2013年6月のインドの大雨について
報道発表日
平成25年6月26日
概要
インドでは、広い範囲で多雨となっている。特に、6月中旬に北西部のウッタラカンド州周辺で大雨となり、大きな被害が発生している。
本文
天候の経過と被害状況
6月16日にインド全域が雨季に入った(インド気象局)。インド北西部の雨季入りは記録的に早く、平年より約1か月早かった。
6月のインドの降水量(25日現在)は広い範囲で平年より多くなっている。特に平年と比べて降水量が多かったインド北西部のデラドゥーン(ウッタラカンド州)では、6月10日頃から雨が降り始め、6月10日~17日の8日間降水量が640mm以上となった(インド気象局によるデラドゥーンの6月の平年値(1901~2000年の平均)201.8mmの約3倍)。
この大雨により、6月24日までに、ウッタラカンド州で9万人以上が避難し、洪水等により560人が死亡した。また、インド全体で658人の死亡が確認された(インド政府)。
大気の流れの特徴
インド洋からインドに湿った空気をもたらす下層の南西風(季節風)が平年より強かった。インド西岸やインド北部では積雲対流活動が平年より活発で、大雨となった。
今後の見通し
インド気象局の予報によると、今後7月2日にかけてはインド北部や西岸の広い範囲で雨となる見込み。
なお、気象庁ホームページ「世界の異常気象」において、最近の世界の異常気象や気象災害の状況を週、月、季節別にまとめていますので、あわせてご利用ください。
問い合わせ先
気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 異常気象情報センター
電話:03-3212-8341 (内線)3158