海洋酸性化が全球で進行していることが分かりました~世界で初めて全球の海洋酸性化の監視情報について提供を開始~

報道発表日

平成29年11月27日

概要

気象庁観測船の観測データをはじめ、国際的な二酸化炭素に係わる観測データを用いた全球の海洋酸性化の監視情報について、世界で初めて毎年定期的に提供を開始します。今回の解析により、全球では海洋酸性化の指標である水素イオン濃度指数(pH)は、1990年以降、約0.05(10年あたり0.018)低下しており、海洋酸性化が進行していることが分かりました。

本文


 海洋は、大気から地球温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素を吸収してきたことから、海洋酸性化(=水素イオン濃度指数(pH)の低下)が世界規模で進行しています。特に、近年、海洋酸性化に伴いサンゴやプランクトン等の海洋生態系に影響が及ぶことが懸念されています。

 今回、気象庁観測船の観測データをはじめ、国際的な観測データを用いた全球の表面海水におけるpHの解析手法を開発し、その手法を用いて、1990年以降のpHを解析しました。

 その結果、全球で海洋酸性化が進行しており、全球平均のpHは、1990年以降約0.05(10年あたり0.018)低下しています。そのpHの低下速度は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書で報告されている『産業革命以降の約250年間に、pHは全球平均で約0.1低下(10年あたり約0.004低下)した』より速いことが分かりました。

 全球の海洋酸性化の監視情報の毎年定期的な提供は世界で初めてであり、気象庁ホームページ「海洋の健康診断表」を通じて更新します。この情報は、気候モデルの検証や国内外の適応策検討等の基礎資料としての利用が期待されます。

問い合わせ先

気象庁地球環境・海洋部海洋気象課
03-3212-8341(内線5163)

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