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近畿地方のヒートアイランドを新たに解析 ~ヒートアイランド監視報告(平成18年夏季-関東・近畿地方)~

報道発表日

平成19年3月28日

概要

 気象庁は、これまでの関東地方に加え、近畿地方における夏季のヒートアイランド*を解析しました。その結果、大阪平野で高温となるのは大部分が晴天弱風日であること、都市化の影響による気温の上昇は、明け方は大阪市を中心とした沿岸部で、昼過ぎは内陸部で大きいことがわかりました。

本文

 気象庁では、ヒートアイランド対策の検討に資するため、平成16年度から関東地方を対象に、ヒートアイランドの実態やメカニズムの解明に取り組んできました。平成18年度は、これまでに実施した関東地方に加え、新たに近畿地方の夏季を対象として解析を行いました。その結果、大阪平野を中心とした都市化による気温の上昇について、以下の特徴が明らかになりました(詳細は資料全文を参照)。

(1)大阪平野で最高気温が35℃以上になるのは、大部分が晴天かつ弱風の日です。また、高温になりやすい地域は、大阪府の中央部、大阪湾沿岸部、京都盆地、奈良盆地などにみられます。

(2)都市化の影響による気温の上昇は、一日のうち明け方(最も気温が低くなる時間帯)は大阪市を中心とした沿岸部に、昼過ぎ(最も気温が高くなる時間帯)は内陸部に強く現れます。このような特徴は関東地方の場合と似ているものの、近畿地方ではヒートアイランドの範囲は、関東地方に比べて、地形などの影響のため狭くなっています。

(3)大阪湾から吹く海風が、都市を通過する際に加熱されて上昇し、内陸部へ吹き込む風が弱まります。このため、風下側である大阪府の北東部から京都・琵琶湖方面にかけての地域に涼しい海風が届きにくくなっています。

今回の近畿地方の解析は、関東地方のヒートアイランドの解析とともに、「ヒートアイランド監視報告(平成18年夏季-関東・近畿地方)」として、気象庁ホームページの以下のアドレスに掲載しています。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/himr/2006/index2.html

*ヒートアイランド(heat island=熱の島) 都市の気温が周囲よりも高い状態になる現象です。気温分布図を描くと、等温線が都市を丸く取り囲んで島のような形になることから、このように呼ばれます。

問い合わせ先

気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課
電話:03-3212-8341 (内線)2264、3167

資料全文


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