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長官記者会見要旨(平成28年11月17日)

会見日時等

平成28年11月17日(木) 14時00分~14時25分
於:気象庁会見室


発言要旨

 それでは定例会見ということで、私から何点かお話させていただきます。
 最初に、「ひまわり9号」に関しまして、お話しいたします。
 静止気象衛星「ひまわり9号」でございますけれども、ご案内のように、11月2日に種子島宇宙センターからH-ⅡAロケット31号機により打ち上げられました。11日には所定の静止軌道に投入されたことを確認しております。関係者のみなさまのご努力に改めて御礼を申し上げたいと思います。
 このひまわり9号でございますけれども、今後軌道上での機能確認試験を経まして、明年3月からはひまわり8号の待機衛星といたしまして、平成34年から41年までの間は運用衛星として観測を行う予定・計画としております。2機体制によりまして一層安定かつ持続的な気象衛星観測を確保できるものと考えております。
 ひまわり8号・9号の2機体制による宇宙からの気象観測は、我が国及びアジア太平洋地域の自然災害による被害の軽減・地球環境の監視に大いに役立つものでございますので、引き続き関係機関ともよく連携をいたしまして、この高い観測能力を十分に活用していきたいと、このように考えております。

 次に、二点目でございますけれども、竜巻注意情報の改善についてお話しをいたします。
 既に、今月4日に報道発表させていただきましたように、来月12月15日(木)から、竜巻注意情報の発表区域を現在の県単位から天気予報で発表する、私どもが一次細分と呼んでいる区域に細分化して発表することとしております。
 振り返りますと10年前の平成18年11月7日に、北海道の佐呂間町で竜巻が発生いたしました。9名の方がお亡くなりになっております。また、それに先立ち、同年9月には宮崎県延岡市でも竜巻が発生し、大きな被害となりました。これらを踏まえまして、竜巻注意情報は、平成20年3月に発表を開始したところでございます。その後、私どもは、突風等の災害があった場合には現地調査に赴き、データの収集をしてまいりました。また、着実にこの突風・竜巻の技術開発も進めてまいりました。さらに、国土交通省の高性能レーダ雨量計ネットワーク、通称XRAINでございますけれども、これによる観測データの一部を新たに活用するという、こういうことで、今般、竜巻注意情報の精度も大幅に向上させることが出来ると考えております。
 来月15日からは、竜巻注意情報をより早く、より精度良く、地域を絞り込んで発表できるようになりますので、引き続き的確な利用の確保の呼びかけと共に、皆さまの安全確保に一層役立てていただけるものと期待をしているところでございます。

 次に、本日報道発表を行います常時観測火山の追加でございます。
 平成26年9月の御嶽山の噴火がございまして、これを受けて、火山噴火予知連絡会の検討会におきまして、近年、火山活動の高まりが認められる八甲田山、十和田、弥陀ヶ原の3火山を常時観測火山にするよう提言を受けておりました。
 それを受けて、これら3火山に地震計、傾斜計、空振計、遠望カメラやGNSSなど各種火山観測装置の整備を進めてまいりましたけれども、今般、この観測装置の整備が完了いたしましたので、12月1日より、これら3火山、八甲田山、十和田、弥陀ヶ原の3火山について、常時観測火山に追加することといたします。これにより、当庁が日本における常時観測を行う火山は50火山となります。
 その他の常時観測火山で進めております観測装置の整備につきましても、概ね年内に全て完了する予定でございまして、今後とも、この新たな3火山を含めまして、火山活動の観測・監視をしっかりと行い、正確かつ迅速な情報提供に努めて参りたいと、このように考えております。

 ここで、シンポジウムを2件、開催することについてご紹介させていただきたいと思います。
 11月24日に、緊急地震速報の防災シンポジウムを東京都千代田区で開催をいたします。今回のシンポジウムは、大地震、特に首都直下地震から大切な命を守るために、商業施設の安全・安心をテーマに行うこととしております。
 また、もう一つのシンポジウムでございますけれども、これは12月5日には、気象庁やメディアが発信する防災気象情報の活用を考えるシンポジウムを開催いたします。『メディアとあゆむ気象情報 いま、そして、これから・・・ ~命を守る情報を手元に~』というテーマでございまして、同じく東京都千代田区で開催いたします。
 これらのシンポジウム、広く一般の皆様による防災への意識を高めるきっかけになることを期待しています。

