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長官記者会見要旨(平成27年3月26日)

会見日時等

平成27年3月26日(木) 11時30分~11時50分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、はじめに火山対策について、次に今月14日から仙台で開催されました第3回国連防災世界会議について、三点目としましては交通政策審議会第20回気象分科会について、最後に防災上の注意点についてお話をさせていただきます。

 まず火山対策についてですが、昨年9月の御嶽山の噴火から明日27日で半年が経過致します。改めて、噴火災害により、お亡くなりになられた方々と、その御遺族の皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、災害に遭われました皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。気象庁では、この噴火災害を受けまして火山噴火予知連絡会の下に設置した「火山の情報提供に関する検討会」および「火山観測体制等に関する検討会」を開催し、今後の火山業務の方向性について検討を進めてまいりました。先週の18日と19日にそれぞれ今年度内の最後の会合を開催させていただいたところです。委員の皆様方には、お忙しい中、約半年の間に各6回の会合に出席していただき、いろいろと貴重なご意見をいただきました。検討の結果を踏まえた最終報告につきましては、本日夕方に公表させていただく予定です。気象庁といたしましては、いただいた報告の内容を真摯に受け止め、今後、関係機関と連携・協力しながら、火山対策の益々の強化に努めてまいる所存です。

 次に第3回国連防災世界会議についてです。
 第3回国連防災世界会議が3月14日の土曜日から18日の水曜日にかけて、仙台市において開催されました。私も14日の土曜日から仙台に入りまして、17日火曜日までの4日間、「早期警報」や「巨大災害からの教訓」といったワーキングセッションでありますとか、世界気象機関(WMO)の主催した「早期警報」に関するパブリックフォーラム、日本損害保険協会が主催した「防災探検隊マップコンクール」の表彰式などへ参加するとともに、各国の気象庁長官、29ヶ国から来ていただきましたけれども、世界気象機関(WMO)、国連教育文化科学機関政府間海洋学委員会(UNESCO/IOC)等の国際機関からこの会議に参加するために来日した関係者と懇談いたしまして、防災に関する我が国の知見や経験を紹介してまいりました。特に「巨大災害からの教訓」のワーキングセッションでは、震災を踏まえた津波警報の改善について各国に紹介するとともに、東日本大震災のような甚大な被害をもたらす自然災害は、発生頻度が非常に低いということから、その対応手順について、理念だけではなくて実際の災害時に有効に働くか否かが肝要であると、そのためには平常時の業務の積み重ねが重要であるということを申し上げてきました。もう一つ強調しましたのは、私ども日本の気象庁では、気象だけでなく地震・火山、海洋など多くの分野を担当しております。このことが、例えば大きな地震が発生して地盤が緩んだという時に、大雨警報の警報基準を下げる、といった総合的で臨機の対応を可能としていること、自然災害に関するマルチハザードという言葉が国際機関、WMO等で非常に注目されているわけですけれども、その自然災害に対するマルチハザードの対応が、我が国の気象庁は整っているということを紹介しまして、他の国々でも参考にしていただきたい、ということを申し上げて参りました。

 次に交通政策審議会第20回気象分科会についてです。
 気象庁を含む国土交通省では、今年1月、近年の雨の降り方が局地化・集中化・激甚化しているということなどを「新たなステージ」と捉えまして、今後の防災・減災対策の検討の方向について取りまとめを行いました。この取りまとめや、昨年の広島の土砂災害など近年発生した様々な気象災害の状況等を踏まえまして、気象庁では、今般、交通政策審議会の気象分科会において、「新たなステージに対応した防災気象情報と観測・予測技術のあり方」というものをテーマとして審議を行うことといたしました。去る3月17日に第1回目であります気象分科会を開催したところです。この気象分科会では、大きく分けて二つの点についてご議論をいただきたいと考えております。一つ目は、気象庁が発表する防災気象情報が社会に受け入れられるよう、より防災対応に資するものとなるため、現在の技術を用いてできる、更なる工夫の余地はないか、ということです。二つ目は、防災気象情報を支える観測・予測技術の向上を図るための中長期的な取組の方向性というものを議論していただく予定です。  ご審議いただいた結果につきましては、今年の7月頃を目途に、ご提言としてまとめいただく予定としておりまして、気象庁としては、おまとめいただいたご提言をもとに、早急に実施可能なものから取組を進めてまいる所存です。

