令和6年台風第10号に関する九州南部・奄美地方気象情報 第13号
令和6年 8月29日00時01分 鹿児島地方気象台発表
鹿児島県(奄美地方を除く)に暴風、波浪、高潮特別警報を発表しています。九州南部では、記録的な暴風や高潮、大雨となるおそれがあります。九州南部では、暴風やうねりを伴った高波、高潮、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に最大級の警戒をしてください。宮崎県、鹿児島県(奄美地方を除く)、奄美地方では、引き続き29日にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。
[気象概況]
非常に強い台風第10号は、28日22時には屋久島の北西にあって、1時間におよそ10キロの速さで北へ進んでいます。奄美地方と九州南部の一部が風速25メートル以上の暴風域に入っています。
台風は九州南部、奄美地方にかなり接近しています。今後、非常に強い勢力を維持したまま北上し、30日にかけて九州に上陸するおそれがあります。
台風が予報円の中心付近を進みますと、九州南部では29日明け方にかけて、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹くでしょう。また、奄美地方の沿岸の海域では、29日明け方にかけて、九州南部の沿岸の海域では29日昼前にかけてうねりを伴った猛烈なしけとなる所がある見込みです。
九州南部・奄美地方では台風周辺や台風本体の暖かく湿った空気が流れ込み大気の状態が非常に不安定となっているため、30日にかけて局地的に非常に激しい雨や激しい雨が降り大雨となる見込みです。台風の動きが遅いため、九州南部では総雨量が1000ミリを超える記録的な大雨となるおそれがあります。また、落雷や竜巻などの激しい突風のおそれもあります。
[風の実況]
27日00時から28日23時までの最大風速と最大瞬間風速(アメダスによる速報値 単位:メートル)
宮崎県
宮崎空港
最大風速 20.7メートル 東 (28日22時40分)
最大瞬間風速 28.8メートル 東 (28日22時31分)
鹿児島県(奄美地方除く)
屋久島町小瀬田
最大風速 32.1メートル 東南東 (28日15時23分)
最大瞬間風速 46.8メートル 南東 (28日20時06分)
奄美地方
喜界島
最大風速 33.0メートル 西北西 ※欠測値を含む (27日19時07分)
最大瞬間風速 44.2メートル 西北西 ※欠測値を含む (27日19時07分)
[雨の実況]
降り始め(26日11時)から28日23時までの降水量(アメダスによる速報値)
宮崎県
えびの市えびの高原 426.0ミリ
鹿児島県(奄美地方除く)
錦江町田代 375.0ミリ
奄美地方
奄美市笠利 173.5ミリ
[風の予想]
29日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
宮崎県 28メートル (40メートル)
鹿児島県(奄美地方を除く) 50メートル (70メートル)
奄美地方 30メートル (45メートル)
30日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
宮崎県 25メートル (35メートル)
鹿児島県(奄美地方を除く) 35メートル (50メートル)
奄美地方 15メートル (25メートル)
[波の予想]
29日に予想される波の高さ
宮崎県 9メートル うねりを伴う
鹿児島県(奄美地方を除く) 10メートル うねりを伴う
奄美地方 9メートル うねりを伴う
30日に予想される波の高さ
宮崎県 6メートル うねりを伴う
鹿児島県(奄美地方を除く) 6メートル うねりを伴う
奄美地方 5メートル うねりを伴う
[雨の予想]
29日に予想される1時間降水量は多い所で、
宮崎県 70ミリ
鹿児島県(奄美地方を除く) 70ミリ
奄美地方 50ミリ
29日0時から30日0時までに予想される24時間降水量は多い所で、
宮崎県 600ミリ
鹿児島県(奄美地方を除く) 600ミリ
奄美地方 150ミリ
その後、30日0時から31日0時までに予想される24時間降水量は多い所で、
宮崎県 400ミリ
鹿児島県(奄美地方を除く) 300ミリ
線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、
宮崎県、鹿児島県(奄美地方を除く) 引き続き29日夜にかけて
奄美地方 引き続き29日午前中にかけて
[潮位の予想]
九州南部・奄美地方では、台風の接近に伴い、30日にかけて潮位が高くなり、沿岸や河口付近の低地では浸水や冠水のおそれがあります。
なお、潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると波が堤防を越えて浸水するおそれもあります。
[防災事項]
最大級の警戒:暴風、うねりを伴った高波、高潮、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫
注意事項:落雷、竜巻などの激しい突風
風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど暴風に厳重に警戒してください。
発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。
[補足事項]
今後、発表する警報、注意報、気象情報などに留意してください。台風の進路や土砂災害、浸水害、洪水災害のキキクル(危険度分布)に関しては、「気象庁ホームページ」などを確認してください。
次の情報は、29日05時頃に発表する予定です。