キーワードを入力し検索ボタンを押下ください。

長官記者会見要旨(平成29年3月16日)

会見日時等

平成29年3月16日(木) 14時00分~14時14分
於:気象庁会見室


発言要旨

 まず、私から何点かお話させて頂きます。

 今月の11日で丸6年を迎えました東日本大震災、津波、地震により多くの方が亡くなられ、犠牲になられました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。
 この東日本大震災を引き起こしました東北地方太平洋沖地震の余震活動につきましては、時間の経過とともに減衰をしてきておりますけれども、例えば、最近一年間のマグニチュード4.0以上の地震の回数、先日8日に公表いたしましたように、東日本大震災の発生する前と比較しまして、なお2倍以上の地震が発生しております。特に沿岸部を中心に依然として活発な状況にあり、今後も長期にわたって余震域やその周辺で、規模の大きな地震が発生する可能性がありますので、引き続き注意が必要だと考えております。気象庁といたしましても、しっかりと監視をいたしまして、的確な情報発表に努めて参ります。

 次に、静止気象衛星「ひまわり9号」でございます。先週の10日にこのひまわり9号は待機衛星としての運用を開始いたしました。平成41年度まで「ひまわり8号」との2機体制で、安定かつ持続的な気象衛星観測を確保できるようになったということでございます。
 「ひまわり8号」の観測データの成果につきましては、台風の進路予報や豪雨等の監視・予測の改善、海面水温の高精度化などに既に利用されてきておりますし、本日は、ホームページにおきまして衛星画像の更新をこれまでの30分ごとから実際の観測間隔であります10分ごとに変更いたしました。
 今後さらに、防災や地球環境等の分野における利用やそのための技術開発など、関係者ともよく連携、協力しまして、幅広い「ひまわりデータ」の利活用を進めて参りたい。というように考えております。

 次に、地球温暖化予測情報についてでございます。気象庁では、将来の気候変化に関する最新の予測結果をまとめました「地球温暖化予測情報」を、平成8年度から数年ごとに作成して、発表してきております。今月末には第9巻を発表する予定としております。
 我が国の今世紀末を予測対象としました今回の第9巻の内容の詳細につきましては、公開時にお知らせをいたしたいと思いますけれども、昨今の状況を見てみますと、世界の平均気温はこのところ3年連続で、我が国の平均気温も昨年、それぞれ観測史上最高を更新するなど、地球温暖化の影響は顕在化しつつあります。国や地方公共団体が行います地球温暖化の適応への検討につきまして、この予測情報が活用されるよう、私どもとしても取り組んで参りたいと考えております。

 次に、「気象ビジネスフォーラム」等の開催でございます。先月の会見でもお知らせいたしましたように「気象ビジネス推進コンソーシアム」が、今月の7日の設立総会で、団体、有識者等を合わせまして207の会員によりまして、正式に発足いたしました。会長には、東京大学の越塚登(こしづかのぼる)教授が就任されております。
 この設立総会の後には、このコンソーシアムが主催いたします「第1回気象ビジネスフォーラム」を開催いたしまして、およそ400名の皆様が参加いたしました。越塚会長の基調講演に加えましてパネリストからパネルディスカッションがそれぞれ行われて、気象ビジネスの今後の発展に向けまして、貴重な意見交換・情報共有の場となったと考えております。また、これに併せまして、気象やIoT、製造等に携わる企業、大学の皆様、28社でございますが、ご出展いただいて、展示会も盛況に開催をいたしました。関係者同士の交流が行われていたという状況でございます。
 このコンソーシアムの事務局としまして、気象庁としては、その活動を支えて参りたいと思いますし、気象庁そのものの活動といたしましては、このコンソーシアムの皆様と、よく対話、連携を通じまして、利用者目線で気象データの提供や利用環境の整備に取り組んで参りたいというように考えております。

 次に新たなステージに対応した防災気象情報につきましてお話をします。雨の降り方が局地化・集中化・激甚化するなどを「新たなステージ」と捉えて、防災気象情報の改善に取り組んできているところです。
 今年の出水期からは、その関連で、「危険度を色分けした時系列」それから「警報級の可能性」の情報提供が本運用となる予定です。その効果的な利用方法や表示例を解説するページを、本日この後でございますけれども、気象庁ホームページにて公開をいたします。これに加えまして、大雨による浸水害や洪水害の発生危険度の高まりを面的に把握できるよう「大雨警報(浸水害)の危険度分布」さらには、「洪水警報の危険度分布」につきましても、提供開始に向けて今、準備を進めているところであります。これらの情報の適切な利用に向けまして、今後、周知・広報をしっかりと進めて参る所存ですので、報道関係者の皆様におかれましても、是非ご協力をお願いしたいと思います。

