南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-
気象庁では、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況を定期的に評価するため、
南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催しています。
本資料は本日開催した評価検討会、判定会で評価した調査結果を取りまとめたものです。
次回は3月26日を予定しています。
なお、下記調査結果は本日17時00分に「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」として発表しています。
報道発表日
平成30年2月26日
概要
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
本文
最近の南海トラフ周辺の地殻活動
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
1.地震の観測状況
2月19日に豊後水道の深さ約40kmを震源とするM5.0の地震がほぼ同時刻に2回発生しました。最初の地震は北西・南東方向に張力軸を持つ正断層型で、いずれもフィリピン海プレート内で発生した地震です。
主な深部低周波地震(微動)として、2月11日から15日にかけて奈良県を中心とした紀伊半島南部、また、2月21日から愛媛県のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しています。
2.地殻変動の観測状況
2月11日から14日にかけて和歌山県及び三重県、2月21日から愛媛県及び高知県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
3.地殻活動の評価
上記の深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。
問い合わせ先
地震火山部地震予知情報課 担当 鎌谷
電話:03-3212-8341(内線4576) FAX 03-3212-2807
資料全文
- 南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-[PDF形式:6.4MB]
[上記の資料は、気象庁、国土地理院及び産業技術総合研究所の資料から作成。
気象庁資料の作成に当たっては、気象庁のほか防災科学技術研究所、産業技術総合研究所、東京大学、名古屋大学等のデータを使用。]
参考資料
- 第4回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第382回地震防災対策強化地域判定会 気象庁資料[PDF形式:5.6MB]
[上記の気象庁資料の作成に当たっては、気象庁のほか防災科学技術研究所、産業技術総合研究所、東京大学、名古屋大学等のデータを使用。]