キーワードを入力し検索ボタンを押下ください。

2013年9月以降のインドシナ半島の多雨について

報道発表日

平成25年10月3日

概要

9月以降、インドシナ半島の広い範囲で多雨となっており、タイやベトナムでは洪水の被害が発生している。タイのチャオプラヤ川流域での9月1日以降の積算雨量(10月1日現在)は、2000年以降では2005年に次いで2番目に多くなっている。原因は、南西からの湿った空気の流入が平年より多かったこと、台風第21号の上陸などである。

本文

天候の経過と被害状況
  インドシナ半島では、9月以降、広い範囲で平年より雨の多い状況が続いており、また、台風第21号の影響も加わり各地で多雨となっている。この雨の影響により、タイでは約300万人が洪水の影響を受けて、20人以上が死亡した(タイ政府)。また、ラオスでは22万人以上が影響を受け、カンボジアでは20人以上、ベトナムでは40人以上が死亡した(国連人道問題調整事務所)。
  ベトナム中部からラオス南部では9月1日以降の積算降水量は500mm以上となり、ベトナムのドンホイでは1071mmで2004~2012年の9月の月平均値(516mm)の約2.1倍、ラオス南部のパクセでは953mmで9月の平年(1981~2010年平均)の月降水量(326mm)の約2.9倍の雨となった。タイでは北部のナコンサワン(380mm、平年値:240.4mm)、中部のナコンラチャシーマ(378mm、平年値:228.4mm)で平年の約1.6倍の降水量となった(10月1日現在)。
  タイのチャオプラヤ川流域での9月1日以降の積算降水量は、9月中旬までは2000年以降では2005、2011年に次いで3番目に多かったが、10月1日現在では2005年に次いで2番目となった。なお、5月1日以降の積算降水量でみると、大規模な洪水が発生した2011年が突出して多く、2013年は2011年に比べて約15%少ない。

大気の流れの特徴
  インドシナ半島では、9月以降、南西からの湿った空気の流入が平年より多く、モンスーンの活動が非常に活発となった。これに加えて、南シナ海北部で発生した熱帯低気圧と台風第21号がそれぞれ9月中旬と9月末にインドシナ半島に上陸した。このため、インドシナ半島の広い範囲で多雨となった。

今後の見通し
  気象庁の1か月予報モデルによると、インドシナ半島では、今後2~3日の間は対流活動が活発となり大雨となるおそれがあるものの、その後1週間程度は広い範囲でまとまった雨量となる可能性は低いとみられる。

なお、気象庁ホームページ「世界の異常気象」において、最近の世界の異常気象や気象災害の状況を週、月、季節別にまとめていますので、あわせてご利用ください。

問い合わせ先

気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 異常気象情報センター
電話:03-3212-8341 (内線)3158

資料全文


Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