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長官記者会見要旨(平成29年12月21日)

会見日時等

平成29年12月21日(木) 14時00分~14時09分
於:気象庁会見室


発言要旨

  よろしくお願いします。今年最後の定例会見ですので、この一年を振り返りまして、お話をさせて頂きたいと思います。

  今年も7月の九州北部豪雨、台風第18号や第21号の上陸、10 月の霧島山(新燃岳)の噴火など様々な自然災害が発生した一年であったと感じております。災害により亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

  報道機関の皆さまには、防災気象情報を迅速かつ適切に伝えていただくなど、共に災害の軽減に取り組んでいただいたことに感謝を申し上げます。

  気象災害の軽減の取り組みといたしましては、7月に「大雨警報(浸水害)の危険度分布」、そして「洪水警報の危険度分布」の提供を開始するなど、情報の改善を進めてきました。この「危険度分布」を活用することにより、大雨・洪水警報を発表しました市町村において、災害発生の危険度が高まっている地域を分かりやすく、自らのこととして把握いただけるようになったと考えております。引き続き「危険度分布」をはじめといたしまして、防災気象情報の活用が進むように取り組んでまいりたいと考えております。

  九州北部豪雨の際にもみられましたけれども、線状降水帯による豪雨などの気象予測に力を入れて行く必要があると考えております。7月には「数値予報モデル開発懇談会」を立ち上げて、大学・研究機関との連携強化など、気象防災情報の基盤となります数値予報の精度向上に向けて検討を進めていくこととしました。

  そして、8月には、「地域における気象防災業務のあり方検討会」の報告書が取りまとめられました。「大災害は必ず発生する」との意識を社会全体で共有し、これに備えるという「防災意識社会」への転換に貢献していくために、地域の防災力向上に一層資する気象台となるよう、自治体等と一層連携して取り組んでまいりたいと考えております。

  地球温暖化や地球環境の分野につきましては、今年の3月に、地球温暖化対策に資するよう「地球温暖化予測情報第9巻」を公表いたしました。また、今年は、12年ぶりに黒潮の大蛇行が発生し、6年ぶりにラニーニャ現象が発生しているとみられる状況となっております。今後も継続的な監視を行い、解析結果を適時に公表してまいりたいと考えております。

  南海トラフの巨大地震の発生が危惧されていることを踏まえて、11月からは「南海トラフ地震に関連する情報」の運用を開始しました。南海トラフ地震は、発生すれば極めて甚大な被害が広範囲に及ぶことが想定されております。被害の軽減に寄与するため、この情報の的確な発表に取り組んでまいります。

  また、国土交通省の生産性革命プロジェクトであります「気象ビジネス市場の創出」につきまして、本年3月に立ち上げました「気象ビジネス推進コンソーシアム」を通じて、気象データに関する概要・利活用方法のセミナー、また気象データと他分野のデータとの分析を行うテクノロジー研修、アイデアコンテスト、さらには、日射量予測などのニーズに対応したデータ提供などに取り組むことができたと考えております。

  このように、防災・減災に係る取組や、生産性向上に資する取組を着実に進めることができた一年であったと感じております。

  来年1月からは交通政策審議会気象分科会におきまして、今後10年程度の中長期を展望し、科学技術の進展も見据えた気象業務のあり方を審議いただくこととしております。持続可能な社会に一層貢献してまいりたいと考えております。

  私からは以上です。

主な質疑応答

Q :南海トラフの関連情報、今回、情報がまず先に出る形で11月からのスタートとなりまして、先だって第1回の検討会が開催されましたが、防災対策を内閣府と共同してやっていく中で、気象庁としても観測体制など、今後取り組まなければいけない課題が色々あると思いますが、来年以降どういったところを重視してやっていくかというところを教えてください。
A :南海トラフに関連する情報を11月から開始いたしまして、評価検討会を通じて状況を分析・評価して、それを定時または臨時に発表するという仕組みが整ったところです。他方で、今お話ありましたように、それをどのように防災に活用していくかということも、内閣府等を中心に進められているという状況です。気象庁の課題としては、まず1点は南海トラフ沿いの観測体制が、どちらかといえば東側といいますか、東海地域を中心とするひずみ計を整備しているという状況がございまして、南海トラフの西側、あるいは海域の状況をどのように把握していくかというのが課題になっていると考えております。このため、もちろん現状におきましても、DONET等、防災科学技術研究所や海洋研究開発機構等が整備した機器のデータを活用するというようなことを実際に行っている状況ですが、全体を監視していくにあたって、既にある観測体制も参考にしながら、どういったモニタリング体制としていくのが適切であるかということについては、平成30年度に調査を進めてまいりたいと考えております。
  それから、南海トラフの異常を検知するというモニタリング体制を踏まえて、防災に効果的に利用されるように、どのような分析をさらに進めていけばいいか、あるいはどういった情報の内容としていけばいいのかということにつきましては、まだまだ走りながら検討している状況ですので、そのあたりも着実に深めていきたいと考えております。


(以上)

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