気象審議会総合計画部会
議事録
第9回:平成12年5月17日

気象審議会総合計画部会 議事録

  1. 日時及び場所
    平成12年5月17日(水)14:00~16:00
    気象庁第一会議室
  2. 出席委員
    委員長:浅井
    委員:石井、西尾
    専門委員:小縣、長見、亀岡、藤井、藤吉
  3. 議 題
    1. 開会
    2. 議事
      1. 第8回総合計画部会議事録(案)について
      2. 21世紀における気象業務のあり方について(案)
        21号答申案草稿及びその要旨
      3. 今後の審議スケジュール
      4. 21世紀における気象業務のあり方について(案)の公開と意見公募について(案)
      5. その他
    3. 閉会
  4. 議事経過の概要

議事経過の概要

(事務局)それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。

本日の審議でございますが、16時までの2時間を予定しております。お手元に議事次第、本日の部会において事務局からご説明予定の資料として計9-1から9-5までがございますでしょうか。欠けているものがあれば、事務局まで連絡をお願いいたします。

なお、本日の議事ですが、部会開催通知にはございませんでしたが、議事(4)として「21世紀における気象業務のあり方について(案)の公開と意見公募について(案)」がございます。これは、議事(3)の今後の審議スケジュールが前回と異なる提案となっておりますことから、その内容がご了承いただければ必要になる議事でございます。詳しくは議事(3)でご説明いたします。

早速、第9回部会の審議を浅井先生にお願いいたします。

(部会長)それでは、議事に入りたいと思います。いつものことですが、最初の議題は前回、第8回部会議事録(案)の取り扱いでございますが、これについて事務局からご説明ください。

(事務局)資料は計9-1でございます。この議事録については、事前に委員の先生方に目を通していただいております。そこで、第7回までの議事録と同様に、1週間後の5月24日水曜日までに見ていただいて、さらに修文すべきところについて事務局までご連絡していただきたいと考えております。先生方のご指摘を踏まえて修文し、最終的な案文については部会長にご一任いただいて、議事録として公開することにしたいと考えております。

(部会長)そういうふうな手続を踏んでよろしいでしょうか。--それでは、そういうふうにさせていただきます。

(事務局)それでは、恐れ入りますが、1週間後までよろしくお願いいたします。

(部会長)次に、2番目の議題で、21号答申(案)とその要旨についての審議をお願いしたいのですが、これは計9-2と計9-3をごらんいただきたいのですが、前回の審議で皆さん方からいただいたご意見等を踏まえまして、前回の草稿をさらに事務局で修正していただきました。それが計9-2の「21世紀における気象業務のあり方について(案)-21号答申-」でございます。そしてさらに、それの要旨として計9-3がございますが、要旨もつくっていただきました。本日はこれについてご審議いただくことになりますが、前回の後で皆さん方からご提出いただいた修正意見等を拝見いたしますと、その内容に大きくかかわるような大幅な修正意見はございません。比較的、部分的な修正でございました。ほとんどそれらを取り入れた形で修正されておりますので、できればきょうでこの部会としての取りまとめを終了して、引き続いて一般からの意見を公募するというふうに持っていきたいと私は思っております。そういうふうになるかどうかはわかりませんが、そういう心積もりで進めていきたいと思います。大体1時間半をこれの審議に充てたいというふうに思っております。

それではまず、「21世紀における気象業務のあり方について(案)-21号答申-」、計9-2の主な修正点等に絞って事務局からごく簡単にご説明をいただいて、そして第1部、第2部、第3部、それから要旨という順序でご審議をいただきたいというふうに思っております。

それでは、事務局からお願いいたします。

(事務局)それでは、資料計9-2に基づいてご説明いたします。

初めにおわびしなければいけないのですが、資料の表紙に「草稿」と書いておりますが、これは前の時点のものなので、この記述は不適切だったのではないかと、申しわけございません。これを削除していただきたいと思います。「21世紀における気象業務のあり方について(案)」でございます。

「はじめに」のところから、委員から、余り見かけないような古くさい言葉は削ってわかりやすくしたらどうかというご意見がありましたので、なるべくそのように努めて直したつもりでございますので、何かまださらにご指摘の点があれば修正したいと思います。3ページの頭にありました「古来より」という表現を「昔から」とか、なるべくわかりやすく、それから文章が長過ぎないようにということで修正しております。

個々の点についてはご説明を省略させていただきます。

6ページの(1)「多発する自然災害と災害形態の多様化」という表現は、前回お出ししました資料では「脆弱化する」という表現があったのですが、ちょっとわかりにくいということなので、こういう形に変えさせていただきました。

それから、その下の1つ目のパラグラフが「有珠山の噴火活動が活発化している」という表現に、これは前回の「継続」を直してあります。これは、最終的には、一般に意見募集した後、事実に基づいて的確に表現するのが最も適当ではないかと考えております。

8ページですが、「民間気象業務の役割及び今後の発展」のところで、前回お出ししたものにアとイと2つあったのですが、多少この辺が冗長ではないかと。そこを「経緯と現状」というふうに1つのパラグラフに統合いたしまして、表現を簡略化いたしております。

それから、ずっと読んでいただきまして、例えば11ページなどは、地球環境問題に対応するような話などについては、少し表現を簡略化して、気候観測に関する観測網などの説明を簡略化しております。

細かいところは省きまして、13ページに「気象庁が行うべき気象業務」というところがあります。ここの前書きの部分が随分長過ぎましたので、(1)の「行政改革会議」のあたりの説明は中間報告にあったものよりも簡略化しております。

14ページの(2)「中央省庁等改革基本法」も若干短く縮めております。

19ページの第2部の冒頭ですけれども、「気象庁が戦略的・計画的に取り組むべき中長期的重要課題」に「国として責任をもって対応する必要がある」という表現ですが、委員から、やる気があるのかないのかわからない表現に見受けられるというようなご指摘がありましたので、「対応すべきである」というふうな若干の表現の変更をしております。

21ページ、「数値予報技術の開発」のところで、モデルの表現をどういう名前を使うかというので用語の混乱が若干ありましたので、イの先頭のところなどにありますように、全球数値予報モデル、あるいはメソ数値予報モデル、こういうような表現に統一させていただきました。