 最後でございます。3月23日は、1950年(昭和25年)のこの日に世界気象機関(WMO)条約が発効した日でございまして、世界気象機関が毎年この日を世界気象デーと定めまして、気象業務への理解促進に努めているところでございます。
 既に報道でも発表しておりますけれども、今年の世界気象デーのキャンペーンテーマは「雲を理解する」でございます。雲というのは、日々の天気に変化をもたらす私たちの日常生活に非常に深い関わりの深い存在でありますし、またこの雲の生成・発達などのプロセスはまだ分かっていないこともございますし、気候変動等への影響もございます。こういったこともありまして、気象庁としましては、この「雲」を通じまして多くの皆様に気象に興味・関心を持っていただくように進めて参りますとともに、「雲」の理解と技術開発を進めて、防災や気候変動の対策等に貢献して参りたいというように考えております。

 私からは、以上です。


主な質疑応答

Q 今月10日に発表された「防災気象情報の利活用状況等に関する調査結果について」ですが、一般の方・自治体ともに望む声として、平時から気象台による今後の気象の見通しの解説を望む声が多かったとのことですが、それを受けて気象庁として、どのように改善していくのか、対応されていくのか、というところを教えていただけますか。
A 今ありました、防災気象情報の利活用状況等に関する調査は、何年かに一度、こういう形で調査をさせていただいておりまして、今回はその結果を今月10日に発表いたしました。その中で、今ご指摘がありましたように、平時から望むこととして、今後の気象の見通しに関する解説という声が多かったということでございます。今回の調査、一般の方、それから自治体の方、両方に調査をしているわけでございますけれども、今後の気象の見通しについて、一般の方からの要望は38%、自治体からの要望につきましても69%近くの方が要望されているということでございます。地域防災力強化のために、平時から気象台に何を要望されますか、と自治体に確認しましたら、まさにその一番の要望が7割弱、このことがあったわけでございまして、この要望のとおり、警報等の防災情報を発表する時だけではなくて、日頃から、気象の解説等を通じて、気象や気象情報への理解を図っていくことは重要と思っております。これまでも、例えば毎日の天気予報を発表しておりますけれども、その中で、今後の気象の見通しを天気概況において関連して解説をしておりますし、自治体の方等へ防災気象情報を伝達するために用いている防災情報提供システムがございますけれども、その中で、予報官コメントということで、平時からも、解説を含めているという現状もございます。
 さらには、こういった気象情報、気象の状況をお伝えして、解説をしていくという観点で、今年度、平成28年度のモデル事業としましては、気象予報士を市町村に派遣するモデル事業として実際に平時、それから大雨時等について解説をしていく、見通しを述べていく、伝えていくという取組を、これまでやってきているところであります。とは言え、今回さらにそういう要望があるということでございますので、例えば予報官コメントを一層充実する、具体的には、もちろん大雨等が予想される場合に自治体等に対して、しっかりと的確に危機感を伝えるという工夫・改善もありますし、平時から、丁寧にあるいは効果的に伝えていく、そういう取組を今後ともしっかりと続けて深化させていきたいと、このように思っています。

Q 昨日、2014年の御嶽山噴火災害の遺族が国と県を相手取って起こした訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。噴火警戒レベルを事前に引き上げなかった判断の責任を問うたものですが、昨日の時点では国側としては請求の棄却を求めるという答弁書は提出されたのですが、具体的な反論については今後だと思うのですが、現時点で、認否や反論について考えていることはありますでしょうか。
A この御嶽山の災害でありますけれども、噴火により亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の方にお悔やみを申し上げ、被災された方に対してお見舞いを申し上げたいと改めて思います。今質問のありました件につきましては、まさに係争中の事案でありますので、具体的なコメントについては差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしましても、関係部署とよく協議してこの件については真摯に対応して参りたいと思います。

Q 先月の記者会見でも出たんですけども、今まで、当時の対応の説明としては、当時のデータとか過去の噴火経験に照らしても、レベルの引き上げというのは難しかったというご説明をされてきたんですけど、そのあたりに変化はないんですかね。
A そのあたりも含めて、まさに公判が始まっておりますので、全てについてコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。


(以上)

このページのトップへ