2020年冬の天候の特徴とその要因について
~異常気象分析検討会の分析結果の概要~

報道発表日

令和2年4月14日

概要

2020年(令和2年)冬(2019年12月~2020年2月)、日本に記録的な暖冬をもたらした大規模な大気の流れについて、異常気象分析検討会においてその要因を分析し、見解をまとめました。

本文

天候の状況
2020年冬は全国的に高温となり、日本の冬平均気温偏差は+1.66℃で、冬として1898年冬(1897年12月~1898年2月)の統計開始以降最も高い記録を更新しました。また、降雪量は全国的にかなり少なく、北日本日本海側と東日本日本海側では1962年冬(1961年12月~1962年2月)の統計開始以降最も少ない記録を更新しました。

今冬の天候をもたらした要因
今冬は、シベリア高気圧及びアリューシャン低気圧がともに冬を通して平年よりも弱かったことから、冬型の気圧配置となる日が少なく、日本付近への寒気の流入が平均して弱くなりました。このような状況をもたらした大規模な大気の流れの特徴とその要因は以下のとおりです。
・大気上層を流れる偏西風が日本付近で北に蛇行し続けました。この偏西風(亜熱帯ジェット気流)の蛇行の一因として、熱帯域の積雲対流活動がインドネシア付近で不活発だったため、中国南部付近で亜熱帯ジェット気流が南に蛇行したことが影響したと考えられます。
・1月以降、正の北極振動が卓越し、ユーラシア大陸北部では寒帯前線ジェット気流が明瞭化するとともに、ヨーロッパからシベリア東部にかけての広い範囲で寒気の蓄積が弱まりました。この影響で、日本付近への寒気の流入が弱かったものと考えられます。
・偏西風の蛇行や正の北極振動による影響に加えて、地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向が続いていること、さらに北半球中緯度域で全体的に対流圏の気温が著しく高かったことも、今回の記録的な暖冬の背景にあったと考えられます。

2020年冬の平均的な大気の流れに関する模式図
2020年冬の平均的な大気の流れに関する模式図

問合せ先

地球環境・海洋部気候情報課 中三川・石崎・佐藤
電話:03-3212-8341(内線3166・3158) FAX:03-3211-8406

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