長官記者会見要旨(平成18年6月15日)

会見日時等

平成18年6月15日(木) 14時00分~14時16分
於:気象庁会見室

発言要旨

本日北陸地方が梅雨入りしました。いよいよ出水期となり、本日も九州南部や四国では大雨となっており、鹿児島県については土砂災害警戒情報を発表しています。気象庁では、大雨による災害の防止軽減に向けて、防災気象情報の適時適切な発表に努めていく所存です。土砂災害警戒情報については、今年は沖縄県、島根県での運用も始まったところですが、今後、土砂災害の軽減につながるよう期待しています。

地震火山関係では、この期間国内では、今週6月12日早朝、大分県中部の地震で大分県、広島県、愛媛県で震度5弱を観測しました。地震の減災に役立つことを期待される緊急地震速報については検討会の中間報告を受けて、8月1日からの先行提供の日程も確定し、実用化が始まることになり、現在必要な調整を進めているところです。少しでも被害の軽減に役立てていただくことを期待しています。

火山では、6月4日、桜島南岳東斜面の昭和火口から小規模な噴火が発生しました。6月12日に開催した火山噴火予知連絡会の見解を踏まえ、同日臨時火山情報を発表し、火山活動度レベルを2から3へ引き上げ、火山活動への注意を呼びかけているところです。

次に、この間の放射性物質に関する総点検の状況について説明します。
総点検は5月12日から、全国の全ての気象官署とその関連施設を対象に実施し、職員による点検を6月2日に完了しました。
その途中結果は、既に報道発表しましたように、気象庁本庁庁舎で管理下になかった放射性物質が見つかっており、これらによる人体や環境への影響はありません。この件については文部科学省に適切に報告しています。
現在は、これまでに放射能観測業務を実施していた官署とその関連施設を対象に、専門業者による放射線センサーを用いた点検を実施しております。これは、職員の目視による徹底的な点検によっても発見されなかった物質がないかどうかを、さらに念を入れて点検しているものです。
専門業者による点検は6月中に終了する予定であり、その後速やかに、総点検全体の結果をまとめて公表する予定です。

以上会見にあたり私の方から発言させて頂きました。

主な質疑応答

Q 土砂災害警戒情報について、今後拡充していく予定は。
A 都道府県と協力して実施することになりますが、今年度中に数県で開始できるよう調整中で、さらに19年度内にすべて開始できるよう調整していきたいと考えています。

Q 緊急地震速報の一般向けへの発表にあたっての課題は。
A 周知広報によって一般の利用者へ緊急地震速報について認知していただくこと、また、報道機関の皆様のご協力を頂いて、放送などを通じ技術的にどのように発表していくのかということなどが課題です。

Q 緊急地震速報を先行的に提供するにあたっての課題は。
A 課題というよりは具体的に確実に提供できるよう調整しているところです。

Q 緊急地震速報について8月1日以降先行提供開始するわけですが、その利用の事例を集めるなど、新しい取り組みを始めるのか。
A 特に新しくということではありませんが、利用企業などから提供して頂ける情報があればとりまとめていきたいと考えています。これまでも試験的提供を通じて利用方法を把握し検討してきましたが、先行提供先での利用実態もできるだけ把握して、これまでの取り組みを引き続き進める、ということです。

Q 政府の行政減量・効率化有識者会議に提出された職員の削減計画ですが、関係する地元への説明をしているのか。
A 気象庁の考え方を有識者会議へ提案したという段階であり、現時点では積極的に説明はしておりません。ただ、関係する各市町村などから問い合わせや陳情は受けています。

Q その計画について、早ければ来年度予算で一部の取り組みが始まるのか。
A 政府としての方針がとりまとめられた後、気象庁として具体的な計画をたてることになります。ご指摘のとおり予算の中に盛り込むことも課題になります。

Q 測候所の無人化に関連して、無人化して2年近くたつ富士山の無人化観測データでトラブルが出ているようだが、今後、無人観測の維持に相当の費用、コストがかかる場合は、将来的には観測をやめるのか、それともコストをかけても観測を続けていくのか。
A 無人化を理由に観測をやめることはありません。必要性については、観測ネットワークとして検討します。
なお、富士山測候所での観測機器の故障については、当時強いレーダーエコーがあり、雷災の可能性があると考えています。後日、山頂にて点検の際に調査します。


(以上)

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