平成24年11月の地震活動及び火山活動について
報道発表日
平成24年12月10日
概要
平成24年11月の地震活動及び火山活動について解説します。
本文
- 地震活動
- 全国の地震活動
震度5弱以上を観測した地震及び津波を観測した地震はありませんでした。
全国で震度3以上を観測した地震の回数は17回、日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は96回でした。
震度3以上を観測するなどの主な地震活動の概況は別紙1のとおりです。また、世界の主な地震は別紙2のとおりです。
- 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震活動
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震は、次第に少なくなってきているものの、 最大震度4を観測した地震が5回、震度1以上を観測した地震が104回発生するなど、 引き続き岩手県沖から茨城県沖の広い範囲で発生しました。 11月3日に福島県沖でM5.0(最大震度4)、11月9日に福島県沖でM5.5(最大震度4)、11月22日に宮城県沖でM5.0(最大震度4)、 11月24日に宮城県沖でM5.2(最大震度4)とM4.8(最大震度4)の余震が発生しました。
国土地理院のGNSS※観測結果では、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」後の余効変動が継続していますが、 その変動速度は小さくなってきています。
(余震の見通しについて)
余震は次第に少なくなってきており、全体的には、M7.0以上の大きな余震が発生する可能性は低くなってきましたが、 今後もまれに大きな余震が発生することがあります。また、これより規模の小さな地震でも、沿岸域や陸域で発生すると、 場合により最大震度5弱以上の揺れとなることがありますので、注意してください。 余震は、広い範囲で発生しているため、同じ規模の余震であっても、発生する場所により各地での震度は異なります。
(防災上の留意事項)
引き続き余震による強い揺れに警戒してください。また、これまでの強い揺れのために地盤がゆるんでいる地域では、 降雨や余震による土砂災害の発生する危険性が高まっていますので、併せて警戒してください。 余震活動地域の外側も含めて、常日頃から地震への備えをお願いします。
また、大きな余震が発生すると津波が発生する可能性があります。海岸で強い揺れを感じた場合、 また、揺れを感じなくても津波警報が発表された場合には、直ちに海岸から離れ高台等の安全な場所に避難してください。
- 全国の地震活動
- 火山活動
霧島山(新燃岳)では、今期間、噴火は発生せず、火山活動に特段の変化は見られませんでした。 新燃岳直下の火山性地震は8月30日に新燃岳南西1㎞付近で一時的に増加した後、それまでよりわずかに多い状態になっています。 新燃岳の北西数km の地下深くにあると考えられるマグマだまりへの深部からのマグマの供給は停止した状態が続いています。 しかし、火口には多量の溶岩が溜まっており、火口直下の火山性地震がわずかながらも続いていることから、 現在でも小規模な噴火が発生する可能性は否定できません。 新燃岳火口から概ね2km の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
桜島では、爆発的噴火を含む活発な噴火活動が継続しました。 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
三宅島では、やや多量の火山ガスの放出が続いています。火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続しています。
十勝岳では、12月2日昼前から夜にかけて火山性地震が一時的に増加しましたが、その後、地震活動は低下しています。 火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められませんが、 2006年からみられている62-2火口直下浅部の膨張を示す地殻変動は現在も続いていますので、火山活動の推移に注意してください。 噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)が継続しています。
薩摩硫黄島では、2003年頃から活発な噴煙活動が続いていましたが、2009年中頃からやや低下した状態で経過しています。 火山性地震も2009年3月頃から増加し多い状態で経過していましたが、2010年9月以降少なくなっています。 17日から20日にかけて実施した現地調査では、前回(2012年7月)と同様に、噴気地帯等に高温域が認められる程度で、 特段の変化は認められませんでした。これらのことから、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められなくなったと判断し、 29日11時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(平常)へ引き下げました。 なお、火口付近では火山ガスに注意して下さい。
その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。 日本の主な火山活動の概況は別紙3のとおりです。また、世界の主な火山活動は別紙4のとおりです。
※GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称です。
問い合わせ先
地震:地震火山部管理課 電話 03-3212-8341(内線 4581)
火山:地震火山部火山課 電話 03-3212-8341(内線 4530)
資料全文
- 平成24年11月の地震活動及び火山活動について[PDF形式: 128KB]
- 別紙1(日本の主な地震活動)[PDF形式: 301KB]
- 北海道地方の主な地震活動[PDF形式: 239KB]
- 東北地方の主な地震活動[PDF形式: 1,240KB]
- 関東・中部地方の主な地震活動[PDF形式: 1,033KB]
- 近畿・中国・四国地方の主な地震活動[PDF形式: 276KB]
- 九州地方の主な地震活動[PDF形式: 260KB]
- 沖縄地方の主な地震活動[PDF形式: 231KB]
- 東海地震の想定震源域及びその周辺の地震活動[PDF形式: 693KB]
- 別紙1参考(日本の主な地震活動の参考資料)[PDF形式: 708KB]
- 別紙2(世界の主な地震活動)[PDF形式: 932KB]
- 別紙3(日本の主な火山活動)[PDF形式: 268KB]
- 別紙4(世界の主な火山活動)[PDF形式: 139KB]
※ 資料全文の2つ目の資料「別紙1(日本の主な地震活動)」の1枚目の 11月24日17時59分の東京湾の地震のMw、 12月7日17時18分の三陸沖の地震の深さ及び備考/コメントの欄、 同日17時31分の三陸沖の地震の深さの欄を修正しました。(12月11日 10時00分修正実施)
参考資料
- 平成24年11月に震度1以上を観測した地震[PDF形式: 618KB]
- 平成24年12月1日以降に発生した主な地震[PDF形式: 894KB] ※ 参考資料の2つ目の資料「平成24年12月1日以降に発生した主な地震」の3枚目、 12月7日の三陸沖の地震に関する資料の本文に、 この地震及び津波による被害を追加しました。(12月11日 10時00分修正実施)
国土地理院のGNSSによる地殻変動観測については、 国土地理院ホームページの記者発表資料 を参照ください。