 最後に、雪に関する留意事項についてお話いたします。
 北海道など北日本では既に雪の降っている地域、あるいは積雪となっている地域もございますように、これから本格的な雪のシーズンを迎えます。
 毎年、雪・風雪による交通障害をはじめといたしまして、冬山での遭難などが発生いたします。また、雪下ろし・除雪等における事故も多く発生する状況がございます。今般、先日発表いたしましたように、関東地方や東海地方では交通障害への対応などを考慮いたしまして大雪警報・注意報の基準を見直し、より早いタイミングで発表できるように改善を進めておりますように、気象庁といたしましては、しっかりと発表してまいりたいと思っておりますので、各気象台が発表する大雪や暴風雪の警報等も十分活用いただきまして、雪・風雪への万全の対策・対応をとっていただきたいというように考えております。報道関係の皆様にも引き続き雪に関する情報の周知・解説へのご協力をよろしくお願いいたします。

 私からは、以上でございます。

主な質疑応答

Q ひまわり9号の件で改めて伺いますが、H-ⅡAロケットは、ここへ来て成功率の高いロケットではあったのですが、打ち上げの成功や静止化という所で事なきを得たというところで、心境というものを改めて伺いたいです。後は、バックアップが整ったということで、切れ目のない観測体制に1歩近づいたということかと思いますけれども、そういった防災の面で国民の皆さんに何か訴えたいことがありましたらお願いします。
A ひまわり8号、9号の2機体制というのは、平成21年度から予算を取って調達をはじめ、平成41年までという長きに渡って運用する大プロジェクトと言っていいかと思います。この体制では、衛星を製作し、ロケットで打ち上げ、それをPFIを活用して地上の運用、そしてそれらの世界最先端のひまわりをまず世界で日本が最初に上げ、データを活用していくという非常に重要なプロジェクトでございます。このプロジェクトを行うにあたっては、気象庁の中はもちろんのこと、国全体のご理解をいただきながら、進めてくることができたわけでございまして、今回、まだ試験確認がございますけれども、ひまわり8号の運用に続き、ひまわり9号の静止軌道まで無事投入できるということにつきましては、大変安堵している部分と、やはり、関係者の皆様に対して本当にありがたい、何とかこの立派なプロジェクトを、国民の皆様の防災、あるいは地球環境という観点で、大いに活用いただいて、気象庁のみならず、関係機関とよく連携をして、最大限使っていくということが非常に大事だと思っております。世界最先端の衛星を日本が最初に上げたということがございますから、そういう観点で、世界の気象衛星の関係者と連携していくこともございますし、このひまわりのカバーするアジア・太平洋地域の、途上国も含めまして、このひまわりのデータが十全に利用されて、各国の防災にも役立つと、こういうことも併せてしっかりとやっていかなければならない、というように思っております。地球環境に関係する部分でも様々なデータが利用できますので、このあたりはオールジャパンで、大学の皆様、研究者の皆様ともよく連携をしながら、このいいデータを使い尽くしていくという努力を改めてしていくことを決意し直しているところでございます。

Q 常時観測火山の開始が、検討会で正式に提言を受けたのが去年の3月だったと思うのですが、そこから1年半なんですが、これは機材のセッティングみたいなものに時間がかかったということでしょうか。
A 概ね計画に沿ってということでございます。手続きといいますか、提言を受けて予算要求を行い、その予算を踏まえて施設を整備するというようなことですので、概ねこういうタイミングであろうと思っております。その間、今回特に十和田、八甲田山、弥陀ヶ原というどちらかというと雪の多い地域であるということがございました。ということで、実際に整備をするとなりますと、この夏の期間を利用するということに限られているということでございます。それから常時観測用の施設を整備するために100メートルほどのボーリングをするというようなことがございますので、一生懸命整備を進めてきて、今、全てのデータが揃って、データを確認中でありますので、これを踏まえるのであれば、このタイミングで精一杯やってきたんだろうというように思っております。
 
Q 火山関連ですが、6月の長官会見でおっしゃられた微動や地震の回数のデータの公表を、年内、残り1か月となるわけですが、これについて、現状の進捗の方はどうでしょうか。
A あらためて今までの検討経過ですが、御嶽山の噴火を踏まえて、噴火予知連絡会の検討会の提言の中で火山の観測データを、レベル上げ等で気象庁が発表する以外に観測データを分かりやすく公開していくことについて提言を受けたわけでございます。これを踏まえた準備を進めてきており、できるだけ分かりやすく提供する必要もあるということで、当初は来年の8月に新たに導入し運用を開始する火山のシステムがございますので、それに合わせてということも考えていたのですが、やはりそれでは遅いのではないか、ということで、今年中に可能な範囲で常時観測火山については提供するように準備を進めていこうと申し上げたのが今年6月の定例会見のときであったのではないかと思います。その後準備を進めており、先月、阿蘇山の噴火がございましたので、阿蘇山については、とにかく早く提供しようということで10月下旬には阿蘇山のデータについては、地震回数あるいは微動回数、噴煙など、これまでの履歴が分かるようなものを含め、既存のものを活用して公表させていただいたという経緯でございます。あと年内にはなんとか常時観測火山については先月阿蘇山について提供したのと同程度の内容について提供を開始したいということで準備を進めておりますので、また公表・公開が近付きましたらお知らせしたいと思っております。
 