それから、開発の予定がその下の①に書いてあるのですが、5行目の「短期的には10㎞程度の」という表現です。これは委員から、目標の年数を区切って書かないとわからないのではないかというご意見もございましたが、余り年数を区切りますと、実はここのところをよく見ますと、すべて短期的にやる話でございますので、余り同じ年数ばかり並んでいてはどうかというようなこともございまして、とりあえず「短期的には」と。短期は2~3年、中期は5年程度、こういうような了解ではいかがかというふうに事務局では考えておりますが、この辺もまたご議論いただきたいと思います。あとは表現上の問題を少しずつ変えております。

26ページをごらんいただきたいのですが、26ページの2の「地震・津波・火山業務に係る分野の課題と実現方策」、この先頭の文章に「いわゆる「東海地震」を除き」という表現がどうも目立ち過ぎるのではないかというようなご意見がありました。そこの表現については測地学審議会で議論されていた資料の中の表現に合わせたような形で、事前に配付した資料において書き直したものを既にお配りしておりましたが、これにつきまして、ご指摘ありました藤井委員から、余り長くなってバランスを欠くのではないかというご指摘があり、もとの状態の方がいいのではないかというサゼスチョンがありましたので、もとに戻させていただいております。

それから、地震のところは、内容的には変わっていないのですけれども、表現ぶりは変えております。それは、27ページの「地震に関する情報の充実」に関するところの②は表現ぶりがちょっと変わっております。

28ページ、「津波予報の改善」のところです。このあたりも少しわかりやすくするために順序を入れかえたりしておりますが、内容的には変わっておりません。火山のところも同じように書いております。29ページに「火山監視・診断体制の強化」というタイトルになっておりますけれども、前回お出ししました資料では「火山監視センター機能」という表現を使っておったのですが、これは診断に重点を置いて書いたということで、表現、タイトルも変えております。内容的にはほとんど同じ内容でございます。

31ページの気候モデルの話ですが、気候のところで「大気海洋結合モデル」という表現は、陸面などいろいろなものも含めて考えると余り適切ではないのではないかというご意見がありましたので、「気候モデル」という簡単な表現にとどめております。

それから、31ページの下に「気候予報の実現」で切ってしまうのは、表現としては技術的な今後の開発の進捗なども考えるときつ過ぎるのではないかというご意見がありましたので、「実現を目指す」というふうに表現を変えております。今の点につきましては、後ほどの文章の中でも同様に書いております。

「地球観測衛星等による陸面及び大気データの収集強化・解析技術の高度化」については、最後の文章ですけれども、「さらに、衛星による観測技術の開発・改良にも継続的に貢献する必要がある」ことから、こういう表現において観測技術面の貢献をはっきり表現しております。

33ページの文章も「気候予報の実現を目指すべきである」、こういう表現にしております。

それから、37ページの1の(1)の①の衛星の表現、「環境観測技術衛星等の地球観測衛星」というのは例示をはっきりさせております。

あと細かい修文しかございません。

45ページをごらんいただきたいのですが、「メディアとの連携・協力」というところで、「21世紀初頭の技術革命」云々という表現があって、現在もう既に進行しているものをこれから起こるかのように書くのはちょっとおかしいのではないかというご指摘がありましたので、「欲しい情報が欲しいときに入手できる時代が実現しつつある」という形に変えさせていただいております。

それから、51ページをごらんいただきたいのですが、上のタイトルの「民間気象業務支援センターの活用」というのは、前回は「適切な指導・支援」という表現で、指導が適切かどうかというお話もありましたので、活用という形にしております。

あと、細かいのはいろいろあるのですが、大きいところはほとんどありません。あとは委員のご指摘に従って、1つ1つの文章が長過ぎないように、わかりやすいように心がけたつもりでございますけれども、なお足りない点がありましたらご指摘いただければ、修文したいと考えております。

(部会長)ありがとうございました。

この草稿は、事前に皆さん方のところに届けられたかと思います。そして、お目通しいただいていると思いますので、早速、審議に入りたいと思います。一応第1部、第2部、第3部、そういう順序でご意見をいただきたいと思います。

まず最初に、第1部で何かご訂正いただくようなところはございますか。

大変細かいことですが、6ページ目、(2)「国・地方公共団体等における防災対策・危機管理」のセカンドパラグラフの4行目、「防災システムにより気象庁発表の予警報・地震・津波・火山情報等」、これは並び方がよくわからない。これは予報、警報、情報という種類のものがあるわけですね。地震・津波・火山については情報という意味で、予警報というのは気象予警報という意味ですね。

(事務局)はい。

(部会長)この並びからどういうふうに理解していいのかという疑問を抱いたのですが……。

(事務局)今先生のおっしゃるとおり、この中で津波は津波予報がございますけれども、地震と火山は予報はありません。そういう背景があるのですが、ごちゃごちゃになっておりますので、ここの場合には、予報と警報は気象の予報、警報、津波予報と警報、それから地震・火山などの情報、この辺がわかるように書き直します。

(部会長)その辺、お願いします。

これも細かいことですが、いろいろなところに、何々となることが期待される、何々が期待されるというような表現が大変多いのですが、それは何々であろうというふうにしてよさそうなところがかなりありましたので、できるだけそういうところは簡潔にしていただいたらどうかと思います。

(専門委員)前回も申し上げたのですけれども、「健全」という言葉が例えば5ページの第1部の最初の2行目、「気象業務の健全な発達を図る」とか、非常に枢要なところで出てくるんですね。結びの中にも出てくるのですけれども、「気象業務の健全な発達」という言葉がどうして使われるようになったのか、私は不思議でしようがないんです。じゃ、健全でない発達というのがあるのか、それを意識してこの言葉をあえて使ったのかな。だれかが最初に使ったのではないかと思うんですが、健全という言葉を使う理由がないのではないかと前回も意見を申し上げたのです。全部健全だと思っているわけですから、あえて限定するのは何か意味があるのでしょうか。

(事務局)気象業務法という法律がございまして、その中で気象業務の目的として、健全な発達を図ることと明記されておりまして、そういうことからどうしても使いたくなってしまいますが、これは先生方のご意見で、いや、健全でない発達はあり得ないから書く必要はないということであれば、別にどうしても書かなければいかんということはないと考えております。健全の語源はそこから来ているので、そのときどうして使ったかということは承知しておりません。

