平成29年12月以降の低温と大雪の要因について(速報)
~ラニーニャ現象により寒気が日本付近に流れ込みやすくなりました~

報道発表日

平成30年2月15日

概要

 平成29年12月以降、全国的に気温がしばしば低くなり、寒気の流入のピーク時には大雪となった所もありました。 この要因の一つとして、ラニーニャ現象の影響により、インドネシア付近の積雲対流活動が活発化して偏西風(亜熱帯ジェット気流)が蛇行し、日本付近に寒気が流れ込みやすくなっていたことが考えられます。
 今後も、2月末にかけて北日本を中心に寒気が流れ込みやすい見込みです。引き続き、最新の気象情報に留意して下さい。

本文

天候の状況
 平成29年12月以降、強い寒気が断続的に日本付近に流れ込んだため、全国的に気温がしばしば低くなりました。 平成30年1月中旬前半、1月下旬、2月上旬など寒気のピーク時には大雪となった所もあり、最深積雪の記録を更新した地点もありました。

低温と大雪をもたらした寒気の要因
 平成29年12月以降、大気上層で偏西風の蛇行が大きく、日本付近では南に蛇行し、寒気がしばしば日本付近に流れ込みました。 偏西風(亜熱帯ジェット気流)の蛇行には、インドネシア付近の積雲対流活動が平年よりも活発だったことが影響したと考えられます(図)。
 これはラニーニャ現象時に典型的な特徴であり、数値シミュレーションでも確認できたことから、 昨年(平成29年)秋以降続いているとみられるラニーニャ現象が、日本付近への寒気の流入の要因の一つと考えられます。
 今冬の日本付近への寒気の流入の要因について、高緯度の偏西風の蛇行や北極海の海氷の影響等の観点から、 本年3月に予定している異常気象分析検討会にて詳細に分析します。 異常気象分析検討会の日程は、決まり次第お知らせいたします。
平成29年12月以降の平均的な大気の流れに対するラニーニャ現象の影響に関する模式図
平成29年12月以降の平均的な大気の流れに対するラニーニャ現象の影響に関する模式図

今後の見通し
 2月15日発表の1か月予報によると、2月末にかけて北日本を中心に引き続き寒気が流れ込みやすく、北・東日本日本海側では降雪量が平年と比べて多くなる見込みです。引き続き、最新の気象情報に留意して下さい。  

※本資料の作成及び数値シミュレーションの実施にあたり、異常気象分析検討会委員の協力を頂きました。


詳細は下記の「資料全文」をご参照ください。

問い合わせ先

 気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 担当 新保、竹川
 電話03-3212-8341(内線3158、3154) FAX 03- 3211-8406

資料全文


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