平成24年12月の地震活動及び火山活動について
報道発表日
平成25年1月10日
概要
平成24年12月の地震活動及び火山活動について解説します。
本文
- 地震活動
- 全国の地震活動
12月7日17時18分に三陸沖でM7.3の地震が発生し、青森県八戸市(はちのへし)、階上町(はしかみちょう)、 岩手県盛岡市(もりおかし)、滝沢村(たきざわむら)、宮城県栗原市(くりはらし)、丸森町(まるもりまち)、 茨城県常陸太田市(ひたちおおたし)、常陸大宮市(ひたちおおみやし)、栃木県市貝町(いちかいまち) で最大震度5弱を観測しました。この地震により、東北地方の太平洋沿岸で津波を観測しました。
全国で震度3以上を観測した地震の回数は23回、日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は226回でした。
震度3以上を観測するなどの主な地震活動の概況は別紙1のとおりです。また、世界の主な地震は別紙2のとおりです。
- 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震活動
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震は、次第に少なくなってきているものの、 最大震度4以上を観測した地震が6回、震度1以上を観測した地震が105回発生するなど、 引き続き岩手県沖から茨城県沖の広い範囲で発生しました。 12月7日に三陸沖でM7.3(最大震度5弱)の余震が発生しました。
国土地理院のGNSS※観測結果では、 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」後の余効変動が継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。
(余震の見通しについて)
余震は次第に少なくなってきており、全体的には、M7.0以上の大きな余震が発生する可能性は低くなってきましたが、 今後もまれに大きな余震が発生することがあります。また、これより規模の小さな地震でも、沿岸域や陸域で発生すると、 場合により最大震度5弱以上の揺れとなることがありますので、注意してください。 余震は、広い範囲で発生しているため、同じ規模の余震であっても、発生する場所により各地での震度は異なります。
(防災上の留意事項)
引き続き余震による強い揺れに警戒してください。また、これまでの強い揺れのために地盤がゆるんでいる地域では、 降雨や余震による土砂災害の発生する危険性が高まっていますので、併せて警戒してください。 余震活動地域の外側も含めて、常日頃から地震への備えをお願いします。
また、大きな余震が発生すると津波が発生する可能性があります。海岸で強い揺れを感じた場合、 また、揺れを感じなくても津波警報が発表された場合には、直ちに海岸から離れ高台等の安全な場所に避難してください。
- 全国の地震活動
- 火山活動
霧島山(新燃岳)では、今期間、噴火は発生せず、火山活動に特段の変化は見られませんでした。 新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考えられるマグマだまりへの深部からのマグマの供給は停止した状態が続いています。 しかし、火口には多量の溶岩が溜まっており、火口直下の火山性地震がわずかながらも続いていることから、 現在でも小規模な噴火が発生する可能性は否定できません。 新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
桜島では、爆発的噴火を含む活発な噴火活動が継続しました。 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
三宅島では、やや多量の火山ガスの放出が続いています。 火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続しています。
十勝岳では、2日及び27日から28日にかけて火山性地震が一時的に増加しました。 火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められませんが、ここ数年、継続的な山体浅部の膨張や大正火口の噴煙量増加、 一時的な地震増加などが観測されていますので、今後の火山活動の変化に注意してください。 噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)が継続しています。
その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。日本の主な火山活動の概況は別紙3のとおりです。また、世界の主な火山活動は別紙4のとおりです。
※GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称です。
※ 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震活動に関する記述を修正しました。(1月11日 12時00分修正実施)
問い合わせ先
地震:地震火山部管理課 電話 03-3212-8341(内線 4581)
火山:地震火山部火山課 電話 03-3212-8341(内線 4530)
資料全文
- 平成24年12月の地震活動及び火山活動について[PDF形式: 127KB]
- 別紙1(日本の主な地震活動)[PDF形式: 346KB]
- 北海道地方の主な地震活動[PDF形式: 197KB]
- 東北地方の主な地震活動[PDF形式: 1,826KB]
- 関東・中部地方の主な地震活動[PDF形式: 1,200KB]
- 近畿・中国・四国地方の主な地震活動[PDF形式: 601KB]
- 九州地方の主な地震活動[PDF形式: 265KB]
- 沖縄地方の主な地震活動[PDF形式: 236KB]
- 東海地震の想定震源域及びその周辺の地震活動[PDF形式: 1,171KB]
- 別紙1参考(日本の主な地震活動の参考資料)[PDF形式: 344KB]
- 別紙2(世界の主な地震活動)[PDF形式: 397KB]
- 別紙3(日本の主な火山活動)[PDF形式: 265KB]
- 別紙4(世界の主な火山活動)[PDF形式: 131KB]
※ 資料全文の4番目の資料「東北地方の主な地震活動」の7枚目 「図 各津波観測施設で観測した津波の最大の高さ」で、震央の位置を修正しました。 (1月30日 15時00分修正実施)
資料全文の10番目の資料「別紙1参考(日本の主な地震活動の参考資料)」の2枚目 「図3 気象庁が震源を決定した日本付近の平成24年12月の地震の震央分布」で、総数の値と「2012年12月7日 三陸沖の地震(M7.3)」 の震央の位置を修正しました。 (1月30日 15時00分修正実施)
資料全文の11番目の資料「別紙2(世界の主な地震活動)」の1枚目 「図1 平成24年(2012年)12月に世界で発生したM6.0以上または被害を伴った地震の震央分布」で、2番の地震の震央の位置 を修正し、 1枚目「表1 平成24年(2012年)12月に世界で発生したM6.0 以上または被害を伴った地震の震源要素等」で2番の地震の 緯度、経度、深さを修正しました。 (1月30日 15時00分修正実施)
参考資料
国土地理院のGPSによる地殻変動観測については、 国土地理院ホームページの記者発表資料 を参照ください。