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長官記者会見要旨(平成28年4月1日)

会見日時等

平成28年4月1日(金) 15時30分~15時45分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日付で気象庁長官に就任いたしました橋田俊彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。この機会に一言述べさせていただきたいと思います。

 まず、気象庁の任務は、皆様ご案内のとおり、災害の予防、交通安全の確保、産業の興隆等に寄与するために、気象、地震・火山、さらには気候変動といった分野について観測をし、また予報を出すといった気象業務を健全に発達させることです。気象庁のこの任務を果たすために、決意を新たにして私ども職員一同が、一丸となって取り組んでまいりたいと思いますので、改めてよろしくお願いいたします。

 まず、報道機関の皆様に感謝の話をいたします。ただいま申し上げましたが、気象庁が任務を達成するためには、気象庁が観測データを公開し、あるいは防災等の様々な目的のために各種の情報を提供しております。報道機関の皆様には、それらの情報を国民の皆様にあまねく迅速に且つ適切にお伝えいただいて、また、その情報を国民の皆様が的確に活用できるよう分かりやすく解説していただいているということでございます。大変大きな役割を果たしていただいておりますことに、御礼申し上げたいと思います。また、災害の軽減等の目的を共に進めていくという観点でも、引き続き、共に協力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、今後の取組についてお話をさせていただきたいと思います。
 西出・前長官は2年間の在任期間でございましたが、前長官のリーダーシップによりまして、気象業務の充実・強化の方向性が示されております。したがいまして、西出・前長官が示された方向性に沿った施策を着実に前進・深化させていくことが、まず重要なことだと思っております。
 具体例をあげますと、気象・気候の分野につきましては、昨年7月に交通政策審議会気象分科会から提言いただいた「『新たなステージ』に対応した防災気象情報と観測・予測技術のあり方」に沿って、防災気象情報の改善、技術の向上を進めてまいりたいと思います。特に、社会的に大きな影響を与える現象につきましては、発生のおそれを積極的に伝えていくという大きな方向性が示されておりますので、そのための「警報級の現象になる可能性」の提供や、時系列での危険度を分かりやすく提供する等の「新たなステージ」に対応した防災気象情報の改善について、報道関係機関、防災関係機関等の皆様のご意見も伺いつつ、順次実現してまいりたいと思います。
 また、今年は「ひまわり9号」の打ち上げを予定しているところです。昨年7月に「ひまわり8号」の運用を開始しました。この「ひまわり8号」との2機体制を確立するというのが当面の目標で、準備を進めてまいりたいと思います。
 さらに、昨年11月には「気候変動の影響への適応計画」が閣議決定されましたが、気象庁の地球温暖化に関する情報、観測の成果や予測の情報といったものを通じまして、国内の分野での適応策の策定や実施を支援してまいりたいと思っています。
 火山分野では、一昨年の御嶽山の火山災害を踏まえ、火山噴火予知連絡会や中央防災会議のワーキンググループから提言をいただいております。この提言に沿って、観測体制の強化や情報提供の改善に取り組んできております。本日4月1日からは、気象庁本庁、札幌、仙台、福岡の各管区において新たに4つの「火山監視・警報センター」等が設置されております。したがいまして、火山の監視、評価、情報提供といった体制の強化を引き続き進めてまいりたいと思います。この火山業務の強化においては、火山現象を分析・評価する技術力が重要であると思っています。職員研修の充実をはじめ、火山現象の評価等の技術力の向上にも粘り強く取り組んでまいります。

 この技術力につきましては、火山分野に限るものではありません。言うまでもなく、気象行政は科学技術を基盤としております。最新の科学技術を常に業務に活かしていくということがございますし、予測が難しい、例えば局地的な大雨等につきましては、そのような現象を把握・予測するための技術力の向上を継続的にしていく必要があると思っています。また、予報官を始めとする人的なスキル・技能を含め、技術力の向上のため、さらなる工夫・検討を進めてまいりたいと思います。また、技術の向上は、同時に、その成果が社会の各般において的確あるいは効果的に国民生活に活かされていくことが必要です。例えば気象警報等の防災気象情報が、国民や自治体での防災活動に活かされるには、気象庁・気象台が発表する情報が日頃から信頼を受け、防災情報の意味が正しく理解される必要があります。気象庁では、近年、自治体等に対して、平時から防災気象情報の理解を促進する取り組みと同時に、災害の発生が予想されるような場合には、その切迫度等について解説を行う等の防災対応を支援する取り組みを強化してきておりますが、そういった取り組みを引き続き進めていきたいと思います。そのようなことを実施していくためには、自治体等の防災関係者、報道機関、民間の皆様と継続的にコミュニケーションを取って、連携・協力し、相互の「信頼」関係を深めながら、社会において防災気象情報が効果的に活用・利用されるように進めてまいりたいと考えています。

