気象情報を支える観測

地上気象観測

 全国約150か所の気象官署(気象台や測候所)等では、気温や降水量などの観測を行っており、そのほとんどが自動化されています。観測データは決められた時間に国内外にリアルタイムに伝えられ、天気予報や気候変動の監視等に利用されています。

<地上気象観測の観測要素>
気温、降水量、日照時間、風向、風速、積雪・降雪の深さ、気圧、湿度(相対湿度)、日射量、視程、大気現象(雷・霧など)、天気、雲の形や量


アメダスによる気象観測

 アメダスは、地域気象観測システム(AMeDAS: Automated Meteorological Data Acquisition System)の略で、全国約1300カ所(約17キロメートル四方に1カ所)で雨量を自動的に観測し、このうち約840カ所(約21キロメートル四方に1カ所)では気温、風向・風速、日照時間などの自動観測も行っています。


アメダスの一例

気象レーダーによる気象観測

 気象レーダーでは、電波を使って雨や雪の降り方の強さの分布、移動などを広い範囲で連続的に観測しています。さらに、気象レーダーで観測したデータと、アメダスで直接観測した雨量等を組み合わせることにより、正確できめ細かな雨量の分布(解析雨量)を作成しています。


気象レーダーが捕らえた台風15号

衛星による観測

 気象観測を行う静止気象衛星は、赤道上空約3万6千キロメートルにあり、日本付近を含むアジア東部、オセアニア、西太平洋地域の雲の動きなどを観測しています。テレビの天気予報などでもおなじみの雲の分布状況のほか、雲の高さ、上空の風の状況、海面の水温の分布などを観測しており、特に観測データが乏しい洋上における台風や低気圧などの動きをつかむための重要な手段となっています。

地球を取り巻く気象衛星

高層の気象観測


 高層の気象観測は、上空の大気の状況を観測するもので、ラジオゾンデによる観測とウィンドプロファイラによる観測があります。
 ラジオゾンデによる観測では、1日2回、観測器を気球に取り付けて飛揚し、地上から高度約30kmまでの気圧、気温、湿度、風向風速を観測します。ウィンドプロファイラは、地上から上空に向けて電波を発射することで上空の風向・風速を観測する装置で、高いときには約7~9キロメートルの高さまで上空の風の状況を観測しています。


高層の気象観測官署

その他の気象観測

 高潮などの観測のために全国70カ所に検潮所等を、沿岸における波やうねりの観測のために全国6カ所に沿岸波浪計を展開しています。


沿岸波浪観測地点
沿岸波浪観測装置概要

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