(専門委員)つまり、軍事目的とそうでない民生目的といいますか、平和目的という意識の原典があって、これは平和目的に使うんだという意味があって、今さら軍事、平和というのは変だというので、考えたあげくに健全ということになったのかなと思うんですが、この言葉が何度も出てくると、健全でない利用というのがあるのかなと勘繰ってしまうということでこだわっているんです。もし気象業務法にあるのがずっとこだわりの原因になっているとすると、気象業務法がおかしいということになるんでしょうかね。(笑)そこから直さなければいけないかもしれませんが。

(部会長)強いて想像すれば、例えば気象業務をやっていく上で、いろいろな分野があるということ、それから観測、解析、予測とかいろいろな段階があるわけですが、ある特定の分野であるとか、ある特定のレベルのものだけに異常に力を入れるとか、そういうことはなくて、それぞれが非常にバランスのとれた、全体としてうまく整合性のとれた発展というようなことで「健全な」という言葉を使っているのかなと勝手に想像したのですが、いかがでしょう。

(事務局)おっしゃるとおり、今、部会長のお話しの点も含めまして、健全な発達というふうに使う例が多いように感じております。今の部会長のお話と重なるようなことになりますが、例えば心身の発達を考えたときに、体だけ発達してもいけない、心が伴わなければいけないという意味で、バランスのとれた発達を強調するためによく使われる言葉ではなかろうかと考えております。我々も通常よく法文等、あるいは役所の文書に使っているものですから、部会長が今お話しいただいたように、バランスのとれた発達というふうな理解でよろしいのではなかろうかと思っております。

(部会長)これもつまらぬことですが、第1部の最後の「以下、第2部から第3部にかけて、これまでに述べた気象庁が国として行うべき」云々というところは、「これまでに述べた内外の諸情勢と気象庁が国として行うべき気象業務の基本的な考え方を踏まえ」と、順序を逆にしたらどうかなという気がしたんです。

第1部はいかがでしょうか。特にございませんか。--それでは、第2部に移ります。第2部について、どうぞご意見を。

きょうは、事前に委員と専門委員のお2人から1つコメントがございます。28ページをごらんいただきたいのですが、③の「東海地震予知の確度向上」というパートがあるわけです。それの5行目、「今後」というところに「今後、これらのデータの解析により」というフレーズを入れる。「今後これらのデータの解析により詳細な地殻構造モデルの」、そこの「導入」以下から2行ほど削除する。削除するところは、「詳細な地殻構造モデルの」まではいいんですが、その次の「導入による精密な震源位置、規模の決定によりプレートの正確な形状を求める」というところまで削除して、「詳細な地殻構造モデルの構築とともに固着域周辺での地震活動等」、その次の「の変化の」を削除して、「地殻の状態変化を」を入れるというような修正意見が出ております。

これは、文章をより適正にすることと、お2人が前から、診断的な要素を強調してほしいと言っておられましたけれども、診断的な要素をここでも強調するという趣旨に基づいた修正意見でございます。そういうコメントが来ております。

20ページで箱に入ったところがあります。「局地的豪雨や大雪をもたらす」、できるだけ重要なポイントを注意を喚起するという趣旨でこの箱の中に入れることが考えられていると思うのですが、そういう意味ではできるだけ簡潔に書いた方がいいだろうという気がするんです。この記述はやや長過ぎるのではないかという気がします、もうちょっと簡潔にならないかと。

それから、「十分な時間的余裕をもって」と。その意図はよくわかるのですが、これは「防災機関が対応をとるために必要な精度」云々で、もうそれは含まれているということで、短くするという観点からその部分は取ってもいいのではないか、そういう気がいたしました。

その次のイ「数値予報技術の開発」のところですが、ここでは短期的には10㎞メッシュを考えているわけですね。それを中長期的には数㎞程度のところへ持っていこうと。前は10㎞、それに対して1けた上げて1㎞とはいかないんですか。中長期的には1㎞程度、これも程度ですからね。

(事務局)技術的な話になって恐縮なのですけれども、計算機の世界でムーアの法則というのがありまして、2~3年で能力が倍ぐらいになるんです。例えば10㎞を1㎞にするためには、その10倍の3乗ですから1000倍の能力にしなければいけない。そういうことから、数字としては書きにくいのではないかと考えております。

(部会長)領域が限定されるわけですから、そんなに広い領域全体に使ってやる必要はないので、技術的には不可能ではないと思うんです。ほかのもっともな理由があるのだったら別ですけれども、しかも「程度」ですから。

それと、その前には「精度向上のため、積乱雲等の予測を目標とした」云々と書いてある。例えば数㎞を4~5㎞ととれば、それの5倍ぐらいのサイズのものがリゾルブできる。そうすると、20~30㎞以上のものでないとリゾルブできないので、とても積乱雲等の予測などは不可能ではないか。1㎞がぎりぎり。それが実際にできるかできないかということ自体は大変問題なんですけれども、整合性を欠くのではないかという気がしたので。

(事務局)1という数字をここに書くということは、先ほど申し上げましたように、ちょっと非現実的な数字と思います。数㎞という中で読んでいただくのかな。

それから、積乱雲と書いてありますのは、個々の積乱雲を予測するとか、そういう意図ではないわけなので、そういう意味ではこの方を直した方がいいかもしれません。

(部会長)そちらの文章を直されますか。

(事務局)これは積乱雲のクラスターというか、群とかそういう内容ですので、1つ1つの雲の予測はなかなか難しい話だろうと私は理解しております。

(部会長)じゃ、数㎞「程度」は要らない、数㎞でいいんです。

(事務局)数㎞ですか、わかりました。

(部会長)ほかにいかがでしょう。

地震のところで、先ほど東海地震についてコメントがございましたけれども、ア「地震に関する情報の充実」というところで①、②、③、④、⑤となっていまして、③に「東海地震予知の確度向上」が入っているわけです。入れる場所としては③が適切な場所なんですか。③以外は、どの地域の地震に対しても言える比較的一般的な記述になっているわけです。ただ、この③だけは場所を特定して東海地震予知となっているので、これはおしまいのところか、あるいは④へ入れたらいいのかなという気がしたんですが、入れる場所としてはこれで適切なんですか。

