日本周辺海域の海面水温の長期変化傾向について
報道発表日
平成19年5月15日
概要
過去約100年の日本周辺海域における海面水温の長期変化傾向を調査したところ、
- 一部の海域を除いて年平均海面水温は世界の海洋全体の平均の2倍強の割合で上昇している。
- 海面水温の上昇率は日本の地上気温の上昇率と同程度である。
ことなどが明らかになりました。
本文
気象庁では、地球温暖化などの気候変動の監視の一環として全球平均気温や全球海面水温、我が国の気温の長期変化傾向を発表してきました。このたび、過去約100年(1900~2006年)の船舶による観測データを新たに解析し、日本周辺海域における海面水温の長期変化傾向の実態として、100年あたりの上昇率を海域単位で初めて明らかにしました。その主な結果は次のとおりです。
- 九州・沖縄海域、日本海中部・南部、日本南方海域では、年平均海面水温は100年あたり+0.7~+1.6℃の割合で上昇しています。これらは、世界の年平均海面水温の上昇率(+0.5℃/100年)の1.4~3.2倍の値です。
- 黄海・東シナ海、日本海南部、関東の南、四国・東海沖北部の年平均海面水温の上昇率は、日本の年平均地上気温の上昇率(+1.1℃/100年)と同程度となっています。
- 先島諸島周辺及び四国・東海沖南部の年平均海面水温の上昇率(+0.7~0.8℃/100年)は、日本の年平均地上気温の上昇率よりも小さくなっています。一方、日本海中部の年平均海面水温の上昇率(+1.6℃/100年)は、日本の年平均地上気温の上昇率よりも大きくなっています。
- 季節別の海面水温の長期変化傾向は、冬季(1~3月)あるいは秋季(10~12月)に最も上昇率が大きくなっています。
海域や季節ごとの変化の特徴など、詳しい結果は気象庁ホームページの「海洋の健康診断表」(海面水温の長期変化傾向(日本近海))で、本日(5月15日)から公表しています。
図表を含めた全文については、下記の「資料全文」をご参照ください。
問い合わせ先
気象庁 地球環境・海洋部 海洋気象課
電話03-3212-8341(内線)5149