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平成22年(2010年)夏の異常気象分析検討会での検討結果の概要

報道発表日

平成22年9月3日

概要

平成22年9月3日に異常気象分析検討会を開催し、今夏(2010年6~8月)の日本に極端な高温をもたらした大規模な大気の流れについて、その要因を分析し、以下の見解をまとめました。

本文

天候の特徴

  • 2010年夏(6~8月)の日本の平均気温は、統計を開始した1898年以降で最も高くなりました。
  • また、夏の地域平均気温は、統計を開始した1946年以降で、北・東日本は第1位、西日本は第4位の高い記録となりました。
  • 8月の地域平均気温は、統計を開始した1946年以降で、北~西日本は第1位となりました。

大気の流れの特徴と要因

  1. 北半球中緯度の対流圏の気温は、1979年以降の夏(6~8月)で最も高くなりました。
    要因
    対流圏の気温は、エルニーニョ現象終了後に全球的に上昇し、高い状態が数カ月続くことがわかっています。また、ラニーニャ現象が発生している夏は、北半球中緯度の気温が高くなる傾向があります。2010年は、春にエルニーニョ現象が終息し、夏にラニーニャ現象が発生しました。このため、エルニーニョ現象終了後の昇温効果とラニーニャ現象が発生したことによる影響が合わさり、北半球中緯度の気温が非常に高くなった可能性があります。
    また、北半球中緯度対流圏の気温は長期的に上昇しており、これには地球温暖化が関係している可能性があります。
  2. 日本付近は、勢力の強い太平洋高気圧の影響を受けやすくなりました。
    要因
    7月中頃の梅雨明け以降、日本付近の亜熱帯ジェット気流は、平年と比べて北寄りに位置し、太平洋高気圧が日本付近に張り出しました。また、亜熱帯ジェット気流が日本付近でしばしば北側に蛇行し、上層のチベット高気圧が日本付近に張り出したことに伴い、本州付近で背の高い暖かい高気圧が形成されました。夏の後半(7月後半~8月)の日本付近での亜熱帯ジェット気流の北偏は、インド洋の対流活動が平年より活発になったことが一因とみられます。また、特に8月後半から9月初めにかけての日本付近の太平洋高気圧の強まりは、南シナ海北部からフィリピン北東の対流活動が活発になったことが一因と考えられます。
  3. 冷涼なオホーツク海高気圧の影響をほとんど受けませんでした。
    要因
    6月は北日本を中心に暖かい帯状の高気圧に覆われたため、かなり高温となりました。例年、北・東日本がオホーツク海高気圧の影響を受けやすい夏の前半(6月~7月前半)に、オホーツク海高気圧はほとんど形成されませんでした。7月後半には、一時的にオホーツク海高気圧が形成されましたが、日本付近の亜熱帯ジェット気流が平年と比べて北寄りに位置し、また、日本の東海上の太平洋高気圧が強かったため、北・東日本はオホーツク海高気圧による影響をほとんど受けませんでした。

問い合わせ先

地球環境・海洋部気候情報課
電話 03-3212-8341(内線)3158

資料全文

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