(事務局)作業上こういうふうに並べたということが正直なところでして、どういうことかといいますと、我々、地震火山業務を進めている中で、まず地震情報を出すことが第一の仕事、それから地震予知情報を出すことというふうな便宜上の順番を業務として考えております。常にそういう順番で意識しておりますので、3月終わりの部会のときのプレゼンテーションもこの順番でさせていただいたということで、何がベストな順番かということについては余りしんしゃくしないでこういうふうな順番をつけております。

ただ、もちろん東海地震の予知の確度向上は全身全霊を傾けてやらなければいけない仕事ですが、これは今までもずっと続けてきていた。それに診断というような要素をつぎ込んで、あるいは3次元のモデルを組み立てて予測するということで、これからどんどん確度向上に向けてやっていくのですが、そのほかのナウキャストあるいは面的震度というのは、それまでやっていなかった新規の課題として打ち出すということで、これを先の方に持っていくというようなことは考えておりました。

(部会長)それで、これでいいということですか。私の方は別に、どうでなきゃいかんという強い理由はないのですが、一見して、ここだけ特定の地名が出ているのが途中に入っているから、一般的なことを言って、東海地震予知は特別ですから、それを後につけ加えるというのだったらすっと入ってきたのですけれども、その程度の意味しかないですから、これは結構です。

もう1つ、31ページの箱に入った「季節予報の精度向上と1年先までの気候予報の実現を目指す。」ということで、前回ちょっと議論がありまして、気候予報の困難性等々を考慮して、「実現」というところでおしまいにしないで、「実現を目指す」というふうに少しその辺を和らげたわけで、これはそれで結構だと思うんです。季節予報と1年先までの気候予報の関係なんですが、季節予報の精度を向上するという延長線上で1年先の気候予報へ持っていこう。つまり、手法としては、別に季節予報とは違った手法をここでつくり出すということではなくて、季節予報に用いた手法をさらに向上させて、その延長線上で予報期間を延長するという形で、1年先までの気候予報に持っていこうとする、そういう考え方だというふうに思っているのですが、それはそれでいいんですね。

(事務局)そのように考えております。どこかで触れてあったと思いますが、季節予報につきましても、力学的手法を3カ月予報にも導入して、そういう技術をもとにしてさらに1年先まで延ばす、基本的にそういうことを考えています。

(部会長)「季節予報の精度向上と」というアンドで結んでいるわけですね。そうでなくて、「季節予報の精度向上を図り、さらに1年先までの気候予報の実現を目指す」とした方がその内容に沿っているのではないかという気がしたんです。それほど重大な問題ではないですが、いかがでしょう。

(事務局)確かに「と」で結びますと、「目指す」がどこまで係っているかとかいろいろ問題がございますので、今ご提案いただきましたように「精度向上を図り」とした方が極めて読みやすい表現になるかと存じますので、その方向でご訂正いただければありがたいと思います。

(部会長)38ページ、第2章第1節(1)の①の3行目、「特に、環境観測技術衛星等の地球観測衛星等による観測については」、何か冗長なので、「特に、地球観測衛星等による」でいいのではないでしょうか。

いかがでしょう。第2部はよろしいでしょうか。--どうもありがとうございました。

それでは、第3部へ移ります。いかがでしょう、第3部、よろしいですか。第3部のところは中間報告のときにも随分議論したところなので、余りご意見はないかもしれませんね。よろしいでしょうか。

それでは、一応この案はお目通しいただいて、ご意見を賜ったということにして、全部終わってからもう1度ご意見を賜りたいと思います。

その次に、概要に移りましょうか。本文はかなり膨大なものですから、目を通される人は少ないだろう。むしろ概要をつけておいた方がいいのではないかというご意見がございまして、計9-3のような要旨をおつくりいただいたわけですが、これについて事務局からご説明ください。

(平木企画課長) 先ほど部会長からもありましたが、大部な答申をコンパクトにまとめて、要旨という形で事務局としては用意いたしました。要旨としてまとめて、部と章、それらがわかるように書きますと、どうしてもこの程度のボリュームになってしまいますが、この辺についてもご意見をいただきたいと考えております。

内容については、そういうわけでございますので、本文から主要な字句を引っ張って簡単にしたもので、とりたててご説明するものはありません。特に第2部の2ページ、3ページで強調しなければいけないところはアンダーラインを引いて、こういうところに重要な問題がありますというつもりで書きましたが、この辺についてもよろしいかどうか、ご議論いただきたいと考えております。ですから、各部各章、それらを短くまとめるとこの程度のものになるというふうにご理解いただきたいと思います。要旨としてどういうものがふさわしいのか、その辺も含めてご議論をよろしくお願いいたします。

(部会長)ありがとうございました。

それでは、この要旨についてご意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょう。

私のファーストインプレッションは、各部各章各節にわたって、それぞれ非常にコンパクトに要約されている。本文を読まなくても、要旨だけでどういう内容のものであるかということはわかるという意味でこれは大変有用ではないかと思うのです。一方、国際会議では、議題だけではよくわからないことがあるものですから、annotatedアジェンダという注釈つきの議題が事前に配付されるんですね。その議題でどういうことが議論されるのかを事前によく知っておいてもらうという意味でannotatedアジェンダが出されるのです。それを思い出しまして、この概要は、目次を見て、目次にそれぞれ注釈をつけたannotatedコンテンツというようなものだなと考えれば、これは非常によくまとめられた概要だなと思うんです。

いかがでしょうか、こういうスタイルの概要でよろしいでしょうか。

(委員) 用語解説がついているとありがたいと思うんです。これをどなたに読ませるかによりますけれども、一般国民に読ませることになりますと、テクニカルタームの幾つか私もわからないものがありますので、例えば片仮名のところでウインドプロファイラーやドップラーレーダー、こういうようなものについて、そんな長いものでなくてもいいのですが、用語解説を後ろにつけておいていただくとありがたいと思います。

(部会長)これは大変いいご意見で、概要というよりは、本文のおしまいのところに付録というような形で、幾つかの重要なテクニカルタームがありますので、部外者にもわかる程度の説明をつけていただく、これは非常にいいですね。

(事務局)大変的確なご意見をありがとうございます。

実は私どもの方で気がつかなければいけなかったのですが、ことし運輸白書をまとめるときに、大臣からの指示で、運輸省全体の白書にもテクニカルタームが非常に多かったり、特に略語とかこういうものが非常に多いものですから、一般の方に読んでいただくためには用語集をつけろということで、ことしの運輸白書には用語集がついてございます。おっしゃるとおり我々も非常に専門的な用語も多いものですから、今のご意見につきましては早速準備をさせていただきたいと思います。

