「オゾン層・紫外線の年のまとめ(2016)」の公表
報道発表日
平成29年8月10日
概要
・世界のオゾンの量は2000年以降わずかに回復傾向がみられるが、依然少ない状態 ・国内の紫外線は観測を開始した1990年頃から明瞭な増加傾向
本文
気象庁は、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」で定められたオゾン層の状況等の観測の成果、人体に影響のある紫外線の変化等について、広く国民の皆様に知っていただくために、毎年8月頃に前年までの状況を取りまとめた「オゾン層・紫外線の年のまとめ」を作成して公表しています。
今年の「オゾン層・紫外線の年のまとめ(2016)」の主な内容は次のとおりです。
○世界のオゾンの状況
世界のオゾン全量は、1980年代に大きく減少したが、1990年代後半以降減少傾向が止まった。2016年は2015年に比べて減少したが、2000年以降ではわずかに増加傾向がみられる。しかし、依然として顕著なオゾン破壊が起こる以前の1970年代の水準には達しておらず、少ない状態が続いている。
○国内のオゾンの状況(札幌、つくば、那覇、南鳥島の状況)
国内のオゾン全量は、札幌とつくばで1980年代から1990年代初めまで減少した。また、国内各地点で1990年代半ば以降、緩やかな増加傾向がみられるが、2016年は近年の増加傾向と異なり、4地点全てで大きく減少した。
○南極のオゾンの状況
南極オゾンホールの規模は、1980年代から1990年代半ばにかけて急激に拡大したが、1990年代半ば以降では年々の変動はあるものの長期的な拡大傾向はみられなくなった。しかし、その規模は依然として大きい状態が続いている。
○国内の紫外線の状況(札幌、つくば、那覇の状況)
国内の紫外線は、年々の変動はあるものの、観測を開始した1990年頃から増加傾向が明瞭に現れている。この原因としては、雲量とエーロゾルの減少が考えられる。
詳細は、気象庁ホームページに掲載している「オゾン層・紫外線の年のまとめ(2016)」をご覧下さい。
図を含む全文については、下記の「資料全文」をご参照ください。
問い合わせ先
気象庁 地球環境・海洋部 環境気象管理官付 オゾン層情報センター
03-3212-8341(内線4211)