平成12年8月24日 22:05 |
気 象 庁 |
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三宅島の火山活動に関する火山噴火予知連絡会の検討結果は次のとおりです。 三宅島では、山頂で活発な噴火活動が断続的に発生しています。 8月18日の噴火に伴う噴出物について検討を行いましたが、噴出物中の多孔質岩塊が高温で新鮮なマグマから生じたものとは断定できないとの結論が得られました。 7月8日から観測されてきた、ゆっくりとした山下がりの後急速に反転する地殻変動と、その反転の数時間前から山頂部で地震が多発するという現象は、8月18日以来発生していません。 断続している山体の収縮の原因は、マグマが引き続き西方へ流出しているためと考えられます。 この間の噴火は、マグマや高温岩体と地下水との相互作用により発生していると考えられますが、このような噴火はマグマの顕著な移動は伴わないことから、一般的には予測は難しいと考えられます。しかし、急速に反転する傾斜変動の推移、大規模な噴火前の火山性地震や微動、山頂から放出される水蒸気や火山ガス等の監視解析で予測できる場合もあると考えられることから、 観測体制の強化を図ることが必要です。 当面は、18日と同程度かこれをやや上回る程度の山頂噴火が繰り返される可能性があります。 このような噴火が発生した場合、山麓へも噴石が落下する可能性があります。島内では噴石および火山灰に引き続き注意が必要です。 現段階では、山麓での噴火の可能性はありません。また、雨による泥流にも注意が必要です。 |
資料1:三宅島2000年・主な山頂噴火[PDFファイル:37KB] 資料2:三宅島空振/微動/噴煙/時別地震回数[PDFファイル:23KB] 資料3:山頂地震震源分布その1(東京大学地震研究所)[PDFファイル:46KB] 資料4:山頂地震震源分布その2(東京大学地震研究所)[PDFファイル:23KB] 資料5:三宅島傾斜変動データ10日分(防災科学技術研究所)[PDFファイル:26KB] 資料6:基線図(建設省国土地理院)[PDFファイル:30KB] 資料7:基線長変化グラフ(建設省国土地理院)[PDFファイル:67KB] 資料8:雄山南全磁力変化(東京大学地震研究所)[PDFファイル:16KB] 資料9:これまでの主な噴火の噴出物量(概算)(東京大学地震研究所)[PDFファイル:58KB] 資料10:水蒸気/マグマ水蒸気爆発のメカニズム(熱水相転移モデル)(東京大学地震研究所)[PDFファイル:22KB] 資料11:三宅島の収縮と神津島東方の開口変位(東京大学地震研究所)[PDFファイル:38KB] 資料12:三宅島2000年噴火の推移について(防災科学技術研究所)[PDFファイル:24KB] 資料13:三宅島拡大(水平)/(上下)(防災科学技術研究所)[PDFファイル:40KB] 資料14:神津島、三宅島間の岩脈に原因を押しつけるモデル(名古屋大学理学部)[PDFファイル:18KB] |