南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-

気象庁では、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況を定期的に評価するため、 南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催しています。 本資料は本日開催した評価検討会、判定会で評価した調査結果を取りまとめたものです。 次回は9月7日を予定しています。
なお、下記調査結果は本日17時00分に「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」として発表しています。

報道発表日

平成30年8月7日

概要

現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。

本文

最近の南海トラフ周辺の地殻活動

現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。

1.地震の観測状況
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1)愛媛県中予から愛媛県南予:7月10日から28日
(2)豊後水道:7月18日から20日


2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
なお、2018年5月まで実施したGNSS-音響測距観測によると、紀伊水道沖で通常とは異なる変化を2017年末頃から観測しています。


3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている紀伊水道沖の通常とは異なる変化は、紀伊水道沖における非定常地殻変動によるものである可能性があります。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。


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問い合わせ先

地震火山部地震予知情報課 担当 宮岡
電話:03-3212-8341(内線4576) FAX 03-3212-2807

資料全文

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