象である可能性もあるため、気象庁では注意深く監視を行っています。

    

 
資料1:4月3日静岡県中部の地震の評価(地震活動)(pdf:28KB)
資料2:固着域周辺の地震活動(フィリピン海スラブ内1997年以降)(pdf:48KB)
資料3:固着域周辺の地震活動(地殻内1997年以降)(pdf:42KB)
資料4:4月3日静岡県中部の地震の評価(地殻変動)(pdf:15KB)
資料5:東海・南関東地域の地震活動(2001年3月及び4月)(pdf:45KB)
資料6:歪みの観測結果(pdf:16KB)
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