(部会長)ありがとうございました。

私、先ほど言いましたように、これは各部各章各節各項にわたって忠実に、大体イコールウエートでどういう事項が盛られているかということは、この要旨を見れば一目瞭然という意味で大変いい参考になると思うんです。

一方、要旨という意味では、部、章、節などという壁を取り払って、内外の状況、それから気象庁が国としてやるべき業務を踏まえて、次のような中長期的な重要課題と、それを具体化する方策等について提言をしたというようなことで、重要課題を幾つか、6つか7つぐらいあると思うのですけれども、そういうものを列記して多少それを説明する程度のものにすれば、2枚ぐらいでまとめられるのではないか。

しかし、それだけではちょっと不足することもありますので、これはこれとして大変有用だと思うんです。最終的にそういうのをどういうふうにするか、その辺は事務局でもお考えいただきたいんです。この部会として総会に出さなければいけないオブリゲーションとして与えられているのは、この本文を出すことだと思うのですが、この本文が余りにも長いために、それをどうするかということで問題になっているのですけれどもね。

(事務局)ただいまの部会長のご指摘によりまして、中長期的な課題を中心として、全部網羅するのではなくて、概要として、イントロダクション的なもの、エグゼクティブサマリーとして2枚程度をまず準備したいと考えております。部会長にご相談の上、その内容については今の概要という形にさせていただきたいと思いますが、それでいかがでしょうか。

(部会長)いかがでしょうか。皆様方のご意見を賜りたいと思います。藤吉専門委員あたりはよくその辺を……。

(専門委員)今ごろ言う話ではないのかもしれないですけれども、この概要を見てはっと気がついたのですが、概要の2ページの下から7行目に云々の「注意報の見直し」という項目があるのですが、注意報の見直しがあるんだったら、警報の見直しとかその他の情報の見直しもあるのかと思ったら、ないんですね。本文を探そうとしたら、章の番号は同じなのですけれども、括弧の番号が違うものだから、違うところを探さなければいけないという不便があるなというのが1つ。

もう1つは、本文の中身も、やっぱり警報の見直しといったことはどこにも出てこないのだけれども、はて、それでよかったのだろうかということがちょっと心配になってきたんです。若干の字句の訂正でそれを逃れるという意味では、注意報だけを見直すという表現ではなくて、注意報とか警報とか、要するに防災気象情報の提供の仕方を常に見直しなさいというふうな表現にすることによって、ほかの警報とかその他のものは見直さないのかという部分に対する疑問が幾らか晴れるのかなと思うのですが、この辺は実際本文を議論する中で何か議論しましたか。私、全く記憶にないんですけれども。

(部会長)これは後で事務局からご説明いただきたいのですが、確かにおっしゃる問題はあると思います。一般的には、注意報だけではなくて、もう1度警報も見直してみる必要はあるかと思うのです。実際この審議会で議論になったときには、気象庁が国として行うべき気象業務のうちで、注意報のようなところは民間に任せたらどうかというような意見がありまして、注意報の扱いについては随分議論があったのですが、警報についてはそれほど議論はなかったということがこれに反映されているのではないかと思います。確かに整合性という意味では警報も見直した方がいいと思うんです。その点、いかがでしょうか。

(事務局)ここに書いてある注意報の見直しというのは、部会長のご指摘のとおり、要は、いろいろな注意報がありますので、その中には必ずしも現時点において注意報として出していくのがいいものばかりではないだろうというご指摘、委員の先生の中からご意見があったので、それを反映させてこういう文章をつくらせていただいたわけです。

見直すという意味なのですけれども、「防災気象情報等の高度化」という中に、タイミングの問題とか、細分化の問題、情報が防災関係者あるいは国民から見て一目でわかるようにしなさいとか、そういう議論はあったのですが、見直せと言われてもどう見直したらいいのかわからないようなものを単に抽象的に書かれるのは、後々、答申をいただく我々としてはなかなか難しいものがあります。ここで言っている注意報の見直しというのは、先ほどご説明しましたように、委員の中でのご議論から、注意報を現在出しているものの中に今後とも注意報として続けなくてもよいものもあるのではないかというご意見を踏まえて書かせていただいたものでございます。

(専門委員)わかりました。

ただ、普通に概要だけを見たり、あるいはこの報告書の項目を見たときに、「注意報の見直し」という項目があるのに、警報の見直しという項目がないというのはどうしてかなという疑問は当然出てくるので、この「注意報の見直し」という項目の表題のつけ方が、あるいはそういう限定された話なのだとわかるような工夫があればそれでもいいんです。確かにこの部会自身で議論しなかったかもしれないのですけれども、警報は既に出してしまっている段階で、いよいよ事態がより深刻になったときにそれを表現する手段が今はない、そういう悩みを抱えておられると思うんです。ずうっと警報が出続けているようなときに警報の更新という形で幾らやっても、更新されたものに対する警戒心を全然引き起こしてくれないということが災害のたびに反省材料としてあるんですね。

あるいは、注意報に至らないもっと前の段階の前半的なあれはローカルの情報というのをお出しになるんですが、そちらの方が注意喚起という点では注意報よりもはるかに--例えば一般のテレビのニュースとかラジオのニュースではそれをそのままニュースとして扱われる。注意報になった途端に全くそれは無視されてしまうというような逆転現象が起きてしまっているのですが、そういうことに対する見直しというか、どこをどうしなさいというのはこの場ではないと思いますので、より現状に合ったように、あるいはより危機感を伝えるのに的確な手段を常に模索しながら見直し作業をしていってくださいという部分が必要だったんじゃないかということを今この段階で思ったものですから、せっかく「注意報の見直し」という項目があるのだから、「注意報等の見直し」として、その「等」の中に警報とか、注意報に至る以前の情報も含めていただく。その中に、注意報のまさに対象とするジャンルが時代によって変わっても当然ではないかというのも含まれている、そういうふうにする必要があるのではないかと、今になって言う議論ではないかもしれませんが、そう思っております。