 以上です。


主な質疑応答

Q 今、何点か抱負についておっしゃられましたが、今日も地震がありましたし、火山についても各地で高まりが見られており、今後も夏場になれば大雨や局地的豪雨も起こってくると思いますが、まず気象庁全体として、どのように情報発信を今後していきたいとお考えになっているのか、個別のことというよりは、どのような情報を提供する機関でありたいとお考えになっているかお聞かせください。
A 冒頭の発言でも述べましたが、気象庁の技術と信頼の気象行政を一歩でも進めていくことが非常に重要だと思っています。技術力を高め、その成果を皆様に使っていただける形で提供していく、解説していくことだと思います。そのためには、気象庁では、24時間365日、日々自然現象を監視していますので、その日々の観測、監視、予報・警報の発表等をしっかりと行っていくという基本を大事にしていく、ということが非常に重要ではないかと思っています。

Q 新年度ということもありますが、今年度、「新たなステージ」でありますとか、火山対策というところがありますが、今年度、特に取り組みを進めたい点についてお聞かせください。
A 再度のお話になるとは思いますが、一つは、気象部門で「新たなステージ」というキーワードで、昨年から取り組んでおります。今年からは、例えば今年5月頃には、提言いただきました土砂災害警戒判定メッシュをランドマークと合わせて分かりやすく提供する計画をしています。それから、秋には、同じく提言でいただきました記録的短時間大雨情報を迅速に発表する、最大で30分早く発表するという計画を持っておりますので、まずはそのためにしっかりと取り組んでいきたいと思います。また、冒頭の発言の中で述べました「警報級の現象になる可能性」や時系列での危険度の分かりやすい表示につきましては、来年度から本運用を目指しておりますが、今年の出水期からは試行という形でそれを始め、防災関係機関の皆様からご意見を伺いながら、より良いものとしていきたいと思っております。
 それから火山対策ですが、全国の常時観測火山において、水蒸気噴火の兆候をより良く捉えるための火口への観測強化を現在進めているところですので、この取り組みを着実に進める、ということがございます。また、火山の観測データをコンピュータシステムで解析をするということになりますが、このシステムの更新整備に今年度着手するということになりますので、ここをしっかりやっていきたいと思います。さらに火山については、組織体制・人材育成も非常に重要だと思っています。この4月1日で「火山監視・警報センター」が4センター、全国にできました。また、機動観測の強化もあわせて組織・人員の強化を、たくさんの関係者のご理解を得ながら進めることができていますので、次は、まさに実力を付けていくということだと思います。人材育成という観点では、本日発表もあったと思いますが、火山専門家の気象庁参与としての参画をしていただくこともありますし、研修の強化ということもあります。また、各センターに研究所の分室を置いて対応するということをしておりますので、日々のデータを見る中で力を付けていくということを、関係機関、大学の皆様ともよく連携しながら進めていきたいと思っています。

Q 前任の西出長官からの引継ぎで、とおっしゃられていましたが、橋田長官のオリジナルではないですが、雰囲気作りも含めて、やっていきたいことや抱負のようなものがあればお願いします。
A 施策という観点で言えば、今お話しましたように、平成28年度の予算が成立しましたが、予算に沿って強化するということ、火山以外にもございますので、それをきちんと進めていくのが大きな任務だと思っています。その上で、先ほどご質問にも答えで言いましたが、技術力を、火山に限らずどう高めていくか、ということがあります。それは例えばスーパーコンピュータシステムの更新に平成30年の運用開始に向けて着手したということもございますが、日頃の業務の中で、職員全員が日々研鑽をして力を付けていくという、良き気象庁の伝統と言いますか、それを一層定着させていくというのは一つ非常に大きなものではないかと思っています。それから、技術と信頼ということを申し上げましたが、気象台が最近よく外に出ていっていますが、まだまだコミュニケーションが取れていないのではないかと言われることもあります。利用者の皆様、関係者の皆様のご意見を聞いて、防災情報を中心として、それ以外の気象情報も含めまして、交通の安全、産業の興隆等ありますので、産業の興隆等については、もちろん民間の皆様が活躍する面が大変大きいと思いますが、気象情報が国民生活の中でより良く使われていくような工夫を何かできないだろうかということが非常に重要なことだと思っています。そのあたりは関係者のご意見も聞きながら、庁内でよく職員と話し合いながら進めていきたいと思います。したがいまして、キーワードを言いましたが、技術と信頼の気象行政を一歩前進させていく、そのための施策、そのための組織、職員との一丸となった気象業務の運営を進めていきたいと思っています。


(以上)

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