令和4年度 気象防災アドバイザー育成研修

 気象庁は、令和4年8月から令和5年3月にかけて「令和4年度気象防災アドバイザー育成研修」を実施しました。

 この研修は、気象予報等について高度な知識を持つ気象予報士の方に「避難情報に関するガイドライン」に基づく避難情報発令の判断方法等を習得いただくことで、限られた時間の中で予報の解説から避難の判断までを一貫して担うことのできる気象防災アドバイザーを育成することを目的に実施するものです。

研修カリキュラム

研修カリキュラム

研修で習得した知識・技能・姿勢

研修内容

1. 防災基礎講義

 気象防災アドバイザーに求められる役割や災害や避難に関する基礎知識を習得するための講義です。

 土砂災害・洪水・地震・火山噴火等の自然災害の発生メカニズム、地形と災害の関係性、地域の災害リスク、防災に係る我が国の法制度や防災計画、それらに基づく国の機関や地方公共団体等の防災対応について学びます。

2. 防災気象情報演習

 気象防災アドバイザーとして必須である最新の防災気象情報の目的や背景、活用方法を習得するための演習です。

 実際の災害事例を用いて、災害発生直前の防災気象情報から被害が想定される地域を読み解き、内閣府の「避難情報に関するガイドライン」に沿って、適切なタイミングで対象区域を絞り込んで避難情報の発令を判断する方法をテスト演習方式で学びます。

3. 災害コミュニケーション演習

 避難情報を市町村長が納得感をもって発令できるよう、気象防災アドバイザーとして補佐する上で必要とされる、市町村長等への伝え方のテクニックを、現場経験の豊富な有識者の指導の下、習得するためのリアルタイム演習です。

 また、防災出前講座やワークショップの資料作成方法やファシリテートのコツについて学び、4で行う実地研修につなげます。

4. 実地研修

 地元の気象台で模擬の防災出前講座や防災解説ワークショップを実施し、地方公共団体で即戦力となる実力を養成します。

 1~3で講師から学んだ内容を、研修生自身が講師となって気象台職員を相手に実施し、地元の例で地形と災害の関係性、過去の災害、防災気象情報を用いた避難情報の発令判断について解説いただきます。