長官記者会見要旨(平成20年4月17日)

会見日時等

平成20年4月17日(木) 14時00分~14時15分
於:気象庁会見室

発言要旨

 昨年度アメダスシステムの更新整備を行いました。そして昨年度末から今年度の初めにかけまして、新アメダスセンターシステムと関連するシステムの障害が引き続いて発生しまして、アメダスデータご利用される方々にご迷惑をおかけいたしました。この場を借りてお詫び申し上げます。障害の再発防止のため、関係部署の担当官が毎週打合せを行いまして、作業の事前点検と連絡を確実に行うことにより、ミスの防止を徹底することといたしました。今年度もアメダスの更新作業は続いておりますので、私も必要に応じて進捗状況を見まして、的確に作業を行えるようにしたいと思います。
 先月26日から「竜巻注意情報」の発表を開始しました。翌日の27日には、熊本県、宮崎県、鹿児島県で本情報が発表されまして、鹿児島県では、竜巻による被害が発生しました。現在の発表状況を見ておりますと、まだ竜巻注意情報の精度は十分とは言えない状況でございます。引き続き、精度向上に向けた技術開発を行っていきたいと考えております。 本情報を活用いただくことによって、それぞれの方の安全確保に役立つように利用の仕方についても、広報に努めてまいりたいと考えております。
 本日から、気象庁と環境省が共同運用による「黄砂情報提供ホームページ」が開設されます。気象庁では今年2月に黄砂情報の予測期間の延長、黄砂濃度表示の改善などをホームページで行いまして、一方、環境省におきましては、ライダーと呼ばれます観測装置による黄砂の観測結果をホームページで提供しておられます。今回開設されるホームページは、これらの黄砂に関する情報を1つの入り口でとりまとめて、より一層便利にご活用いただけるということを目的に作られたものでございます。ご利用いただければ幸いです。


 

主な質疑応答

Q.アメダスの障害の件、風速風向計の設置ミス、ホームページの累積降雪量の誤りなど最近ミスが続いているが、その原因、背景は。
A.それぞれの事案については、より詳細に調べなくていけないものもございますが、原因について全て調べており、システムが複雑になっている中で進捗状況の管理、情報の共有を行って問題がないように、よりつめていくという姿勢を常にもっていないと、障害が起きてしまいますので、それを徹底したいと考えております。

Q.高層観測について、那覇・仙台の観測を廃止したことについて、問題はなかったのか。
A.技術的に庁内で十分な議論、評価を行い、さらにデータを利用される航空会社などのユーザーにもご説明し、了解いただいた上で、組織として問題がないと判断し、廃止することに至りました。

Q.さらに減らすことは考えているか。
A.現時点でそういった計画は全くございません。ただし、観測は、一つ一つの装置単位ではなく、ネットワークとしておこなっています。そのネットワークの効果というのは、常に評価していかなければなりません。

Q.黄砂の観測について、観測方法は違えど、環境省・気象庁と別々に情報発信をしていた。今回統一したホームページで情報を発信することになったが、今後の両者の観測の効率化・合理化について何か考えているか。
A.環境省はライダーによる観測をおこなっており、気象庁は世界中の気象機関と目視による黄砂の観測情報を交換しております。こうした黄砂に関する情報を利用される方の利便性を向上させるということが今回のホームページの趣旨でございます。観測網についてですが、既に環境省のデータも入手しておりまして、引き続き環境省と協力し、予測精度向上に努めていきたいと思います。

Q.アメダスの件に関し、たくさんのデータを公表し、いろいろな観測をしている中で、マンパワーがついてきていないということはないのか。
A.今までのアメダスシステムは、一つのサービスを受けるという形だったのですが、今回は気象庁が自ら運営する形に大幅に変えました。その移行作業で、十分につめきれていなかった点があったのではと思っておりますが、今後こういったことがないようにしたい。気象庁職員の資質が追いついてなかったかということにつきましては、個々の技術は十分に追いついていると思いますが、総合的に見たり、つき合わせたりということが不十分だったと思いますので、進捗管理、情報共有に努め、こういったことがないようにしていきたいと思います。


Q.進捗管理ができていないということだったが、意思統一が図れていなかったということか。
A.全体の計画を理解したうえで、一つ一つ詰めていく、全体的な目配りを念には念をいれて行わないと、システムというのは上手くいきません。個々の事例に問題があったということではございません。


(以上)  

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