(部会長)ありがとうございました。

本文の(3)「防災気象情報の高度化」、その①、②、③、④、⑤とあって、⑤に「注意報の見直し」という項目があって、これに忠実に概要も書かれているものですから、それぞれ項目別にこれだけを挙げたと思うのです。確かに概要だけを見ると注意報だけが出てくるというのも、おっしゃられたとおり多少違和感を感じないわけではない。だから、もう少し広く、注意報とかいう言葉までいかないで、概要のところには防災気象情報、そしてそれの発表というのはその前のところに幾つも出てくるわけですから、そういう中にもインクルードしてしまえるのではないかという気がしないでもないです、概要としてはね。

(事務局)専門委員のご意見につきましては、まさにそういう議論があろうかと思いますが、ここで「注意報の見直し」と書きましたのは、先ほど部会長のお話しのとおり、中間報告を取りまとめの際の議論の中におきまして、気象庁が国として提供すべき気象情報を4項目に整理し、その中の第1に、防災については国がやる必要があるだろうということで、注意報、警報等の防災気象情報というのは最初に持ってきたわけでございます。その議論の中で、警報については直ちに防災機関の対応につながる話ですから、これは国が責任を持ってやる必要があるだろう。

ただ、注意報についてはすべてがすべて国が本当にやらなくてはいけないものなのだろうかというご意見もあったものですから、そこについては、今ここの概要にも書いてございますような社会構造とか社会経済活動の変化を踏まえて注意報は見直すべきであるというのを、たしか中間報告の中でご議論いただいたと思います。実は中間報告を本答申にまとめる際に切り離して書いたものですから、ここに注意報だけがぽんと目立つ形で出てきてしまったのではなかろうかと思っております。

もし議論を呼ぶようでしたら、これは概要版ですから、注意報について殊さら書く必要もないのかなという感じがしないでもないものですから、切ってしまうというのも1つの手かなと思いますけれども、いかがでございましょうか。逆に、概要版だけをごらんになった方が、今先生がおっしゃったような誤解を生ずるとまた困るものですから。

(部会長)本文を熟読玩味すればわからなくもないのですが、確かに概要だけを見れば多少違和感が出てくると思いますので、これは防災気象情報という中に含められるような形にしておいたらいかがでしょうか。

ついでに、そのページで、第2部第1章第1節「気象観測・予報業務に係わる分野の課題と実現方策」ということで箱に入ってスペルアウトしてあるわけですが、これは、できるだけわかりやすい言葉を使ってわかりやすく書くということも大事だと思うんです。そういう観点から見ると、これは2つのことがあって、1つは局地的豪雨、2番目が防災目的云々ですが、2番目のところをもう少し簡単にできないか。やはり2行ぐらいにできないかということで、例えば「防災目的、担当範囲及び対応の推移に応じて」などというのは別に要らないのではないか。「防災機関が適切な対応をとるために「いつ、どこで、何が、どの程度」発生するかについて必要な精度で予測し、防災気象情報を発表する。」2行ぐらいにおさまるのですが、その程度ではいかがかということです。

ついでに言いますと、その次のページもそうなんですが、2の「地震・津波・火山業務に係る分野の課題と実現方策」で「地震・津波・火山現象による被害を最小限にとどめるため、危機管理体制に即応した」、これは「危機管理体制に即応した」などというのは必要ないのではないか。「最小限にとどめるため、利用し易い防災情報の発信機能をさらに強化する。」発信機能はもう少しわかりやすい表現にできないかということです。

だから、地震・津波・火山現象による被害を最小限にとどめるため、「利用し易い(わかり易い)」と書いてあるんですが、利用しやすいというのは防災機関が利用しやすい、わかりやすいというのは一般国民がわかりやすい、そういうことですか。

(事務局)今の点ですが、これは「わかり易い」だけでよろしいのではないかと思います。

(部会長)どちらか一方で……。

(事務局)「発信機能」は確かにかたい言葉なので、今すぐ思いつきませんので、防災情報を……。

(事務局)発表するでいいんじゃない、前も発表するになっているから。

(事務局)発表する、そんな形でよろしいと思います。

(部会長)そういうたぐいのところを少しご注意いただきたいと思います。

もう1つ、これはちょっと重要かもしれません。2ページ目の「気象観測・予報業務に係わる分野の課題と実現方策」ですが、第2部第1章第1節の(1)、(2)、(3)と分かれておりますけれども、(1)に「予報等の技術基盤の強化」と。これは予報もそうですけれども、観測も大変重要なので、「観測・予報等の技術基盤の強化」として、やはり観測も表に出しておいた方がいいだろう。事実その次の記述はそういうものが含まれていますから。

(専門委員)四角で囲った中のどこを残してどこを外すかということは、逆かもしれない。例えば「危機管理体制に即応した」という部分と「発信機能をさらに強化する」という部分だけが実は大事なのかもしれない。よく中身を吟味しないで物を言っているのですが、文章としてわかりやすくすることが大事なのか、ここで言いたいことのポイントはどちらなのかということによって、どっちを残してどっちを減らすかというのは反対になるおそれがあるので、もうちょっと慎重にやった方がいいかなと思うんです。

前半の気象のことも同じかと思います。何でそんなわかりにくい表現がそこへ入っているのかというと、入れることに意味があったのではないかと思うんです。その経緯を忘れてしまったのではっきりしたことは申し上げられないので申しわけないんですが、前半の気象の防災目的云々というところも、「防災機関が適切な対応をとるために」云々、この部分が大事で、いろいろ情報は出しておられるのだけれども、防災機関の対応とマッチしていない部分があって、そこをよく考えてやってくださいということがあったのかな。

例えば夜間は職員がいないとかそういう場合のことを考えて、危機管理体制に即応したというのはそういうことであると。昼間と夜では相手の対応が違うのだということをきちんと把握して情報を出してほしい。発信機能をさらに強化するというのも、そういうところにまで届くような発信機能を持ってほしい。そういう意味ではなかったのでしょうか。ちょっと私は忘れてしまったので恐縮ですが……。

(部会長)ごもっともなご意見で、いかがでしょうか。私は、わかりやすくということに余り力点を置き過ぎたのかもしれませんが、おっしゃるとおりやはり内容が大事ですから。

