長期再解析(JRA-25)の計算完了について ~過去の気候を精緻に再現しました~
報道発表日
平成18年5月19日
概要
気象庁と(財)電力中央研究所は、アジア初となる長期再解析(JRA-25)の計算を完了し、1979年から2004年までの毎日の世界の大気の状態を精緻に再現しました。
本文
気象庁と(財)電力中央研究所は、アジア初となる長期再解析(JRA-25)の計算を完了し、1979年から2004年までの毎日の世界の大気の状態を精緻に再現しました。
長期再解析(JRA-25)は、過去の観測データを、最新の数値予報モデルに入力することにより、当時の観測データや数値予報モデルだけでは捉えられなかった過去の大気の立体構造を再現するものです。
(1)JRA-25データの内容
・1979年~2004年の6時間ごとの解析データ・水平方向に120km間隔、鉛直方向に高度50,000mまでの40層の解像度
・気温、気圧、風、降水量、海面水温など100種類以上の気象要素
・総容量は約13テラバイト(CD-ROMに換算して約2万枚)
(2)JRA-25データの特長
これまでに実施された欧州や米国の再解析に比べて、特に以下の点が優れています。・台風、ハリケーンなどの熱帯低気圧の解析
・全球の降水量の表現
(3)JRA-25データの利活用
気象庁では今後、この気候データを次の目的に活用し、気象情報の改善に努めます。・予報モデルの改善のための初期値としての利用および検証
・JRA-25を利用した異常気象の詳細な解析、気候監視情報の高度化
・気候システム、水循環、地球温暖化に関する研究
電力中央研究所では、エネルギー問題解決のために、地球温暖化予測研究に利用します。
なお、このデータは研究機関等に公開し、気象研究の基礎データとして幅広い活用を図ります。
問い合わせ先
気象庁地球環境・海洋部気候情報課
電話03-3212-8341(内線3164、4224)
(財)電力中央研究所環境科学研究所
電話04-7182-1181