8月の天候
報道発表日
平成29年9月1日
概要
2017年(平成29年)8月の天候の特徴は以下のとおりです。
- 沖縄・奄美では気温がかなり高く、日照時間がかなり多かった
沖縄・奄美では、太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多かったため、月平均気温はかなり高く、月間日照時間はかなり多かった。沖縄・奄美の月平均気温平年差は+1.4℃で、1946年の統計開始以来の8月として1位の高い記録となった。 - 北・東日本太平洋側ではオホーツク海高気圧の影響で日照時間がかなり少なかった
上旬から中旬にオホーツク海高気圧が出現したため、北・東日本太平洋側では北東から冷たく湿った空気が入りやすく、月間日照時間はかなり少なかった。 - 東日本日本海側では降水量がかなり多かった
東日本日本海側では、気圧の谷や湿った気流の影響を受けやすく、また台風第5号の影響を受けたため、月降水量はかなり多かった。
本文
1 概況
太平洋高気圧は、日本の南海上で平年に比べて西への張り出しが強かった。このため、沖縄・奄美では晴れる日が多く、また太平洋高気圧の縁辺に沿って西よりの暖かい空気が流れ込みやすかったため、月平均気温はかなり高く、月間日照時間はかなり多かった。沖縄・奄美の月平均気温平年差は+1.4℃で、1946年の統計開始以来の8月として1位の高い記録となった。また、沖縄地方を中心に7月から少雨の状態が続いた所があった。西日本でも晴れて気温が高い日が多く、月平均気温は高かった。
上旬から中旬にかけてオホーツク海高気圧が出現したため、北・東日本太平洋側では北東からの冷たく湿った空気が入りやすかった。また、太平洋高気圧の北・東日本への張り出しは平年に比べて弱く、前線や湿った気流の影響を受けやすかった。このため、北・東日本太平洋側では曇りや雨の日が多い不順な天候となって月間日照時間がかなり少なくなり、特に北日本太平洋側では気温の低い日が多かった。北・東・西日本では大気の状態が不安定となる時期があり、各地で大雨となった。25日には秋田県の雄物川が7月に続き再び氾濫した。東日本日本海側では、台風第5号の影響も受けたため、月降水量がかなり多かった。
台風第5号は4日に奄美地方に接近し、7日には和歌山県北部に上陸して9日には山形県沖で温帯低気圧に変わった。発生から消滅までの寿命は18日18時間となり、1951年の統計開始以来3番目の長寿台風となった(速報値)。この台風の影響で、東・西日本や奄美地方では大雨となった所があった。
2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
沖縄・奄美でかなり高く、西日本で高かった。名瀬(鹿児島県)、那覇、石垣島(以上、沖縄県)など9地点で8月の月平均気温の高い方から 1位の値を更新し、延岡(宮崎県)、枕崎(鹿児島県)など5地点で8月の月平均気温の高い方から 1位タイの値を記録した。北・東日本では平年並だった。
(2)降水量
東日本日本海側でかなり多く、西日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美では少なかった。宮古島(沖縄県)では8月の月降水量の少ない方から1位の値を更新した。北日本、東日本太平洋側と西日本日本海側では平年並だった。
(3)日照時間
北・東日本太平洋側でかなり少なく、北・東日本日本海側で少なかった。大船渡(岩手県)、仙台(宮城県)、東京(東京都)では8月の月間日照時間の少ない方からの1位の値を更新した。一方、沖縄・奄美ではかなり多かった。西表島(沖縄県)では8月の月間日照時間の多い方からの1位の値を更新した。西日本では平年並だった。
問い合わせ先
(観測値や記録について)
気象庁観測部計画課情報管理室
電話 03-3212-8341(内線)4154
(天候の解説について)
気象庁地球環境・海洋部気候情報課
電話 03-3212-8341(内線)3154
資料全文
関連資料
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毎月はじめに報道発表資料として公表されている「月の天候」や「季節の天候」を元に、最新のデータを追加した上で、そのような状況をもたらした大気の流れの特徴との関連を加えてまとめたもので、毎月14日頃に更新されます。
- 過去の報道発表資料
毎月はじめに報道発表資料として公表した資料です。最新および詳細な状況については、上記の「日本の天候」を参照してください。