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長官記者会見要旨(平成29年4月21日)

会見日時等

平成29年4月21日(金) 14時00分~14時17分
於:気象庁会見室


発言要旨

  新年度になりました。平成29年度もどうぞよろしくお願いいたします。

  まず私の方からは2点お話をいたします。

  まず第1点でございます。熊本地震から1年ということであります。熊本地震では災害関連死をはじめといたしまして200名以上の方が亡くなられている状況であり、多くの家屋が倒壊するなど大きな災害となっております。改めて犠牲になられた方々のご冥福、被災された方々の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

  熊本地震の発生から1年が経過いたしましたが、一連の地震活動は、全体として減衰しつつもなお継続しております。すでに4月の上旬に公表しておりますけれども、3月には震度1以上を観測した地震は25回ということでございまして、現状程度の地震活動は当分続くものと見込まれます。また、九州地方におきましては、過去、マグニチュード6.0程度以上の地震が発生した後、数年のうちに同規模程度の地震が発生したという事例がございます。こういったことにも留意をお願いしたいと思います。引き続き、活断層等における地震活動監視の高度化、陸域における地震に関する普及啓発等に積極的に取り組みまして、国民の皆様の安全・安心の確保に繋がるよう努めて参りたいと思います。

  次に、本日報道発表いたしました「地域における気象防災業務のあり方検討会」についてです。昨年の台風第10号、あるいは一昨年の「平成27年9月関東・東北豪雨」など、近年、雨の降り方が局地化・集中化・激甚化しており、大雨による被害が相次いでおります。このような状況も踏まえまして、政府といたしましては、「避難勧告等に関するガイドライン」を本年1月に改定しております。また、国土交通省におきましては、「大災害は必ず発生する」との意識を社会全体で共有し、これに備える「防災意識社会」への転換を図ることとしております。いずれにおきましても、地域の気象防災を推進するためには、地元の気象台の役割がますます重要であると認識しております。そこで、地域の防災に一層資する気象台の取組の方向性等につきまして検討するために、「地域における気象防災業務のあり方検討会」を開催することといたしました。座長には東京大学の田中淳教授にあたっていただきまして、来週26日に第1回の検討会を開催する予定としています。今後、気象台においては、これまで以上に地域の目線に立った取組が重要になると認識しておりまして、この検討会の議論を踏まえまして、地域における気象防災業務を一層強化・進化させていきたいというように考えております。

主な質疑応答

Q : 冒頭にもありましたけども、熊本地震から1年、また新年度ということでもあります。今回この発表いただいたあり方検討会も一つ関わってくるのかなと思うのですが、そのあたりを踏まえて、今年度どのようなところに重点を置いてやられていくか教えていただけますでしょうか。
A : まず、気象庁の業務はもう皆さんよくご案内のとおり、防災分野を非常に重要なものと位置づけて対応してきております。まずは防災の情報をしっかりと提供していくということが重要でありますので、そのための観測・監視を含めまして、気象分野では新たなステージに対応した防災気象情報の提供というのを、この出水期から行うこととして準備を進めております。具体的なこと、実施時期等が決まりましたら、また改めてご紹介することになると思いますけれども、気象分野におきましてはこの新たなステージに対応した防災情報をしっかりと提供していくことが非常に重要だと思っております。
  また、情報の提供という意味では、本年、火山に関して監視・情報のためのシステムの更新を8月に予定しております。こういったシステムの更新を踏まえまして、機能をさらに向上させることで、火山についてもしっかりと情報を提供していくということがあります。気象と火山について例を挙げましたけども、それぞれ特に防災を支援する情報という意味で、情報の高度化・改善を着実に進めていくという取組を本年もしていきたいと思います。
  加えまして、いま検討会を新たに立ち上げるという話をいたしました。やはり私達の出す情報が、自治体の皆様、あるいは住民の皆様にしっかりと利用されていく、活用されて安全の確保等をしていただくということが非常に重要でありますので、気象台がどのような取組をすれば、地域の防災力の向上に、一層私達が役割を果たしていくことができるかという観点で議論を深めて、ご提案等をいただく中で、さらに機能強化等を考えていく必要があるというように思っています。
  それから、これも今まで何度かこの会見でもご紹介いたしました、私どもの持っている様々な情報は産業分野において大いに利用され得るポテンシャルを持っていると思いますので、様々な産業分野において、私どもの気象情報が活用されるよう、より生産性の高い社会活動が行われるような工夫、先般立ち上げました「気象ビジネス推進コンソーシアム」の事務局としての役割、それから私どもが提供する気象情報の充実等を通じましてしっかりと支援をしていきたい、このように思っております。

