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2013年1月以降の米国南西部の少雨について

報道発表日

平成26年5月1日

概要

米国南西部では、カリフォルニア州の2013年の年間降水量が1895年以降で最も少なくなるなど、2013年1月以降、少雨の状態が続いています。このため、飲料用水や農業用水が不足しています。今後も干ばつの解消には至らない見通しとなっていることから、社会への影響が拡大することが懸念されます。

本文

天候の経過と影響
  米国南西部では、2013年1月以降、降水量が平年より少ない状態が続いており、2014年3月までの15か月間でみた降水量は、沿岸部で平年の40%以下の地域があります。15か月間の降水量平年比は、カリフォルニア州のサンフランシスコで29%、同州サンタマリアで28%、同州ロサンゼルスで33%となっています。ロサンゼルスの降水量平年比は、2014年2月は78%でしたが、3月は22%、4月(1日から29日までの積算値)も平年の50%程度で、少雨の状況を解消するには至っていません。
  米国海洋大気庁(NOAA)によると、カリフォルニア州の2013年の年間降水量は、1895年以降で最も少なかったとのことです。
  カリフォルニア州では、飲料用水や農業用水が不足するという見通しから干ばつに関する非常事態宣言が2014年1月17日に発表されています 。同州のまとめによれば、2014年に入ってから4月5日までの山火事による焼失面積は例年の2倍以上となっており 、今後の山火事のシーズンに向けて、同州知事から対応が呼びかけられています 。同州水資源部の公表資料によると、ダムの貯水率が2月以降に増えたところもありますが、多くのダムで4月26日現在も過去の平均貯水量の50~70%程度にとどまっています。同じく水資源部の資料や米国地質調査所によると、カリフォルニアの都市や農場で利用する水資源の3分の1は山間部の積雪によってまかなわれている ものの、積雪量も平年の30%程度(4月1日時点)となっています 。カリフォルニア州は、野菜や果物、酪農などの米国における主要な生産地であり、今後、水不足によりこれらの生産に大きな影響が及ぶことが懸念されています (米国農務省)。

大気の流れの特徴
  平年の寒候期(11~3月頃)は、米国の南西海上を中心に高気圧があり、南からの湿った空気が高気圧の周縁を回って米国南西部に流れ込みやすいが、2013年1月以降の寒候期は、高気圧が平年と比べて北に大きく広がり、米国南西部では北寄りの風が卓越したため、南からの湿った空気が入りにくい状態となりました。このことが、米国南西部の少雨の一因になったとみられます。

今後の見通し
  米国南西部では、今後夏にかけて雨の降りにくい季節となります。NOAAの予報によると、米国南西部の一部の地域では5~7月の降水量が平年より多くなる確率が高いものの、干ばつの解消には至らない見通しとなっています。

なお、気象庁ホームページ「世界の異常気象」において、最近の世界の異常気象や気象災害の状況を週、月、季節別にまとめていますので、あわせてご利用ください。

問い合わせ先

気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 異常気象情報センター
電話:03-3212-8341 (内線)3158

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