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2014年初めから続くタイの少雨について

報道発表日

平成27年7月21日

概要

本文

1.天候の経過と影響
 2014年初め以降、チャオプラヤ川流域では降水量が平年より少ない状態が続きダムの貯水量が少なくなっており、ダムからの取水ができなくなり断水となった地域では給水活動が始まっているほか、タイ政府からは節水や農作物の作付け延期の呼びかけがなされています(タイ水道局)。
 2014年1月からの18か月間降水量は、タイのほとんどの観測地点で平年を下回っています。特に、タイ北西部のチャオプラヤ川上流やタイ北東部のラオスとの国境付近では、季節的に降水量の多くなる5月以降も降水量が少ない状態が続いており、2015年5月から6月の2か月間降水量が平年の40%以下の地点も見られます。
 チャオプラヤ川流域における2014年の年間積算降水量は2000年以降で最小を記録し、また今年2015年は7月16日時点で、2014年を下回る推移となっています。

2.大気の流れの特徴
 例年、インドシナ半島付近では、5月初め頃のモンスーンの開始に伴い、インド洋から湿った南西風が流れ込むようになり、おおむね10月にかけて、積乱雲が盛んに発生して降水量が多くなります。しかし、2015年のモンスーン期は、南アジア~ベンガル湾付近で平年よりも低気圧が弱いことに伴って、インドシナ半島に吹き込む南西風が弱く、タイでは降水量が少ない状態で推移しています。また、2014年5月から10月にかけての6か月間で平均した大気の流れにも同様の特徴が見られ、タイでは平年より降水量が少なくなりました。

3.今後の見通し
 夏から秋にかけてのインドシナ半島付近では、平年よりモンスーンが弱い状態で推移する見通しで、数十日周期の季節内変動に伴って降水量が多くなる時期もあると考えられるものの、2014年初めからの積算降水量が少ない状況の解消には至らない見込みです。

気象庁ホームページ「世界の異常気象」において、最近の世界の異常気象や気象災害の状況を週、月、季節別にまとめていますので、あわせてご利用ください。

問い合わせ先

気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 異常気象情報センター
03-3212-8341(内線3158)

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