 最後に、防災上の注意点について、二点ございます。
 一つは、春先の低気圧の急発達と、雪崩等への注意についてです。春先には、日本付近で低気圧が急発達し、「春の嵐」と呼ばれる台風並みの暴風が吹き荒れることがあります。また、雪崩や雪解けによる洪水、土砂崩れなども起きやすくなります。これから暖かくなり、行楽地などに出かける機会も増えると思います。お出かけの際には最新の気象情報に注意していただくようお願いします。
 最後に東北地方太平洋沖地震への注意です。この3月11日で、東北地方太平洋沖地震発生から4年が経過しました。現在でも、余震域の沿岸に近い領域を中心に、東北地方太平洋沖地震発生以前に比べ活発な地震活動が継続しています。当分の間は、まれに規模の大きな余震が発生し、強い揺れ、さらには津波を伴う地震が発生することがありますので、引き続き注意をお願いします。

 以上です。


主な質疑応答

Q 最初ありましたが、御嶽山噴火からまもなく半年が経つということで、この半年の所感とですね、この期間中、検討会の委員の先生から気象庁の火山業務に対しては非常に厳しい意見も出されました。二度とあのような災害を起こさないためにですね、気象庁が4月以降、どのように取り組んでいくのか、その辺の意気込みというか、決意を教えてください。
A 冒頭にも申しましたように、まずはお亡くなりになった方々、そのご遺族に哀悼の意を表したいと思います。また、直接間接両方ありますけれども被害にあわれた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。この半年間、噴火予知連絡会のほうで、二つの検討会を開催して、観測体制の強化と情報伝達のあり方という二つの面で検討を進めてまいりました。最終報告はこのあと、午後に詳しく担当からご説明いたしますけれども、その前に、11月の末に緊急提言として、至急取り組むべきものをまず、ご提言いただいております。これにつきまして、出来るところから、まず取り組んでいるというところでございます。最終報告につきましても、最終報告には緊急で盛り込めなかった、いわば中長期的な面も含めた提言をいただくことになっておりますけれども、これについても4月以降、しっかりと取り組んでいきたいと思います。取り組んでいくことが、今回の御嶽山の噴火というのが、気象庁が火山情報の発表を開始した、昭和40年ですけれども、開始した以降で最悪、いろいろな言い方がありますけれども、戦後最悪という言い方もありますし、いろいろな言い方がありますけれども、気象庁という面で見ると、火山情報を正式に発表を始めて以来で、最悪の人的災害であったということでありますので、この災害で得られた教訓を無にしないと言いますか、しっかりと我々の火山業務に反映し、改善していくことが私どもの使命だと考えております。情報だけでは犠牲者をゼロにすることはできないと思いますけれども、あわせて検討された、中央防災会議のワーキンググループの報告にありますような、他の対策の強化とあわせまして、被害の軽減に精一杯取り組んでいく所存です。

Q それに合わせまして、職員の技術の向上とか、これまでもやってきましたが、その辺について強く言われています。そこはしっかりやっていかないといけないところですけど、その辺の決意はいかがでしょうか。
A 検討会では非常に厳しいご意見をいただきました。それは、火山学者も含め有識者の皆さまが、この噴火の教訓を絶対無にしてはいけないという強い思いの表れだと思います。そのことをしっかり受け止めて、観測の強化のほうはしっかりとやりますけれども、それだけではなく観測体制の強化で得られた新たなデータも含めて、しっかりと評価を出来る体制を組み上げていくというのが非常に大事だと思っています。いろんなアイディアをいただいておりますけれども、それは午後ご説明させていただきますけれども、そういうものをしっかりと実現できるように、今後、取り組んでいきたいと思います。

