三宅島の火山活動および周辺の地震活動について

平成12年7月21日18時30分


三宅島の火山活動および周辺の地震活動について 三宅島の火山活動および周辺の地震活動に関する火山噴火予知連絡会の検討結果は次のとおりです。 なお、新島・神津島周辺では、今後とも、これまでと同程度の規模の地震が発生する可能性があり、地震の発生する場所によっては強い揺れを伴うことが考えられます。また、この地域では、これまでの地震により地盤の緩みが発生していることから、規模の小さな地震や少量の雨でも土砂崩れや崖崩れの発生に注意が必要です。 1 三宅島の火山活動について 三宅島では、7月14〜15日の山頂噴火以降、噴火は確認されていません。8日以降見られている、ゆっくりとした山下がりを続けては急速に反転する地殻変動と、その反転の数時間前から山頂部で地震が多発するという現象は、1日に1〜2回程度繰り返されています。15日以降は、反転現象の規模・頻度はやや低下傾向です。 三宅島は、引き続き収縮傾向にあり、マグマは下がっていると考えられます。しかし、山頂直下の地震活動及び地殻変動が続いており、今後も山頂において水蒸気爆発が発生する可能性があります。 当面、三宅島山頂付近では噴石等に引き続き注意が必要ですが、山麓での噴火の可能性はありません。しかし、火山灰が山麓に降ることがありますので、注意が必要です。また、雨による泥流にも注意が必要です。 2 新島・神津島周辺の地震活動について 三宅島の火山活動に伴う地震活動の西方海域への移動後、三宅島から新島・神津島付近にかけての地域で、マグニチュード6クラスの地震を含む活発な地震活動が続いています。 神津島の東方海域では、その震源は北西−南東方向に帯状に分布し、活発な地震活動が繰り返し発生しています。さらに、神津島の東方海域を中心とするやや広域におよぶ地殻変動が継続しています。これらの地域の地震活動及び地殻変動は、神津島の東方海域の地下での岩脈状のマグマの活動に関連して発生していると考えられます。 また、新島・神津島周辺の地震活動はこのマグマ活動の影響を受けて発生している可能性があります。 このマグマ活動は直ちに火山噴火等の表面活動にはつながらないと考えられますが、今後とも、地震活動及び地殻変動等の観測により、注意深く監視していく必要があります。


資料1は、防災科学技術研究所/気象庁

資料1:三宅島の地震回数(平成12年7月21日12時00分現在)/気象庁

     三宅傾斜変化(平成12年7月8日〜7月21日)/防災科学技術研究所

資料2、3は、防災科学技術研究所資料提供

資料2:三宅傾斜変化 5日間 (7月11日〜15日)

資料3:三宅傾斜変化 5日間 (7月16日〜20日)

資料4は気象庁作成

資料4:震源分布図(2000年7月4日〜7月20日)

資料5〜7は、建設省国土地理院 資料提供

資料5:基線図(基線番号一覧)

資料6:基線長変化グラフ1(三宅島内)

資料7:基線長変化グラフ2(  同上 )

資料8は、東京大学地震研究所 資料提供

資料8:三宅島島内の重力の時間変化

資料9、10は、気象庁作成

資料9:新島・神津島近海及び三宅島近海の地震活動(期間全体)

資料10:新島・神津島近海及び三宅島近海の地震活動(7月15日以降)

資料11〜13は、建設省国土地理院 資料提供

資料11:基線長変化グラフ(南伊豆〜新島間)

資料12:基線長変化グラフ(南伊豆〜神津島間)

資料13:観測された神津島、新島、式根島の移動を説明するための一つのモデル

提供:地質調査所撮影

資料14:三宅島噴火後近影