(専門委員)補足しますと、前半の気象業務の四角の2番目に書いてあるのは、確かに文章として見た場合に、「防災機関が適切な対応をとる」というのと「十分な時間的余裕をもって」云々、この部分が実は一番大事なところなのだと思うんです。世の中からそういう訴えがやっぱり多い。それにこたえるためにということなのですが、いつ、どこで云々、こんなことは当然なことなのだけれども、その中のどれかが欠けていると自分らのことが言われていると気がつかない。そういったこともあるから、そこをはっきり言ってください、そういう意味だったと思います。

1つ1つここに盛り込められたのには意味があったと思うのですが、確かにこうやって短い言葉にしようとすると非常に夾雑物になってしまう部分もあるのですが、ここで何が一番大事なのかというところをもう1回きちんと整理して、そこだけが伝わるようにした方がいいと思うんです。

(部会長)おっしゃるとおりですね。いかがでしょうか。僕が言って、余り簡単にさっとそちらで、やるとおっしゃったものですから。

(事務局)今の専門委員のご指摘はごもっともで、もちろん全部それぞれの文章は無意味に書いてあるわけではございません。それぞれあって、全部載せますと3行ぐらいになってしまいますので、問題はそのときにどこを削ってどこを残すかという判断だと思います。確かに「十分な時間的余裕」というのは非常に重要なので、それが必要な精度とか内容、本文は「精度・内容」と書いてあったと思いますけれども、その辺で読めるかどうかとか、そういう話になろうかと思います。

また、部会長とご相談の上、その辺は適切な表現とすることにしてはいかがかと思いますが、いかがでございましょうか。

(専門委員)大変申しわけありませんが、そういう落ちこぼれのためにご配慮を願えれば。

(部会長)ただ、僕は、「十分な時間的余裕をもって」なんていうことを書くと大変苦しくなりはしないかと。いつもぎりぎりでやっているわけですよね。そんなに十分な時間的余裕を持てるはずがないと思うので、それぐらいあればまた次のことをむしろやろうとされるだろうと思うので。

それはいいです。とにかくできるだけわかりやすくということは大事だけれども、同時に真意をそれで失ってしまったのでは困りますから、そうならないようにわかりやすくお願いします。

今、専門委員がいらっしゃったのですが、先生のコメントはご紹介いたしました。それ以上に何かつけ加えることがございましたら……。

(専門委員)いや、きのう電話で打ち合わせしたとおりだとすれば、何もありません。

(部会長)今、概要についてのご意見を賜っているのですが、これも事前にお目通しになっていますね。

(藤井専門委員) はい。

(部会長)何かご意見がございましたらお願いします。今いろいろご意見をいただいたところです。

(専門委員)概要については、前回もコメントがなくて、地震・火山のところに関してはこのとおりでいいということでした。

(部会長)他にございませんか。よろしいですか。--それでは、一応この概要についてもご審議をいただいたことにします。

今後の答申(案)と概要の取り扱いについては、次の議題でご意見をいただけることになっているんですか。

それでは、次の議題に進ませていただきます。3番目、今後の審議スケジュールについて、ここでご意見をいただけますね。事務局からお願いします。

(事務局)資料は計9-4でございます。

冒頭ご説明しましたように、前回の部会においては、今回議論してさらに案を固めて、次回もう1度議論するということで、6月の初めに各委員のスケジュールを用意させていただいております。しかし、今回のご提案は、前回ご了承いただきましたスケジュールとは異なっております。計9-4の裏に書いてありますが、今回の案、若干ご意見をいただきましたので、この案に沿ってまた修正をいたしまして、部会長に一任をいただけますれば、今後の審議スケジュールとして、公開期間が1カ月程度はやはり必要となりますので、今回の後、修正その他の事務的作業に1週間やそこらはかかるところから考えますと、5月下旬から1カ月程度公開して、その意見をもとに再度答申(案)を部会としてご確認いただくとしますと、6月下旬になろうかと考えております。

(部会長)今ご説明いただいたように、この答申(案)を総会に出す前に一般の方々からご意見をいただくという手続を踏むわけです。それに大体1カ月ぐらいを充てたいということで、一般の方々からいろいろな意見をいただけると思いますが、それをいただいた後でもう1度この部会を開いて、一般からいただいた意見も踏まえて、総会に提案する答申(案)をこの部会でまとめる。そういう作業をもう1回やらなければいけない。

今回は、きょういただいたご意見でその内容にそれほど大きくかかわるようなものはありませんでした。だから、字句の修正あるいは編集上の問題等を踏まえて、少し修正をさせていただきたい。私と事務局とで相談の上その修正をさせていただきたいと思っております。いかがでしょう。そういうことをさせていただいて、よろしいですか。

(専門委員)今おっしゃったことについてというよりは、先ほどの「注意報の見直し」というくだりの扱いについてですけれども、本文の中はもっと明確に「注意報の見直し」が表題になって出てくるんですね。23ページの左側の⑤がそうなんです。あのときの経緯を思い出してみますと、専門委員がこういうことを言われて、確かにそういうやりとりはあったのですが、そのことについてみんなが自分の意見を言って、それでいかがかということでこういう結論になったとは記憶していないんですね。

つまり、ご意見であって、それがノートされた。それに対してみんな別に反論もしなかったということなのですが、考えてみますと、注意報だけがどういう場合に出すかというジャンルを見直しして、警報はそのままにしておくということはあり得ないわけです。あるグレードによって注意報なのか警報なのかという判断をしておられるわけで、このジャンルはいきなり警報ですという極めて大胆な提言だったわけですから、本当はもっときちんと議論しなければいけない。仮に注意報を見直して、あるジャンルはもうやめたという場合に、じゃ、警報だけ出すということが可能なのかとか、そんな議論は実はしなかったと思うんです。

何が言いたいかというと、その未消化な議論をそのままここへ載せていくことはいかがかということで、もしそういう機会があるのだったら、もう1回その議論をしてはどうかなと思うんです。恐らく、一般からの意見を求めるというのは、そういう問題提起があった場合にはもう1回それを考え直そうという余地を残しているという意味だと私は理解したものですから、今の段階になってそういうことを申し上げるのですが、1つの方法としては、概要の中から「注意報の見直し」という言葉を落とすというのと同じように、本文の中も「注意報の見直し」を項目として立てるのはやめるというのも1つのやり方かなと思うんです。今ごろ何を言っていると言われますけれども、やっぱり一番大事なところだと思うんです。

