令和2年 台風第10号に関する情報 第62号
令和2年 9月 6日05時13分 気象庁予報部発表

 大型で非常に強い台風第10号は、6日夜にかけて九州南部・奄美地方を北上し、7日にかけては非常に強い勢力を維持して九州にかなり接近または上陸するおそれがあります。記録的な暴風、高波、高潮、大雨のおそれがありますので最大級の警戒をしてください。鹿児島県(奄美地方を除く)では特別警報を発表する可能性があります。

 [台風の現況と予想]
  大型で非常に強い台風第10号は、6日4時には奄美大島の南南東約240キロにあって、1時間におよそ15キロの速さで北へ進んでいます。中心の気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで、中心の南東側280キロ以内と北西側185キロ以内では、風速25メートル以上の暴風となっています。
  台風は次第に大東島地方を離れますが、勢力を維持して北上を続け、6日日中に奄美地方へ、6日夜には、鹿児島県(奄美地方を除く)にかなり接近するでしょう。なお、7日にかけても勢力を維持して北上を続け、九州にかなり接近または上陸するおそれがあります。
 
 [防災事項]
 <暴風・高波>
  大東島地方や奄美地方では猛烈な風が吹き猛烈なしけとなっています。沖縄本島地方でも非常に強い風が吹き猛烈なしけとなっています。
  台風の北上に伴い、沖縄地方では6日朝にかけて、奄美地方では6日夜遅くにかけて、九州南部では6日昼過ぎから7日明け方にかけて、九州北部地方では6日夜遅くから7日昼前にかけて、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹く見込みです。風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど暴風に厳重に警戒してください。
  7日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)は、
   奄美地方        50メートル(70メートル)
   九州南部        45メートル(65メートル)
   沖縄地方、九州北部地方 40メートル(60メートル)
   四国地方、中国地方   25メートル(35メートル)
   近畿地方        23メートル(35メートル)
 です。
 
  沖縄地方では6日昼過ぎにかけて、奄美地方では7日未明にかけて、九州南部では6日朝から7日明け方にかけて、九州北部地方や四国地方では6日夜から7日午前中にかけて、猛烈なしけとなる見込みです。
  7日にかけて予想される波の高さは、
   九州南部・奄美地方   14メートル
   沖縄地方        13メートル
   九州北部地方、四国地方 10メートル
   近畿地方         8メートル
   東海地方         7メートル
   中国地方         5メートル 
 です。
 
  台風が接近する地域では、記録的な暴風や高波となるおそれがありますので、最大級の警戒をしてください。
 
 <高潮>
  台風の接近に伴い、奄美地方や西日本では7日にかけて潮位が高くなり、海岸や河口付近の低地では浸水や冠水のおそれがあります。
  なお、潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると、波が海岸堤防を越えて浸水するおそれもあります。高潮や、高潮と重なり合った波浪による浸水などにも厳重に警戒してください。
  台風が接近する地域では、記録的な高潮となるおそれがありますので、最大級の警戒をしてください。
 
 <大雨・雷・突風>
  南海上から暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、西日本から東日本では大気の状態が非常に不安定となっており、局地的に雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降っています。
  台風の北上に伴い、引き続き7日にかけて、南海上から暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定になる所があるでしょう。西日本や東日本では、局地的に雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、特に、太平洋側の東から南斜面を中心に総雨量が多くなり、大雨となるおそれがあります。
  台風が接近する奄美地方では6日日中、九州南部や九州北部地方では6日午後から7日午前中にかけて、雷を伴った猛烈な雨が降るでしょう。
  7日6時までの24時間に予想される雨量は、多い所で、
   九州南部        600ミリ
   奄美地方、九州北部地方、東海地方
               400ミリ
   四国地方        350ミリ
   近畿地方        250ミリ
   沖縄地方        180ミリ
   中国地方        150ミリ
   関東甲信地方      100ミリ 
  8日6時までの24時間に予想される雨量は、多い所で、
   東海地方   300から400ミリ
   四国地方   200から300ミリ
   九州南部、九州北部地方、近畿地方、関東甲信地方
          100から200ミリ
   中国地方    50から100ミリ
 の見込みです。
  台風が接近する地域では、記録的な大雨となり、国管理河川のような大河川でも氾濫するおそれがあります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に最大級の警戒をしてください。
  
  また、竜巻などの激しい突風や落雷に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。
  
 [補足事項]
  今後の台風情報や、地元気象台が発表する早期注意情報、警報、注意報、気象情報に留意してください。次の「令和2年 台風第10号に関する情報(総合情報)」は6日11時頃に発表する予定です。