今年の南極オゾンホール
報道発表日
平成22年10月27日
概要
今年の南極上空のオゾンホールの面積は、1990年以降で3番目に小さかった。
本文
1.オゾンホールの状況
気象庁が米国航空宇宙局(NASA)の衛星データを基に解析した結果、オゾンホールは8月に現れたのち拡大し、9月25日に年最大面積である2190万km2まで広がりました。
これは、最近では2002年に次いで小さく、1990年以降では3番目に小さな値でした。オゾン層破壊の促進に関係する南極域上空の低温域(-78℃以下)の面積が、7月中旬から8月にかけて例年に比べて小さかったことが原因と考えられます。
2.今後の見通し
例年、南極上空のオゾンホールは、10月上旬までに最盛期を迎え、その後徐々に縮小します。現在、オゾンホールの盛衰と密接な関係のある南極域上空の極渦は弱まり始めており、オゾンホールは今後徐々に縮小し、11月~12月にかけて消滅すると考えられます。
オゾンホールの規模は、南極上空の成層圏の気象状況によって年々変動しますが、長期的には、成層圏のオゾン層破壊物質の濃度に伴って変化します。オゾン層破壊物質の濃度は、1990年代以降ピークを過ぎ緩やかに減少しているものの依然として高い状態にあり、今後も注意深く観測していく必要があります。
世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が取りまとめる「オゾン層破壊の科学アセスメント:2010」では、南極オゾンホールが1980年以前の水準に戻るのは今世紀後半になるとしています。
図表を含めた全文については、下記の「資料全文」をご参照ください。
問い合わせ先
気象庁 地球環境・海洋部 環境気象管理官付 オゾン層情報センター
電話03-3212-8341(内線)4211
資料全文
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