Q : このあり方検討会なんですけども、これから検討が始まるので、なかなか具体的なことはいえないかもしれないですが、もう少しイメージできやすいとありがたいんですが、情報の発信だけではなくて、双方向のものを目指すのか、住民により近くと、どういったものを目指した検討会なのでしょうか。
A : 検討会では、気象台から出す情報をどう変えていくかというよりは、例えば私どもが気象関係の警報等を出した時に、自治体、あるいは住民の皆様がより的確に、それを理解し、活用していただくということが極めて重要でありますので、そういった私どもが提供する情報を理解し、あるいは日頃からのリスクを理解し、いざというときにしっかりと利用して対応していただくという関係をもう一歩深めていくことができないかという視点があるというように思っております。最近ですと火山についての防災協議会、水害に対する地域の防災協議会というのが立ち上げられております。県等の関係者が、気象台を含む関係者が、一体となってその地域の防災を強化していく、支えていく、そういった取組に私どもがどういった役割を担うことができるのか、そういうようなことも検討してご提言いただければと思っております。さらに、それらの背景・基盤となります、自治体の方、あるいは気象台そのものの職員、そういった人材といいますか、能力の向上をどう進めればよいかといったことも検討・議論の観点となるかなと思っております。具体的にはもちろん会議を開いて委員の皆様からご提言・ご助言等いただきながら、私どもが地域の防災力をあげるために、よい働きができるようにしていきたいと、こういうように思っております。


Q : 火山に関して、監視システム更新を8月に予定していらっしゃると仰っていたんですが、少し具体的に教えていただけますか。
A : 火山のデータ、火山ごとに地震計とか、傾斜計とか、空震計とか、カメラとかいろんなものを私どもがそれぞれ整備をしてきているものを、4つございますセンター、北海道、それからこの東京が関東・甲信を見ている、それから仙台が東北地方を、福岡が鹿児島と一体となって九州地方を見ていると、そういうセンターにそういったデータを集めて処理をするわけでございますけれども、その集中処理の結果をよりよくスピーディーにということもありますし、それまでに得られた火山ごとの知見・噴火に対してシナリオともよく突き合わせながら、よりよい評価活動ができるようにするためのシステムでありますので、まずこの8月に動き始めて、使い込んで深化させていくということが必要だと思っております。
  そういう火山のデータの解析評価能力を上げるためのインフラとしてのシステムの更新・強化をこの8月にしていくということでございます。もう少しあるかもしれませんが、担当に聞いていただければと思います。


Q : 冒頭で熊本地震から1年というお話がありましたけれども、震度7が2回続く地震ということでとても大変復興に関して苦労されてると思うんですけれども、気象庁の取組としてこの1年、熊本地震を受けて取り組んできたこと、色々あると思うんですけれども、それについて所感を一言いただければなと思います。
A : まず、熊本地震でございますけれども、改めて、震度7の地震が2回起こるなど非常に甚大な災害でありましたので、被災された皆さまにお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられたみなさまに対して、ご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
  この地震につきましては、4月の14日にマグニチュード6.5の地震が起こり、28時間後ですか、4月の16日にマグニチュード7.3の地震が発生して、その発生に伴って、活動域も急速に拡大をしたという、こういう経過をたどったわけでございます。
  それまで、私ども内陸でマグニチュード6.5以上の地震が起こった場合に、続発してそれよりもさらに大きな地震が起こるということを経験してなかったというようなこともございます。それについては、地震活動、地震の起こり方、よく真摯に活動を見るということが非常に重要でありますので、政府の地震調査委員会における検討も踏まえまして、やはりその地域で地震が起こったときに、過去の事例がどうだったのか、あるいは今後の見通しとしてはどうなのかということを、より防災的な観点で地域の住民のみなさんに呼びかけていくという、そういうその呼びかけ方、一週間程度は、同程度は注意してほしいとか、この地域では、先程申し上げましたけれども、同程度の地震が起こり得るとか、数年の間でも発生しているとか、そういう事例をよく引きながら、地震について留意をしていただくということをまずやり始めたということでございます。
  それから、活断層、今回はマグニチュード6.5の地震は日奈久断層ですか、それからマグニチュード7.3の地震が布田川断層で発生したわけでございますけれども、活断層の周辺域で地震が発生した場合に、そこに現に活断層がある、ポテンシャルがそれなりにあるというようなことをよく理解していただく必要がある。それは、日頃からそういうことをしっかりとお伝えしていくということを先程申し上げましたけれどもありますし、地震が発生した際には、そこに活断層があるということについてもしっかりと呼びかけていくということを工夫としてすることとしたわけでございます。
  それから、やはり地震活動が非常に活発になりますと、リアルタイムでどこで地震が起こっていて、どのように地域が拡大しているかといったことを的確に迅速に捉えて、その実況をお知らせしていくということも、これまた重要なことでありますので、そういったための解析をする手法や解析のためのシステム等を導入いたしまして、リアルタイムで地震活動の変化をお知らせしていくということに取り組んできましたので、今年度はそういったシステムもしっかりと整備して、よりよい、よりリアルタイムな活動の推移をお伝えするようなことにも取り組んで参りたいというように思います。

(以上)

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