令和2年7月の記録的大雨や日照不足の特徴とその要因について
~異常気象分析検討会の分析結果の概要~

報道発表日

令和2年8月20日

概要

令和2年7月の記録的大雨や日照不足の特徴と大規模な大気の流れから見た要因について、異常気象分析検討会において分析し、見解をまとめました。

本文

天候の状況
本年7月は、「令和2年7月豪雨」(7月3日~31日)が発生するなど、東北地方から西日本にかけて記録的な大雨や日照不足など顕著な天候不順となりました。九州をはじめ、岐阜県、長野県、山形県などで、1~72時間の降水量の記録を更新した地点が多数見られ、特に7月3日~4日には熊本県を中心に記録的な大雨となるなど、各地で大雨による甚大な被害が発生しました。 また、東北地方、東日本太平洋側、西日本では、1946年の統計開始以降、7月として降水量の多い記録を更新し、これらの地域に加え、東日本日本海側も日照時間の少ない記録を更新しました。

大規模な大気の流れから見た天候不順の要因
本年7月の不順な天候に関して、以下の要因が考えられます。
・日本付近では上空の偏西風の北上が遅れたことにより日本付近に梅雨前線が停滞し続け、前線に沿って西から流入した水蒸気と、平年より南西に張り出した太平洋高気圧の影響で南西から流入した水蒸気が、日本付近で大量に集中しました。
・さらに黄海付近では上空の気圧の谷が現れやすく、その影響で西日本や東日本付近では上昇流が強まって梅雨前線の活動が強化され、大雨の降りやすい状態が続いたとみられます。
・日本付近で偏西風の北上が遅れたことや、太平洋高気圧が南西に張り出した要因として、インド洋で海面水温が平年より高かった影響でアジアモンスーンの活動が不活発になったことが考えられます。


2020年7月の平均的な大気の流れに関する模式図
2020年7月の平均的な大気の流れに関する模式図

問合せ先

地球環境・海洋部気候情報課 中三川・石崎・佐藤
電話:03-3212-8341(内線3166・3158) FAX:03-3211-8406

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