Q 常時観測火山が3つ増えますが、それも合わせてということですか。
A はい、そうですね。今度12月1日から行う3つも含めて常時観測火山を対象として公開していきたいと思っております。
 
Q つまり50ということでしょうか。
A 50になるか、一部どうしても無理なところもあるかもしれませんので、そのあたりは事前に調整しながら進めてまいりたいと思っています。基本は、常時観測火山50を全て対象として公開していきたいと考えています。
 
Q あと、阿蘇山と同程度とおっしゃられましたが、そうするとリアルタイムではない、ということでしょうか。
A リアルタイムで生のデータを提供するのが良いのか悪いのかという議論はもちろんあると思いますが、リアルタイムで提供するとなると相当システムに負荷をかけて公開をする必要があるので、新しいシステム、コンピュータ資源等が必要になりますので、これはまた次の機会を狙って公開をしていきたいと思っています。当面は1日1回程度の更新で始めさせていただければと思っています。
 
Q 今回、常時観測火山が追加されて、観測データの量が増えていていますし、専門家からの提言では、それに基づく警報発表や情報発表できる火山センターの人材の高度化・育成も求められていたかと思います。それについての進捗状況はいかがでしょうか。
A 私どもが監視を行って、その結果を分析・評価して、すばやく的確に警報を出し、レベルの上げ下げをしたり、あるいはレベルの上げ下げにいたらなくても、的確に火山解説情報等を臨時に提供すると、こういう運用を目指しなさいということを概ね提言では言われています。人材を育成するために気象庁といたしましては、必要となる定員を今年度大幅にいただいておりまして、4月、そして10月に増員で配置をさせていただいているのがひとつです。前にも言いましたけれども、参与という仕組みを設けて、各地域5名ですけれども、大学の先生あるいはOBや有識者の方に入っていただいて、日々の観測データを見る見方、あるいはレベルを上げる上げないという基準を今検討・再評価しているんですけど、そういった個々の火山に対して、参与とともに各センターが議論している状況でございます。こういう中でノウハウを蓄積しているところです。それから本年7月に4つの火山監視・警報センターに、気象研究所の火山研究部の分室を置き、各1名ずついわゆる研究官を配置して、研究官と一緒になって日々のデータを見ていくということでございまして、より高度な視点で火山データを見るということを各センターの職員に日々の現業の業務の中で蓄積をしていくという、そういう取組、合わせて研究官は現場のデータを見ながら、新たな課題を探して研究を進めていくという相乗効果を狙ってすすめている状況です。なかなか見た目ですぐに力がつくという話ではありませんが、そういう地道な取組を進めております。また、研修につきましても、もちろん火山の人が増えるといっても、高度な専門家が日本全体にあるいは気象庁の中にたくさんいるわけではありませんので、火山を初めて担当する、あるいはこれまで深く担当してきたことがなかった職員に対する研修というものが必要になりますので、各センターで行う研修、気象庁本庁で行う研修、気象大学校で行う研修といった研修を設けて、火山学の基礎から、現場のデータの見方、あるいは情報の出し方、防災への影響、地元への対応といったようなことを総合的に研修を進めていく、こういうことを地道に、毎月毎月進捗や効果を確認しながら進めているというのが現状であります。人を育てるという話でございますので、すぐに成果がでないんじゃないかという指摘もありますが。文部科学省が進める大学の研究者の育成とも連携をとりながら、オールジャパンで取り組んでいかなければならないということもありますので、先ほど申しました気象庁の中と大学関係者との連携も含めて、地道ではありますけど着実にやっており、皆さんのご意見を聞きながら積極的に取り組んでいきたいと思いますので、引き続きご理解をいただければと思います。
 
Q 庁内では確実に上げてっているということですが、関連して、御嶽の噴火の前には、地元の市町村との連携という指摘がありましたが、これについてはいかがですか。
A これについては、火山のある地方気象台に、火山防災官を全て配置しました。それから、火山防災調整係という係も置きました。従いまして、火山を担当する専門の職員を、それぞれの火山のある地方気象台に配置いたしましたので、そういった職員が地元の窓口となって地元との連携を良くしていく。その中で火山防災協議会と非常に良く連携を取りながら、あるいは先ほど申しました参与をはじめとする大学の研究者、地元の研究者とも連携を取りながら、それら地域を管轄する4つのセンターが支援をしながらやっていく、こういう体制でやっております。地元との連携というのは地元の熱意に依存するところももちろんございますけれども、全体的に高い熱意がありますから、それに応えるべく、しっかりこれもやっていきたいと思います。
 


(以上)

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