2017年(平成29年)の日本の天候(速報)

本資料は、全国154地点の気象台などにおける12月20日までの観測データをもとに、速報としてまとめたものです。12月31日までの観測データによる資料は平成30年1月4日に発表します。

報道発表日

平成29年12月21日

概要

2017年(平成29年)の天候の特徴は以下のとおりです。

  • 梅雨の時期(6~7月)は、「平成29年7月九州北部豪雨」など記録的な大雨となる所があった
    梅雨の時期(6~7月)は、東日本太平洋側や西日本は梅雨前線の影響を受けにくく、降水量が少ない地方が多かったが、梅雨前線の活動が活発となった時期もあり、「平成29年7月九州北部豪雨」など記録的な大雨となった所があった。新潟県や秋田県などでも大雨となった日があり、北陸地方や東北地方では、梅雨の時期(6~7月)の降水量は平年より多かった。
  • 8月に北・東日本太平洋側で不順な天候となった
    8月はオホーツク海高気圧が出現し、北・東日本太平洋側には冷たく湿った空気が流れ込んだため、曇りや雨の日が続く不順な天候となり、日照時間がかなり少なかった。東北北部、東北南部の梅雨明けの時期は、2009年以来8年ぶりに「特定しない」となった。
  • 10月は北~西日本では顕著な多雨・寡照となった
    10月は、秋雨前線や台風の影響を受けやすかったため、北~西日本では月降水量がかなり多く、月間日照時間がかなり少なかった。西日本の月降水量は、太平洋側で平年比334%、日本海側で平年比332%となり、いずれも1946年の統計開始以来10月としては最も多かった。
  • 沖縄・奄美は夏から秋にかけて顕著な高温が持続した
    夏から秋にかけて太平洋高気圧が日本の南海上で平年より強かった。このため沖縄・奄美では、夏は太平洋高気圧に覆われ晴れた日が多く、秋には南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、気温のかなり高い状態が続いた。沖縄・奄美の月平均気温は、8月が平年差+1.4℃、9月が平年差+1.3℃となり、1946年の統計開始以来8月が第1位、9月が2014年と並び第1位タイと2か月続けて記録的な高温となった。

本文

1 概況
 
【冬】
 2016/17年の冬は、寒気の南下が弱く、気温の高い日が多かったため全国的に暖冬となったが、一時的に強い寒気が南下し、西日本日本海側では1月中旬~下旬前半と2月上旬後半~中旬前半に大雪となり、交通障害や農業施設被害が発生した。
 
【春】
 春は、本州付近は高気圧に覆われやすかったため、北~西日本では春の降水量が少なく、春の日照時間が多かった。また日本の北の低気圧に向かって暖かい空気が流れ込みやすく、北~西日本の春の平均気温は高かった。
 
【夏】
 夏は、日本の南海上で太平洋高気圧が強く、沖縄・奄美では晴れて暑い日が続いたため、夏の平均気温がかなり高く、夏の降水量は少なく、夏の日照時間は多かった。また、東・西日本でも夏の平均気温が高かった。梅雨前線は、6月は平年より南の本州の南海上に停滞することが多かったが、7月に入ると一転して平年より北の日本海に停滞することが多かったため、東日本太平洋側や西日本では梅雨前線の影響を受けにくく、梅雨の時期(6~7月)の降水量が少ない地方が多かった。ただし、梅雨前線の活動が活発となる時期があり、「平成29年7月九州北部豪雨」など記録的な大雨となった所があった。新潟県や秋田県などでも大雨となる日があり、北陸地方や東北地方では、梅雨の時期(6~7月)の降水量は多かった。8月に入るとオホーツク海高気圧が出現し、北・東日本太平洋側では冷たく湿った空気が流れ込んだため、曇りや雨の日が多い不順な天候となり、月間日照時間がかなり少なかった。東北北部、東北南部の梅雨明けの時期は、2009年以来8年ぶりに「特定しない」となった。
 
【秋】
 秋は、日本の南海上で太平洋高気圧が強い状態が続いた。この影響で沖縄・奄美では南から暖かい空気が流れ込みやすく、気温のかなり高い状態が続き、秋の平均気温はかなり高かった。一方、北日本では北から寒気が流れ込みやすく、秋の平均気温は低かった。本州付近には秋雨前線が停滞しやすく、台風第18号、第21号、第22号が日本に接近あるいは上陸したため、全国的に秋は多雨となった。特に10月は、北~西日本では月降水量がかなり多く、月間日照時間がかなり少なくなり、西日本では記録的な多雨となった。11月中旬からは日本付近に強い寒気が流れ込み、北~西日本では気温が低く、12月にかけて低温が続いた。日本海側では大雪となった所もあった。


2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
 年平均気温は、沖縄・奄美でかなり高かった。北・東・西日本では平年並だった。
(2)降水量
 年降水量は、北・東日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。一方、西日本日本海側と沖縄・奄美では少なかった。北・東日本太平洋側は平年並だった。
(3)日照時間
 年間日照時間は、東日本太平洋側と西日本日本海側でかなり多く、北日本と東日本日本海側、西日本太平洋側で多かった。沖縄・奄美では平年並だった。
2017年の平均気温・降水量・日照時間の平年差比図速報版

問い合わせ先

(観測値や記録について)
 気象庁観測部計画課情報管理室
 電話 03-3212-8341(内線)4154
(天候の解説について)
 気象庁地球環境・海洋部気候情報課
 電話 03-3212-8341(内線)3154

資料全文

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