(解説)固着域周辺の地震活動 (フィリピン海スラブ内1997年以降)
コメント文の第一パラグラフについての解説です。駿河トラフから静岡県の下に向かって沈み込むフィリピン海プレート(スラブ)内部の地震活動についての評価になっています。
ページの右側に「地震回数積算図」と表題のついた図があります。これは、その左の震央プロット図の中の、長方形で囲まれた領域(東海地震の震源となる領域と考えられています)内の地震が、時間とともにどのように発生しているかを表しています。もしも地震の発生する頻度が時間的に一定なら、グラフは右上がりの一直線となるはずです。しかし、実際にはそうはなっておらず、一昨年半ばあたりからカーブの傾きが小さくなっています。これは、地震の発生頻度がそれまでより減っていることを表します。これをコメントでは「地震活動の低下」と表現しています。昨年になってから、ややこのカーブが上向いてきており、地震発生回数の少ない月を挟みながら、今年に入ってからは1月、2月(21日まで)に各11回(最下のスラブ内月別地震回数参照)と、一昨年半ば以前の平均的な回数の地震を観測しました。これをコメントでは「多少の消長を繰り返して」と表現しており、地震回数積算図を見ても、M2以上(上図)、Mすべて(下図)ともに、最近のカーブの傾きは一昨年半ば以前の傾きに戻りつつあるように見えます。
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