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報道発表日

平成21年2月23日

概要

 平成20年度異常気象分析検討会(定例会)において、2008/09年冬の日本の天候と循環場の特徴についての検討が行われました。

本文

【日本の天候の特徴】
 2月22日現在の今冬の平均気温は、北日本と東日本において、1946/47年冬の統計開始以降それぞれ第3位と第2位タイの高い記録となっており、日本海側の降雪量もかなり少なくなっている。なお、北・東日本でラニーニャ現象発生時に暖冬となったのは、過去の統計で全事例中1~2割だった。

【大気の流れの特徴等】
 太平洋赤道域の対流活動は、ラニーニャ現象の影響を受け、日付変更線付近で不活発だった。アリューシャン低気圧の勢力が太平洋全域で平年と比べてかなり弱く、シベリア高気圧の張り出しも弱かった。このため、日本付近では冬型の気圧配置が平年より弱く、寒気の南下しにくい大気の流れとなった。このことが、顕著な高温をもたらした直接的な要因である。
 ラニーニャ現象が発生している冬に、日本の東海上で強まる傾向のあるアリューシャン低気圧が、今冬は弱かった要因として、ヨーロッパから伝わる南アジア経由およびシベリア経由の偏西風の蛇行が、日本の東海上で低気圧を弱める方向に影響したことが考えられる。
 スペイン周辺の低温、東南アジアや南米北部および地中海周辺の多雨、アルゼンチン北部の少雨など、世界的にはラニーニャ現象の影響と見られる天候が現れたが、上述の要因により日本の天候への影響は現れなかった。

問い合わせ先

地球環境・海洋部気候情報課
電話 03-3212-8341(内線)3158

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