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増え続ける大気中の温室効果ガス ―世界気象機関(WMO)が温室効果ガス年報の刊行を開始しました―

報道発表日

平成18年3月14日

概要

 世界気象機関(WMO)は、毎年の大気中の温室効果ガスの状況をとりまとめたWMO温室効果ガス年報を刊行しました。気象庁はこの年報において温室効果ガス濃度の解析を担当しており、今回の解析によると、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は2004年の世界の年平均濃度がこれまでの最高になりました。また、日本の観測による二酸化炭素などの濃度も長期的にみると増加を続けています。

本文

世界の温室効果ガスの状況
 地球温暖化に最も影響の大きい温室効果ガスである二酸化炭素の世界における2004年の平均濃度は377.1 ppm (ppmとは体積比で百万分の一を意味します)で、統計を行っている1983年以降で最高であり、 この10年間では平均で1.9 ppm/年の割合で増加しています(図)。 また、地球温暖化に2番目に影響が大きいメタン、3番目に影響の大きい一酸化二窒素もこれまでで最高の濃度を記録しました(ただしメタンは昨年と同じ濃度です)。

緯度帯別の大気中の二酸化炭素濃度の経年変化(立体表示図)
WDCGGが収集した観測データから緯度帯別に観測点の濃度を平均して、色別に大気中の月平均二酸化炭素濃度を時系列で表している。

日本の温室効果ガスの状況
 気象庁が観測を行っている3地点(綾里(岩手県)、南鳥島(東京都)、与那国島(沖縄県))で 二酸化炭素の2005年の平均濃度は380.7~382.5 ppmとこれまでで最高であり、 この10年間では平均で1.9~2.1 ppm/年の割合で増加しています。 また、メタン、一酸化二窒素も長期的に見ると増加を続けています。
WMO温室効果ガス年報の刊行について
 WMOは、世界の温室効果ガスなどを監視する目的で、全球大気監視(Global Atmosphere Watch)プログラムを実施しており、気象庁はその中で温室効果ガス世界資料センター(World Data Centre for Greenhouse Gases: WDCGG)を運営しています。WMOはこのプログラムに参加している世界の観測所のデータを用いて、新たに毎年の大気中の温室効果ガスの状況を年報の形で発表することとし、その中でWDCGGが大気中の温室効果ガス濃度の解析を担当しています。気象庁は、この年報を通じて、温室効果ガス濃度の世界の状況を、政策決定者をはじめ広く人々に提供していきます。 この年報はWDCGGのホームページ(http://gaw.kishou.go.jp/wdcgg_j.html)からも取得することが出来ます。

問い合わせ先

気象庁 地球環境・海洋部 環境気象管理官付 全球大気監視調整官
電話03-3212-8341(内線)4112

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