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しつもん フェーン現象って何?
かいとう 風がふいてきて、山にぶつかると、風は山のしゃ面にそって、山を登り、またしゃ面にそって山を下り、山の向こうへと進んでいきます。
このとき、山のこちら側と向こう側で気温が大きくちがう「フェーン現象」が起きていると考えられます。
次の図を見てください。

フェーン現象

風は左から右に向かってふいています。
このとき、風のふいてきたほう(風上側)の気温は25℃だとします。
この風が高さ2000メートルの山を越えるとき、気温は100メートルあたり0.6℃下がるので、この2000メートルの山の頂上では、風上側の平地より12℃すずしい13℃になります。
さて、この空気の気温が下がるとき、ある変化が起こります。
どんな空気も、水蒸気をふくんでいますが、この空気が冷やされると、ある程度の水蒸気は、水になってしまうことがあります。
小さな水のつぶができ、空気中をただよいます。
これが「霧(きり)」や「雲」なのです。
山のしゃ面では、このようにしてできた雲から雨が降ります。

山の頂上まできた風は、今度は山のしゃ面にそって、山を下りていきます。
ところが、今度は気温が100メートルあたり1℃上がります。
ですから、山の頂上で13℃だった気温は、20℃も暑くなり、風下側の平地では33℃にもなってしまうのです。

風上側と風下側で、気温が上下する割合がどうしてこんなにちがうのでしょう。
風上側では、空気が山をのぼるにつれて、空気中の水蒸気が冷えて水になり、霧や雲をつくります。
雲からは雨がふって地面に落ちてしまうので、頂上までやってきた空気には、あまり水分がふくまれていません。
つまり、風上側と風下側では、空気のしめり具合(湿度:しつど)がちがうのです。
この、湿度のちがいにより、空気が山を登り下りするとき、気温の上下する割合がちがってしまうのです。

フェーン現象がよく見られるのは、初夏(5月)ごろ~秋にかけての、北陸地方などです。
全国的に南風が強いときに、北アルプスなどの高い山に南風がぶつかります。
すると、風上側である太平洋側(東海地方など)の気温よりも、
風下側である日本海側(北陸地方など)の気温がずっと高くなります。
北陸では、5月に30℃を超す真夏日を観測することもあるのです。

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