Q 先月、三陸沖で起きた地震のときに津波警報の件があり、長官も会見で改善していきたいとおっしゃっていましたが、その後、進捗状況はいかがでしょうか。
A 先月の段階では私の個人的なアイディアのようなものをお話しましたけれども、その後、地震火山部のほうで過去の地震について色々、実際に検討してもらいました。その結果、今、実際にやろうとしていることは、まず最初の津波警報、注意報の第一報、出来る限り3分以内に発表したいと思っています。その中で、新たな作業をどれくらい追加できるかという視点で検討した結果、先月もお話しましたが、緊急地震速報のようにP波だけで決定した震源と、通常のP波とS波、両方使って決めた震源にもし大きな差が生じた場合に、アラームを流すというような機能をシステムに組み込むことによって、あまり時間をオーバーしない範囲内で二つの地震の可能性があるということを担当者に知らせることが出来るのではないか、というような結果を今のところ得られております。ただ、それをシステムに組み込まないと、手作業でやると非常に時間がかかりますので、システム化出来るまでにはもう少し時間を頂きたいと思います。

Q 明日で御嶽山噴火半年ということで、この機会に改めて、長官が今、感じていらっしゃる火山観測、評価を含めた気象庁の課題というものは、どういうものがあるかということを教えてください。
A この機会に、今までなかなか取り組めなかった水蒸気噴火に対する観測体制の強化が出来るという事は、火山の監視、情報業務にとって非常に前進だと思います。ただ、先ほども申しましたが、観測データが出るだけではその前進は微々たるものでありますので、それをしっかりと評価出来るようにしなければいけないと思います。ただ、気象庁だけではそれは難しく、大学等の研究機関の研究者と、いかに協力していくかということが肝要だと思います。今回の厳しい意見の中でも、やはり半年前の噴火のときは、例えば評価体制が最善のものであれば結果が違ったかもしれない、というところまでは皆さん思っていらっしゃらないのですけれども、やはり出来ること、最善は尽くすべきだろう、というのが皆さんのご意見だったと思います。その中で、足りなかったことは何なのかということを十分議論、ご審議頂いた結果が今日の夕方の報告として出てくると思いますけれども、やはり日本の火山学に携わる、気象庁は火山の観測、監視に携わる、という火山の関係者が総力を挙げて取り組まないと、水蒸気噴火だけではありませんが、水蒸気噴火のように予測が難しく、微弱であっても人的災害が大きいというものに対処していくためには、気象庁、大学、研究機関の総力を挙げた取り組みが必要だろう、ということだと思います。そのために気象庁として出来ることは何かということを、報告を受けて具体的に詰めていきたいと思っています。

Q 実際に人を確保する必要があるんだという話が出てましたけど、職員を減らさないといけないとか、そういう現状があるなかで、どういう風に実現を図っていくのかというのがかなり難しい課題かなと思ったりするんですが、その辺りのプラン、どういう風に実現していくかということは何かありますか。
A なかなか難しいのですが、気象庁だけで考えれば、如何に大学、大学院で火山の知識を習得した人間を採用できるか、というのがまず一点だと思いますけれども、もう一つ、お聞きしたところによりますと、そういう学生も今、火山学、特に博士課程まで進んでいる学生が非常に少ないという現実もあるというふうに聞いておりますので、現役だけではなく色んな方がいらっしゃると思いますので、そういう方の活用というのが一つの課題だろうと思います。もう一つが、定員を減らさないといけないという、気象庁全体としては効率化に取り組まなければいけないのですが、それを進めると共に必要なところは強化していく、というところを上手くやっていければと思います。

Q 人材以外の話が色々、今日の午後出てきたときに、いつぐらいまでを目指しているのかという、それらのものの目処はいかがでしょうか。
A 理想的には夏山シーズンに間に合わせたいと思いますが、そうはいってもなかなか時間が、本当に夏山、入山が出来るときまでに出来るかというと、どうしても速報体制とかいうものになるとシステム化しなければ時間がかかって結局、役に立たないと思いますので、そういうシステム化を当然計画して、具体的に進めていかなければならないと今、思っていますが、それが夏山のシーズン開始に間に合うかどうかというのは際どいところだと思っていますが、目標としてはそういうところを目指しております。


(以上)

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