夏(6~8月)の天候
報道発表日
平成29年9月1日
概要
2017年(平成29年)夏(6~8月)の天候の特徴は以下のとおりです。
- 気温は、東・西日本で高く、沖縄・奄美でかなり高かった
日本の南海上では太平洋高気圧の西への張り出しが強く、本州付近には西よりの暖かい空気が流れ込みやすかったため、東・西日本で夏の平均気温は高かった。沖縄・奄美では太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多かったため、夏の平均気温はかなり高かった。 - 降水量は、北・東日本日本海側で多く、東日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった
低気圧や前線の影響を受けやすかったため、夏の降水量は東日本日本海側でかなり多く北日本日本海側で多かったが、梅雨前線の影響を受けにくかった東日本太平洋側と西日本日本海側の夏の降水量は少なかった。 - 「平成29年7月九州北部豪雨」が発生するなど、大雨となった所があった
梅雨前線の活動が活発となった時期があり、また湿った気流や上空の寒気などの影響で、全国的に大雨となった所があった。7月5~6日には「平成29年7月九州北部豪雨」が発生した。 - オホーツク海高気圧が出現し、北・東日本太平洋側では不順な天候となった時期があった
北・東日本太平洋側では、6月と7月は梅雨前線の影響を受けにくく月間日照時間が多かったが、8月上旬から中旬を中心にオホーツク海高気圧が出現したため、北・東日本太平洋側の8月の日照時間はかなり少なかった。
本文
1 概況
6月は太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、梅雨前線が日本の南海上に停滞することが多かったが、6月下旬には梅雨前線は本州南岸に停滞した。このため、沖縄・奄美では6月中旬を中心に梅雨前線の影響を受けやすく、本州付近は全般に梅雨前線の影響を受けにくかった。7月になると太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、梅雨前線は日本海に停滞することが多く、北・東日本日本海側では活発な梅雨前線の影響を受けやすかった。その後は梅雨前線は不明瞭となったが、8月の上旬から中旬にはオホーツク海高気圧が出現した。8月下旬は天気は数日の周期で変わったが、日本海で前線の活動が活発だった。
この夏に発生した台風は計14個で、このうち7月には8個の台風が発生した。台風第3号は、7月3~5日にかけて先島諸島から本州付近へ進んだ。台風第5号は、7月28日に小笠原諸島に接近した後、8月4日に奄美地方に接近し、9日には山形県沖で温帯低気圧に変わった(速報値)。
沖縄・奄美では、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、夏の平均気温はかなり高く、降水量は少なく、日照時間は多かった。7月以降は少雨となった所があったが、奄美地方では台風第5号の影響で大雨となった所があった。
本州付近では、7月から8月を中心に西よりの暖かい空気が流れ込みやすく、また高気圧に覆われやすかった時期があり、東・西日本の夏の平均気温は高かった。梅雨前線の活動が活発となった時期があり、また湿った気流や上空の寒気などの影響で、本州付近では各地で大雨となった。梅雨前線に向かって大気下層で暖かく湿った空気が南から流れ込み、また上空に寒気が流入したため、7月5~6日には「平成29年7月九州北部豪雨」が発生した。低気圧や前線の影響を受けやすかったため、夏の降水量は東日本日本海側でかなり多く北日本日本海側で多かったが、梅雨前線の影響を受けにくかった東日本太平洋側と西日本日本海側の夏の降水量は少なかった。
北・東日本太平洋側では、6月と7月は梅雨前線の影響を受けにくく月間日照時間が多かったが、8月上旬から中旬を中心にオホーツク海高気圧による北東からの冷たく湿った気流の影響を受けやすかったため不順な天候となり、北・東日本太平洋側の8月の月間日照時間はかなり少なかった。
2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
沖縄・奄美でかなり高く、東・西日本で高かった。北日本で平年並だった。
(2)降水量
東日本日本海側でかなり多く、北日本日本海側で多かった。一方、東日本太平洋側、西日本日本海側と沖縄・奄美で少なかった。千葉(千葉県)では夏の降水量の少ない方から1位の値を更新した。北・西日本太平洋側では平年並だった。
(3)日照時間
東日本日本海側、西日本と沖縄・奄美で多かった。北日本と東日本太平洋側では平年並だった。
問い合わせ先
(観測値や記録について)
気象庁観測部計画課情報管理室
電話 03-3212-8341(内線)4154
(天候の解説について)
気象庁地球環境・海洋部気候情報課
電話 03-3212-8341(内線)3154
資料全文
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