(部会長)警報、注意報は、レベルの違いとしての注意報、つまり、注意報から警報に上がる。逆に言えば、警報に入る前の注意報と、注意報だけの注意報もあるんです。例えば霜注意報とか電線の凍結、そういう種類の注意報がありまして、それの警報はないんです。警報のない注意報もあるわけです。だから、いろいろな種類の注意報があって、そのうちの幾つかの注意報は国として気象庁がやらなくても、民間に任せてもいい注意報もあるのではないか。しかし、警報については、防災業務という観点から国として気象庁がやらなければいけない。

ただ、注意報については、今言いましたように、そのうちの一部分については必ずしも気象庁がこれまでどおりにやらなきゃいけないのかということについて少し議論がありまして、それは気象庁としても少し見直す必要があるだろうということだったと私は思っているんです。

ちょっと思い違いがあるかもしれませんので、事務局から。

(事務局)部会長のおっしゃるとおりで、先生の警報だけというような話は、実際ここでの議論は考えられていないのですが、23ページの表現が、全然違った見方をすればそういうふうにも読めるかなと思えないでもないので、その辺は部会長ともご相談して、そういうふうに読めないようにもう少し表現ぶりは考えたいと思いますが、警報だけ云々ということは毛頭想定しておりません。

(部会長)この辺は専門委員に直接大変関係がある部分なので、いろいろご意見もおありかと思います。たしか専門委員からは、この議論をするときに出席できないということで、文書でご意見をいただいた記憶があります。その文書はこの部会の席上にも紹介させていただきまして、議論したわけです。

(専門委員)わかりました。確かにその議論に参加しなかったのは私だけだったということかもしれないのですが、本文の「注意報の見直し」という表題をつけてしまうと、注意報全般を見直すのかというふうに受け取られるので、今部会長がおっしゃるような限定された注意報についての話だということだったら、それがわかるような表現にすることによって、私と同じような誤解をする人は防げるかと思います。それだったら、あってもおかしくないと思います。よろしくお願いします。

(部会長)ありがとうございました。その辺は少し考えさせていただきます。

いかがでしょうか。そういうふうな取り扱いをさせていただいてよろしいでしょうか。その次の議題は……。

(事務局)今スケジュールのご説明をしましたけれども、提案どおりのスケジュールにしてよろしいかどうか。それから、答申(案)の取り扱いですけれども、本日ありましたご意見をもとに、部会長にその修正をご一任してよろしいかどうか、それをお諮りしたいのですが、いかがでございましょうか。

(部会長)その点はいかがでしょうか。当初、今回のこの部会で終わらないかもしれない。そうすると、もう1回部会を開かないといけないだろうと。そうすると、それはできるだけ近々に、そんなに間をあけないで開いて、それから1カ月ぐらいの一般国民に対する意見公募をやらなければいけない。そういうスケジュールを考えておったのですが、今回の部会でこの審議が終息したとすれば、次回は1カ月余り置いた後に次の部会を開いた方が、一般からの意見を受けて、その後で審議に移れますから、その方がいいだろうということなのです。

そうしますと、これは一応終息したことになりますので、1カ月ぐらい間を置くということだと6月末ぐらいに次回を開く。そのときには一般の方々からのご意見も上がってきているはずですね。それを踏まえて最終案をつくることになる。皆さん方のご都合のいい日を記入しておいていただいて、後で日程を決める。それでよろしいですか。

(事務局)今、部会長からお話がありましたように、この場合6月下旬になりますので、お手元に紙があると思いますけれども、その紙にご予定を各委員がお書きいただいて、それを取りまとめて部会長とご相談の上、次期の部会の日程を決めまして、決まり次第なるべく早く各委員にご連絡いたしたいと考えております。

(部会長)それでは、次の議題は21号答申(案)に対する意見募集について、今ちょっと話が出ておった問題ですが、事務局からご説明をお願いします。

(事務局)いずれの審議会も、審議の透明性というか、国民の意見を聞くということから意見公募等をやっておりまして、中間報告でも意見公募の手続をさせていただきましたので、同じようにやりたいと考えています。1カ月ではないのですけれども、ここに書いてある案は、この日については事務的な作業が間に合えばということなので、若干ずれる可能性があることをご容赦いただきたいのですが、この3週間公募いたしまして、それに基づいて次回の総合計画部会に諮りたいと考えております。

(部会長)中間報告のときにやったと同じような手続きを今回もまたもう1度とる、そういうことでございますが、よろしいでしょうか。

(専門委員)いずれにしても第10回はすごく大事だと思うんです。インターネットで集まった意見をこの場で当然全部紹介していただいて、この場で討議した内容は、それを採用するかしないか、いろいろ分かれると思うのですが、その結果をまた出すわけですね。審議過程というか、10回の中でどういう意見が出たから、この意見は生かしたとか、この意見はこういうふうに考えると、そういう形で10回終了後出すわけですか。比較的丁寧にというか、親切にというか。

(事務局)私どもといたしましては、今までの部会の審議も、要点をきちっと議事録の形で出しておりますので、同じようにしたいと思っています。その中では、委員はこういう意見があって、事務局からこういう説明があってこういうふうになったという形で、インターネットに全部公開したいと考えています。

(専門委員)議事録の形で、いつもと同じようにして出すということですか。そうすると、集まり方によるのでしょうけれども、わかりやすくつくるというか、そういう形になるのでしょうか。1つ1つ審議するような形が部外から見ていてもわかるような形に工夫をする必要というのはあるのですか。一般論で恐縮です。幾つ意見が出るかよくわかりませんが、こういう形は余りやったことがないので。

(部会長)第10回で議論するわけですが、その第10回の議事録を公表する。だから、議事録は議事録ですから、それに勝手につけ加えることも勝手に削除することもできないわけです。だから、おっしゃる懸念は多少あるわけです。やはり全体の流れの中ではよく理解できるけれども、ただ、議事録だけを見たのではなかなか理解できない、そういう困難性はありますね。

(事務局)中間報告のときも、集まった意見を整理して部会にご報告しました。議事録に出る前に、部会に資料をつけて前にお出ししましたが、その資料は当然インターネットにも載せられます。それは今までもそうでした。

(部会長)それでは、4番目の議題はそれで終わることにします。

その他、事務局から何かございますか。

(事務局)特にございません。

(部会長)それでは、久々に時間内に終えることができました。どうもありがとうございました。


[ 以 上 ]

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