平成12年10月6日 18:50 |
気 象 庁 |
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三宅島の火山活動に関する本日の火山噴火予知連絡会の検討結果は次のとおりです。 三宅島では、9月に入ってからも山頂からの火山灰の放出が続いていましたが、9月中旬以降は火山灰が少なくなり、白色噴煙を主とした噴出活動になっています。 火山性微動や空振の振幅は小さい状態が続いています。島内の火山性地震の回数は9月に入ってから次第に減少しています。 7月以降、三宅島の収縮が続いてきましたが、9月以降、観測条件は悪いながらも鈍化傾向が見られます。島の中央部の全磁力の変化も8月下旬以降鈍化しています。 火山ガスの放出量は、8月下旬以降次第に増加しており、9月中旬以降は、1日あたり約2~4万トンの二酸化硫黄の放出が観測されています。 9月以降火山灰中の粘土鉱物が減少し、火山灰には塩化物イオン付着量が多くなっています。また、火口の表面温度は9月下旬に最高約180度が観測されました。 以上のような観測結果は、噴火への地下水の寄与が減り、火山ガスを放出しやすいシステムが形成されてきたことを示していると考えられます。 現在のように地下のガス通路が維持され、ガスの放出が続けば、爆発的噴火や火砕流の可能性は低いと考えられます。 三宅島の火山活動のメカニズム解明及び今後の噴火活動の推移を監視するため、火山ガスや噴煙、地殻変動、地震活動等の観測を強化する必要があります。 当面は、現在のような多量の火山ガスを放出する活動が続くと考えられますので、火山ガスに対する警戒が必要です。また、雨による泥流にも注意が必要です。 |
資料1:三宅島火山活動経過図[PDF形式:49KB] 資料2:三宅島雄山南部の全磁力変化(0時-4時平均)(東京大学地震研究所)[PDF形式:32KB] 資料3:火山ガス(二酸化硫黄)放出量(通産省工業技術院地質調査所)[PDF形式:23KB] 資料4:火山灰の水溶性付着成分(東京工大・東大)[PDF形式:18KB] |