令和4年冬の天候の特徴とその要因について
~異常気象分析検討会の分析結果の概要~

報道発表日

令和4年3月14日

概要

令和4年冬(令和3年12月~令和4年2月)の日本海側を中心とした大雪や東・西日本の低温をもたらした大規模な大気の流れについて、3月11日に開催した異常気象分析検討会において分析し、見解をまとめました。

本文

天候の特徴
今冬は12月下旬以降、日本付近に強い寒気が流れ込むことが多かったため、北日本から西日本の日本海側を中心にしばしば大雪となりました。冬の降雪量は日本海側を中心に平年値を上回る地点が多く見られ、特に西日本では平年値の2倍を超えたところがありました。また、冬の最深積雪は新潟県津南で419cmを記録するなど、全国331地点中12地点で年最深積雪の記録を更新しました。気温は12月下旬以降、東・西日本を中心に平年を下回る傾向が持続し、東・西日本では寒冬となりました。

今冬の天候をもたらした要因
大気上層を流れる高緯度帯の偏西風(寒帯前線ジェット気流)と中緯度帯の偏西風(亜熱帯ジェット気流)がともに日本付近で南に蛇行し、下層では冬型の気圧配置が強まりました。このため、日本列島に強い寒気が流れ込みやすくなりました。
寒帯前線ジェット気流の日本付近での南下は、東シベリア上空におけるブロッキング高気圧の形成を伴い、これとともに北極域上空に存在していた極渦(上空の大規模な寒冷渦)が分裂して、その一部が日本のすぐ北まで南下しました。亜熱帯ジェット気流が日本のすぐ東方で南偏したことには、ラニーニャ現象の発生に伴ってフィリピン~インドネシア東部付近で積雲対流活動が平年よりも活発となった影響により、日本の西方で亜熱帯ジェット気流が北に蛇行したことが関わったと考えられます。さらに、北大西洋~ヨーロッパ上空でジェット気流が大きく蛇行し、この影響が東方に及んで、ユーラシア大陸~日本付近の寒帯前線ジェット気流と亜熱帯ジェット気流の蛇行を持続させたとみられます。東シベリア上空でブロッキング高気圧が形成されやすかったことには、アラスカ湾付近で上層の偏西風が北へ大きく蛇行したことも影響したと考えられます。この蛇行には、ラニーニャ現象に伴って太平洋熱帯域の西部で積雲対流活動が活発、中~東部で不活発だったことが影響したとみられます。


令和4年冬の平均的な大気の流れに関する模式図
令和4年冬の平均的な大気の流れに関する模式図


詳細は下記の「資料全文」をご参照ください。
なお、異常気象分析検討会の議事概要は、後日、異常気象分析検討会のページに掲載します。

問合せ先

(天候の特徴・大規模な大気の流れについて)
大気海洋部気候情報課 竹川・佐藤
電話:03-6758-3900(内線4547、4598)

(観測データについて)
大気海洋部 観測整備計画課 村井
電話:03-6758-3900(内線4268)

資料全文

関連リンク


Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Acrobat Reader DCが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