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気象審議会諮問第21号の背景
(21世紀における気象業務のあり方について)

平成11年9月
気象庁

1.気象業務の目的

わが国は、気象、海水象、地震・津波、火山噴火等の自然現象により大きな影響を受けてきている。このため気象庁では、これら自然現象を監視・予測しその成果を発表することにより、災害の予防、交通安全の確保、産業の興隆等公共の福祉を増進するとともに国際的な貢献を果たしてきている。気象庁では、1875年(明治8年)の創設以来、常に最新の科学技術や情報通信技術の成果を導入し、わが国の気象業務の基盤を確保するとともに、関係機関と連携協力して国内における気象業務全体の総合的な発展を図ってきている。

2.台風・集中豪雨、地震・津波、火山等による自然災害の続発と防災気象業務の強化

近年、都市化による災害への脆弱性増大などにより台風・集中豪雨、地震・火山等による自然災害が続発していることから、気象情報の充実や精度向上への要請が高まっている。このため、気象庁や関係行政機関、地方公共団体等においては災害防止・軽減に向けた気象業務に係わる取り組みを強化している。例えば、地方公共団体においては、最新の情報通信技術に基づく防災システムを構築し、気象庁発表の予警報・地震津波情報等を活用するとともに、自らの災害対策をより効果的にするため市町村単位等の雨量・震度等のきめ細かな観測を行ってきている。気象庁ではこれら都道府県等のシステムとのオンライン接続を促進し、気象庁発表情報の迅速な提供を行うとともに、都道府県等が行った観測成果を入手し、適確な気象予警報や地震情報等の発表に努めている。

3.多様な気象サービスへの期待

国民生活の向上・多様化や気象予報等の精度向上にともない、社会・経済活動等においても気象情報へのニーズが多様化、高度化しており、気象庁と民間気象事業者、情報通信事業者等により、より総合的な気象業務の推進が必要となっている。特に、気象情報への信頼性向上にともない、きめ細かな気象サービスへの期待が高まり、民間気象事業者等により多様なサービスが展開されてきている。例えば、民間気象事業者は、商品の売れ行き予想等の個別事業向けの予報、インターネット、ケーブルテレビ(CATV)、移動体通信等の新たなメディア向けの局地予報の提供等の分野において活躍している。衛星放送デジタル化、移動体通信の発展等、情報通信・放送技術の高度化により社会構造自体にも大きな変革が予想されるところ、新たな気象サービスの展開においても、引き続き民間部門が大きな役割を担うことが期待されている。

4.地球規模の諸問題の顕在化

情報通信・運輸交通等の発達にともない社会・経済活動がグローバル化する中、一国で発生する異常気象が、即わが国をはじめ世界各国に大きな影響をもたらす時代となっている。さらに、地球温暖化、オゾン層破壊等、人類の存続にも係わる地球環境問題も顕在化してきている。これら地球規模の諸問題に対応するため、各国の気象機関が連携協力し世界気象機関(WMO)を中心に全世界的な観測・情報通信等のネットワークを構築するとともに、これら分野での先導的な観測・監視・研究等の計画を推進している。気象先進国であるわが国の気象庁に対して、これらの国際的な諸計画に積極的に参画し貢献することが内外から強く求められている。

5.気象業務の高度化に向けた技術革新の見通し

気象業務は常に最新の地球科学、情報通信等の科学技術のうえに成り立っており、近年の自然現象の科学的解明の進展や情報通信・データ処理技術の飛躍的な発展により、数値予報モデルに代表される気象、海洋、地震・津波等の数値シミュレーション技術が高度化している。例えば、平成11年4月には津波予報にもシミュレーション技術が導入され、さらに気象庁では平成12年度の運用開始を目指した10kmメッシュの局地数値予報モデルの開発、季節予報への初期段階の気候モデルの適用等を進めているところである。また、ドップラーレーダーやウィンドプロファイラー等の次世代の観測網が、局地数値予報モデルの高度化とあわせて、洪水・浸水や土砂災害対策にかかわる集中豪雨、航空機の安全確保にかかわる乱気流等激しい気象現象の監視や予警報の精度向上に大きな役割を果たすことが期待されている。

6.まとめ

これらの新たな変化に対応するため、気象・地震・津波・地球環境等の監視・予測技術や情報通信技術の現状やそれらの革新的な発達の見通し、加えて行政改革、規制緩和、地方分権の推進等の動向を踏まえつつ、気象庁がわが国における総合的な気象業務の健全な発達を図ることが求められている。

21世紀における気象業務のあり方について 検討イメージ(案)[PDF形式:9KB]

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